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原発避難

「人間なのに」中1訴え 新潟で深刻ないじめ

 東京電力福島第1原発事故後、新潟県に自主避難中の公立中学1年(当時)の女子生徒が2016年、同級生から「菌」と呼ばれるいじめを受けた問題で、生徒の通う自治体の教育委員会が設けた第三者委員会は29日、調査報告書をまとめた。転居時から「けがれる」などと同級生に呼ばれ続け、「人間なのに」との題名の作文で被害を訴えたが、学校は適切な対応を見送っていたことなど深刻な実態が明らかになった。

 報告書によると、女子生徒は小学3年の転入直後から同級生から「けがれる」「キモイ」などの言葉を浴び、一時不登校になった。復帰後の6年時もいじめはおさまらず、同級生が女子生徒の妹(当時小学3年)にエアガンを発砲。まもなく女子生徒は適応障害の診断を受けたという。

 両親らの再三の訴えで、進学先の中学校に再発防止に向けた引き継ぎがなされたものの、進学後も「友達が急によそよそしくなった」と被害の訴えは続いた。担任は関係生徒を指導したが、女子生徒には「気のせいではないか」と話すこともあったという。

 女子生徒は中1の7月ごろ「人間なのに」と題する作文を学校側に提出。「中学校でもいじめは続いています」と訴えたが、担当教諭は「見落とした」と釈明している。1年の2学期までには、名前などに「菌」という言葉をつけ、鬼ごっこが行われた。その後も同級生による無視などが続き、3学期には登校できなくなったという。

 報告書は「菌」と呼ばれたことは原発避難と「無関係とはいえない」と学校側が認めていなかった因果関係を認めた。その上で「避難した家族への無理解は根強い。全職員はいじめ問題の知見を強化すべきだ」などと指摘した。【南茂芽育】

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