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【社会】

ネットカフェ難民 都内1日4000人 7割超は不安定労働

 住居が無くインターネットカフェなどに泊まる「ネットカフェ難民」が東京都内で一日当たり約四千人に上るとみられることが二十九日、都が初めて実施した実態調査で分かった。そのうち七割超の約三千人が派遣労働者など不安定な働き方をしていると推定された。

 都は二〇一六年十一月~一七年一月、都内の二十四時間営業のネットカフェや漫画喫茶など全五百二店を対象に、店側と利用者のアンケートを実施。二百二十二店から回答があった。

 オールナイトの利用者九百四十六人に理由を尋ねたところ「旅行・出張中の宿泊」が37・1%と最多で、「住居が無く、寝泊まりするため」の25・8%が続いた。他は「遊び・仕事で遅くなった」13・1%、「家に帰りたくない事情がある」5・9%など。都は回答した店の平均宿泊者数などから、平日に泊まる人は都内で一万五千三百人と推計し、うち住居の無い人は約四千人と算出した。

 住居の無い泊まり客を年代別にみると、三十代(38・5%)と五十代(27・9%)が目立った。労働形態は、パート・アルバイト38・1%、派遣労働者33・2%、契約社員4・5%で、不安定な働き方をしている人が七割を超えていた。

 都はさらに、住居が無い客ら三百六十三人に聞き取り調査を実施。店舗の他に、路上でも寝泊まりする人は43・8%いた。一カ月の収入は十一万~十五万円が46・8%と最多で、収入がない人は10・7%に上った。

 都の担当者は「今の三十代はリーマン・ショック後の派遣切りや雇い止めの影響が大きいと推定される。五十代が多いのは、仕事を辞めると再就職が困難だからではないか」としている。

(東京新聞)

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