mobicomm(モビコム/ジグソー)の「不可解」なリリース  -Altair社との関係-

JASDAQ上場企業ジグソー(JIG-SAW)の子会社であるmobicomm(モビコム)が、2017年9月にリリースしたaltair semiconductor関連の内容について、疑義があることを指摘します。岩手県花巻市二枚橋第5地割6番地38

更新日: 2018年01月27日

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ジグソー(JIG-SAW)の子会社であるmobicomm(モビコム)が2017年9月にリリースした内容について、疑義があることを指摘します。

biovisiqさん

2017年9月4日 mobicomm社(ジグソー子会社)がモジュール出荷開始リリース

最新IOT-LTE CAT-1モジュール(キャリアグレード)が出荷開始されました
2017.09.04

 法人ユース向けに多くの通信モジュール開発実績を保有する当社が開発を担当したキャリア最新IoT-LTEモジュール(CAT-1)の出荷が開始されました。
 当社はこの知見・実績を基に、各種IoT通信制御基盤の実績を積み上げ、JIG-SAWのIoTデータコントロールサービスとの接続を実行してまいります。
 また今後は、当社が保有するハードウェア組込み・通信制御技術を駆使し、各種産業機器・IoT機器・IoTデバイスとの接続制御を、通信モジュールにとどまらず、チップセット・GW(ゲートウェイ)の全てのレイヤーにおいて実施し、IoTデータコントロールサービスとの自動接続を実現してまいります。

※ご参考:IoT-LTE : Altair Semiconductor社と包括技術ライセンス契約を締結済(2015年12月)
※Altair Semiconductor社(イスラエル)は2016年1月26日にソニー株式会社の子会社となりました。

■mobicomm社について

・10数名の零細企業(東京本社、岩手ラボ)、少人数の開発エンジニア集団
・機械設備を保有せず製造、出荷体制を整えることはできない
・過去mobicomm製モジュール等の出荷実績はなく、他社へのエンジニア派遣、一部受託等のみ
・親会社であるジグソー社(JIG-SAW)はAltair社と包括技術ライセンス契約を締結
 (ただし、Altair社HPにはそれに関する記載はなし)
・LPWAにおける実績はAltair社と共同開発した(と思われる)「CAT-1」のみ
・Altair社との開発パートナーの位置づけは重要な役割ではない

■Altair Semiconductor社について

・日本における取り組みは、docomo/KDDI向けはモジュール検証完了まで
・この2キャリアの公表取扱モジュールには、Altair(またはmobicomm)社製はなし
・Softbankとは太陽誘電と3社で共同開発し、2017年初頭に太陽誘電名義として供給・提供済
 (上記開発にはmobicomm社は関与していない)
・LPWAのセルラー系モジュール「CAT-1」「CAT-M」「CAT-NB」を網羅
・現在はSONY傘下(2016年初に買収)

以上のことより、本リリースを好意的に読み解くと次の解釈しかあり得ません。

自社「開発」し、国内3キャリア"以外"へ(僅少の)「出荷」

では、なぜ自社開発にも関わらず「Altair社」が注釈として記載されているのか。
これは、Altair社主導で開発に僅かな関与をした程度にも関わらず、「自社開発」と欺くための誇張・虚偽であり、そのような出荷事実がないという疑義が生まれる。

本リリース疑義の指摘、およびその根拠を明示します。

以下に示すものは、各当事者が公表している情報をもとにしております。
勝手な解釈等は一切しておりません。

1.関係者を欺くための曖昧なリリース内容

素直に読めば、mobicomm社が当モジュールを全て開発したかのように読み取れる。
だが、mobicomm社は特段LPWAに強いわけではなく、本文とは無関係である「Altair社」、「包括技術ライセンス契約」が突如注釈として記載される。

これは、Altair社モジュールに関連があることを示唆する一方、自社開発であるかのような誤解を招く公表文書としてあまりに稚拙なものである。
※IoT-LTEはAltair社独自の表記ではない

また、モジュール出荷とあるが型番や出荷先等の具体的な情報が明示されていない。
mobicomm社として自社ブランドの出荷実績はなく、これが初めての出荷であれば数を多く見込むことは難しい。

後述する各点と併せ、このように読み手を故意に欺く内容を公表することは、上場企業子会社としてあるまじき卑劣な行為である。

9/4の本リリース直前、8/30に同じ「CAT-1」モジュールとしてセイコーソリューションズ社の「SKM32」がKDDIより提供される。mobicomm社の取引先として同社は存在している。
だが、本リリースにはAltair社が関連することが記載され、Altair社とセイコーソリューションズ社の両社には繋がりがないことから、当該モジュールとは関係ないと思われる。

よって、このリリースは後述する各者情報をもとにし、次のように読み替える必要がある。


---<Altair社モジュールの国内キャリア検証支援のみ>---

法人ユース向け通信モジュール開発実績、および無線通信技術を保有する当社は、この度Altair Semiconductor社のIoT-LTEモジュール(CAT-1)開発にあたり、国内キャリア向けの検証・技術支援を行いました。

(以下、略)

※ご参考
Altair Semiconductor社:最先端LTEチップのグローバルサプライヤーであり、現在SONY傘下である。親会社であるJIG-SAWと包括技術ライセンス契約を締結済(2015年12月)
---

もしくは、

---<自社開発モジュールの出荷>---

法人ユース向けに多くの通信モジュール開発実績、通信技術を保有する当社が開発をしたIoTモジュール(CAT-1)の出荷が開始されました。(非キャリアグレード)

(※ご参考部は不要)
---

ただし、非キャリアグレードでCAT-1が成り立つのか不明

2.mobicomm社のLPWAにおける実績は「CAT-1」のみ

mobicomm社HPを見ておわかりのとおり、LPWAのセルラー系取り組みとして「CAT-1」のみである。しかも、これは独自開発ではなくAltair社ありきのものだと思われる。
これまで自社名義としての製造実績はなく、通信技術の知見は保有しているだろうが、あくまで他社との共同開発、技術連携等という名のエンジニア派遣、一部受託とR&Dが主である。

3.Altair社は、docomo/KDDIへのモジュール供給はしていない

docomo/KDDIが公表している取扱モジュール一覧には「Altair/mobicomm」各社製ともラインナップされていない。
2017/12時点では、CAT-1、CAT-Mに対する検証(完了)のステータスである。

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