【1月29日 AFP】インドネシア・アチェ(Aceh)州の警察当局は29日、美容院で働くトランスジェンダー(性別越境者)の女性たちの髪を強制的に切り、男性の服を着用させたことを明らかにした。世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアでも、アチェ州は保守的で、シャリア(イスラム法)が施行されている国内唯一の州となっている。

 警察は28日、同州にある複数の美容院に対して強制捜査を行い、少年グループに誘惑めいた行動を取ったとの疑いでトランスジェンダーの従業員ら十数人を一斉検挙した。

 また警察は従業員らがシャリアに違反しているとして、うち数人の長い髪をはさみで切り、全員に男性用の服を着せ、男らしい声で話すよう強要したという。

 地元警察のトップはAFPに対し、「トランスジェンダーの女性たちから息子が誘惑されたと、母親たちから通報があった」と語った。

 警察によると、女性たちは数日拘束された後、もっと「男っぽく」歩いたり話したりする指導や「道徳教育」といった、地元の宗教指導者による5日間の「訓練」療法を受けることになるという。(c)AFP