培ったロボット技術を応用 別の企業が断念したドローンを製造
会場に展示されていた浮遊球体ドローンディスプレイは、2017年4月にNTTドコモが発表した全方位に映像を表示するドローン。発表当時は、世界初として2018年度の商用化を目指していた。その基本的な仕組みは、球体を構成している環状のフレームにLEDを並べ、内部に飛行と回転を行うドローンの機能を備える。展示されている機体を見ると、通常のクアッドコプータとしてのプロペラの他に、回転用のプロペラが2つ垂直に取り付けられている。飛行時は、このプロペラで機体を回転させ、LEDの残像で球体ディスプレイとなる。NTTドコモの報道資料では、浮遊球体ドローンディスプレイを任意の場所に飛行させることで、コンサートやライブ会場でのダイナミックな演出や、デジタルなアドバルーンになると紹介されていた。
実際に浮遊球体ドローンディスプレイを製造したのは、展示していたスマートロボティクス社。会場にいた説明員によれば、社内のロボティクスに精通したエンジニアが、実現のための方策を検討し、製作にあたったという。展示されていた機体には、DJIのA3と思われるフライトコントローラーが搭載されていた。当初は別の会社が製造を担当していたが、予定通りに進まなかったこともあり、スマートロボティクスが引き継いだという。同社がドローンを手掛けるのは初めてだが、ロボット研究で培った高い技術力により短期間で完成したという。
詳しい開発の経緯や採用されている技術などについては、後日エンジニアへのインタビューを予定している。