前回のエントリ の続きとして、「下記の本を読んで私=ちきりんが考えたこと」を書いておきます。
今日のテーマは「皇位継承に男女平等論を持ち込むのは論理破綻では?」って話。
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まずは質問から。
皇室の話はいったん忘れ、一般論として考えてみてください。
みなさんは、性別による差別、出自(血統)による差別、人種による差別、外見による差別、などのうち、「性差別だけは許せないが、他は許せる」とか「人種差別は問題ないが、性差別は問題だ」とか思います?
思いませんよね。
性別だろうと血統だろうと人種だろうと、生まれながらにして決まってる(or 自分の努力では変えられない)ことに基づき、特定の権利を制限するのは差別だからダメっすよ! というのが基本的な考え方でしょ。
だとすると、「性別による差別はよくないが、出自による差別は問題が無い」って考えは論理破綻してますよね?
「差別はいかん」というなら、男女差別だけでなく、生まれによる差別も、見かけによる差別もダメなはずなんです。
★★★
ここで話を皇室に戻します。
「女性に皇位継承権がないのはおかしい」と言う人は、「皇位継承に差別があってはならない。平等に継承できるべきだ!」と考えてるんですよね?
だったら当然、「血統によっても、皇位継承権に差があってはならない」んでしょ?
だって「男性なら天皇になれるけど、女性だと天皇になれない」が差別だというなら、「天皇の子として生まれたら皇位継承権が与えられるけど、一般人の子として生まれたらどんなに努力しても天皇にはなれない」というのも出自(血統)による差別なんだから。
つまり男女平等論に限らず、「皇位継承の際、差別があってはならない」というなら、「次の天皇」は、なんらか「民主的」な「差別のない」方法で選ばれる必要がでてきてしまう。
たとえば国民の中から希望者が立候補して選挙で決めるとか、もしくは希望者がセンター試験を受けて、合格者を宮内庁が面接して決めるとか・・・
でもね。ちょっと考えてみてください。
そうやって「民主的に、一切の差別なく選ばれた天皇」を国民の象徴とみなせます? そういう天皇とその家族を公費で維持することにみんな、賛成するの??
わかるでしょ。
「民主的な、差別のない方法で天皇を選ぶ」なんてことをしたら、誰もそんなものの価値を認めなくなる。つまり天皇制度自体が意義を失っちゃうんです。
「男女差別反対! 天皇は差別なく選ばれるべきだ!」って言ってる人の主張は、最終的には「天皇制は廃止すべき」ってところに行き着いちゃうってことでもあります。