子ども向けのキャラクター動画に見せかけながら、再生したら残虐な内容だった……「エルサゲート」(Elsagete)と呼ばれるこんな動画がYouTubeで公開されており、日本でも物議をかもしている。YouTubeの「おすすめ」機能などを通じて子どもたちが見てしまい、ショックを受けることもあるという。YouTubeを運営するGoogleは「対策を行っている」と強調するが、悪意ある投稿者といたちごっこになっているようだ。
「エルサゲート」の由来は、ディズニー映画「アナと雪の女王」の主人公・エルサ。エルサなど子どもに人気のキャラクターのアニメや実写コスプレなどを使い、一見子ども向け動画のように見せかけながら、キャラクターが暴力を振るったり、子どもを虐待したり、排泄行為を繰り返すなど、子どもがショックを受けそうな内容の動画が、YouTubeに多数公開されている。
エルサやスパイダーマン、ミッキーマウスなど海外作品のキャラクターを使ったもののほか、アンパンマンなど日本の人気キャラを使ったものもある。投稿者の意図は不明で、「広告収入目的では」「子ども達への嫌がらせ・洗脳目的では」などとも言われている。海外では昨年から問題がクローズアップされており、日本でも昨年末ごろから話題になっている。
エルサゲート対策についてGoogle日本法人に尋ねたところ、「昨年から今年にかけ、ファミリー向けコンテンツの不適切な利用に対する収益化の停止などに取り組んできた」とコメント。年明けにポリシー刷新を発表するなど、不適切な動画投稿者の収益化を阻止する取り組みを進めていると強調する。
実際、過去に「エルサゲート動画だ」と指摘された動画の一部は既に削除されるなど、対策が効果を上げている面はあるようだ。ただ、現時点でも問題のある動画は多数YouTubeに残っており、「子ども向けYouTubeアプリ『YouTube Kids』を使っていても、不適切な動画が混じることもある」との報告もある。
こういった動画から子どもを守るためには、「子どもだけでYouTubeを見せない」といった対策を採るしかなさそうだ。また、問題のある動画を見つけた場合は、YouTubeに問題を報告するといいだろう。
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