Twitterでしばらく見かけなかったfollowerが浮上してきた。去年の10月前後の事だ。
その人とは以前百合アニメに関して波長が合っていたのでよくやり取りをしていた。その人が帰ってきたのは嬉しく感じた。
が、様子が少しおかしい。どうやらtogetterでよく見かけるような話題に女性弁護士が男性側の立場に立って見解を表明しているのに強く腹を立てている様子だった。
その人は必死になって弁護士に反論リプライを送っていたけども、相手にされる訳もなく自分の無力さを深く嘆いていた。
そこからどんどんと思想が過激化して行く。元々アルファツイッターユーザーのように周りから反響のあるタイプの人でもない普通の人が発信力を求めようとするとどうなるか? そう、発信力のあるラディカルフェミニストやミサンドリストに擦り寄って行ったのである。
「人を嫌うのは一人で嫌え」というのが心に刻みたい言葉だったそうだがそんな言葉とは裏腹にラディカルフェミニストの過激な意見をバンバンRTして男性、保守、現代社会、とにかくあらゆるものを叩き始めた。アニメの話は殆どしなくなった。
何より悲しかったのはこのアニメに関する話で雑な見解を披露し始めた事だ。例えば今期から始まった女子高生が南極に行くアニメを取り上げた感想が
「女子高生のテンプレな日常なんていらないから早く南極のロマンを取り上げて欲しい」
というものだった。嗚呼なんという雑な見解なんだろうか。かつてのアニメに対する向き合い方や感情を汲み取った深い考察を見せた姿はもはやそこには無かった。そこからはもう完全にただのミサンドリストとしての観察対象だった。女性は365日24時間男性からの悪意に晒されているらしい。それが彼女の口癖だった。
とは言えfollowerの事を悪く言いたく無かった俺は彼女の事をフェミニストと定義して呼んでいた。もしかしたらフェミニストの人はこう考えているかも知らないという思考を語ってみた。俺はフェミニストの気持ちを理解しきれてないからそれでどうにか理解してみようと努力した。
ところがそれが彼女の逆鱗に触れる。どうやら俺がフェミニストに対して雑なレッテル貼りをしあまつさえ同性のやらかし(センター試験に行く女子高生に痴漢してもやりたい放題できるみたいなツイートが広まった事。自分のTLにそんなのが流れてこなかったので気付かなかった)に対して反省の意を述べない姿勢が気に入らなかったようだ。こうして俺はブロックされてしまった。
以下の事から分かるのは、人の事を理解しようとして思考実験をしても雑な見識を披露してしまうのでは意味が無いという事だ。触れるのならばちゃんとその辺を考えるべきだった。これは俺の反省点だ。
それとは別に思ったのは思想がイデオロギーに染まりきる事に対しての恐ろしさだ。かつての知り合いだったfollowerがミサンドリストやネトウヨに転向して行っているのを見ると、再会した友人が宗教にハマってて勧誘された事を思い出す。気持ちとしてはそれに近いものがあった。
とは言え、俺一人がこう嘆いた所で相手に届く事は難しいだろうし今回のようにブロックされてしまえばそれで終了してしまうだろう。その点では自分一人の力では何もできないと嘆いていた彼女と同類なのだ。
そしてそれはまた自分がこのようなイデオロギーに染まる可能性があるという警告なのかもしれない。いや、もしかしたら既にそうなっているのかも……
とらちゃん?