【ソウル大貫智子】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、平昌(ピョンチャン)冬季五輪に向けた南北融和政策が批判を浴び、支持率が急降下している。世論調査会社・リアルメーターの25日発表の調査によると、文氏の支持率は前週比6.2ポイント減の59.8%で、昨年5月の政権発足以来、同社の調査で初めて60%台を割った。約2週間後に迫った五輪開幕を前に、対北朝鮮政策を巡る国内対立が激化しつつある。
同社調査の文氏の支持率は就任当初、82%を記録して以降、70%前後で推移していたが、今年に入って3週連続で低下。今回、不支持率は過去最高の35.6%に上った。
支持率はほぼ全地域で低下。支持政党別では無党派層が前週比13.8%減の大幅減で、不支持(44.5%)が支持(36.7%)を上回った。同社は、アイスホッケー女子の南北合同チーム結成に続き、芸術団派遣のための事前調査団への過剰対応や、北朝鮮が平昌五輪開幕前日に軍創建日を変更したことなどが支持率低下に影響したと分析している。
こうした中、韓国のインターネット検索最大手「ネイバー」を舞台に、文氏の支持者と政権批判勢力による検索語を巡るバトルが勃発。文氏が就任後初の誕生日を迎えた24日、支持者は文氏が掲げる「平和五輪」を検索ランキング1位に押し上げようと動いたのに対し、批判勢力は文氏の南北融和政策への皮肉を込めて「平壌(ピョンヤン)五輪」を1位にしようと動員をかけた。結果は両者が1、2位を奪い合うほぼ互角の戦い。一方、「平昌五輪」が上位10位以内に入ることはほとんどなかった。