格闘技の世界は基本的に『デカけりゃ強い』という前提の上でスピードやテクニックに磨きをかけて強さを競う。けれど生物界にある『生き残る強さ』というものは多種多様な能力にあふれている。
ナマケモノはセルフネグレクトかましてるのに生きているし、モグラは12時間以内にエサを食べないと死ぬくせに動く速度がカタツムリの1/3程度しかないとのこと。24時間生き続けるだけでもハードル高い生き物が、何故か生き残る強さを持っている。
さて、Schooではそんな生き物の強さについて篠原かをり先生を招いて講義をしてくれた。
先生が語ると男前なサーバルちゃん
トラやライオンなどネコ科の動物は狩りの成功率が10%程度なのだとか。その低い確率でもエサを獲れるようにナワバリというエリアを確保して、そこにいるエサを他者に取られないようにする。しかしサーバルは50%程度という驚異的な成功率なので、エサを見つければかなり高確率で仕留めることができる。それゆえナワバリという狩場を守ってエサを確保する必要はない。結果としてナワバリ争いなんて無益な争いをせずにすむ。
己の能力が高ければ他者が何をするのかなんて気にならない!
攻撃的なチンパンジーと愛情深いボノボ
チンパンジーで賢さを発揮したのはパン君だけど、彼の引退理由は成長して狂暴化したからだ。一方で彼らチンパンジーよりおとなしく愛情深い類人猿がボノボ。温厚なだけでなくゲームも得意でパックマンのルールを理解してゲームをすることができる。
ある程度賢い動物なら『敵から逃げる』ということまでは理解できるが、『強くなって逆に敵を追いかけることもできる』というところまで理解したというのは驚きだ。
サバイブ(SURVIVE)――強くなければ、生き残れない
【アマゾンで探す】【楽天で探す】
強くなければ生き残れない
仮面ライダー龍騎の「戦わなければ生き残れない」みたいな感じだけど、積極的に戦う生き物がいる一方で必要最小限の戦いにおさえて生きている生物もまた多い。
哲学好きやヨガの実践者のなかには『ゆるく生きる』ことの素晴らしさを強く語る人がいるものの、テレビで目にする実践人はメチャクチャ頑張っている人だ。陰で努力して営業して一生懸命なくせに、表に出るときだけひょうひょうとした涼しげな顔でユルさをアピールしてくる。そういう人は『擬態』という強さを持っている。
本当にユルい人なら、仕事以外はネット・テレビ・スマホでダラダラ過ごし最小限のお金で生きることだろう。趣味としてヨガや哲学を実践するにしても、多くの人目につけば嫌なこと言われるし、新しいことを身に着けるなど頑張らずにいれば飽きられる。
動物園にいるハシビロコウは動かないことで有名となり多くの人が見に来るけれど、あまりに動かないのでお客さんは飽きて違う動物を見に行ってしまう。テレビに出てるユルいこと言う人も同じものばかり見せていては飽きられてしまうはずなので、本当の実践者は何十年も継続して己を高めつつも尊ばれることの無いそこらへんにいる人だろう。
そんな感じで本当にユルい人、ユルい人に擬態した頑張り屋、めちゃくちゃ頑張っている人など、生きる強さというのは様々あって、自分の生き方に迷ったときはサバイブという本にある多種多様な強さの中から生きる道を発見したい。