立野ダム現地見学 住民から賛否の声 [熊本県]
南阿蘇村は28日、国が本年度中の本体工事着手を目指す立野ダム(南阿蘇村、大津町)の現地見学会を開いた。村民約80人が建設予定地の白川流域を視察。意見交換会では、住民から事業への賛否それぞれの意見が出た。
立野ダムは洪水調節が目的で、本体下部の5メートル四方の放流口3カ所から水を流す構造。意見交換会では国土交通省立野ダム工事事務所の鵜木和博所長が「建設予定に熊本地震の影響はない」などと説明した。
住民からは「流木が詰まる可能性があり、洪水調整能力は小さい」「世界ジオパークの自然景観を壊すべきでない」などの反対意見が相次いだ一方で、「地元で長年の議論を重ねて賛成の結論を出したことを理解してほしい」と早期着工を求める意見も出た。
吉良清一村長は「下流域の生命財産を守るのが村の責務。環境に優しいダムになるよう国に求めていきたい」と述べた。
=2018/01/29付 西日本新聞朝刊=