4話

前回ラストで撃たれて入院した哲平。そこでテディベアを抱えた子供と出会う。ついでに知り合いの女子高生奈々子の学校の先生も検診に来ており、その病院の帰りにその先生は不審死。

探偵社にも、元病院関係者の人探しの依頼が舞い込む。

奈々子にせっつかれて、死因を探ると、毒殺されたらしくて、それは外科医のおっさんが偶然にもタバコが交換してしまったことにより、狙われたのは外科医だった。

その外科医も階段から突き落とされて死亡。

だが、遺体が持ち去られ、それを確認しに行ったことにより、腹を裂かれた遺体を発見。

それから、腹を裂いてまで、何かを探そうとしたのかと考え、外科医の死の直前に、テディベアが投げ落とされたことから、中に何かあると探ると、マイクロフィルムが。

実は子供の父親は海外報道記者で、これをネタに海外に高飛びを画策していた。そしてフィルムには臓器売買が。

外科医の死体を発見した時に、なぜ放置したのか考え、その日、急患が来て医者は院長一人。院長を捕まえて終了。

さらに、冒頭から身元不明の遺体を所長じゃないかと調べる警察は、最後に、それがジャーナリストであったことが判明。では会った男は誰だ。


内容としては、病院モノの事件の例に洩れず、後ろ暗い臓器売買が明らかに。

相変わらずエンジンの掛かり方が遅いけど、外科医が殺されて、その遺体を発見してからは怒涛。

ちゃんと、論理的に、遺体が見つかった時に、放置した理由はなんだ、急患が来たから、なら犯人は医者だ。その日の唯一の医者は院長だと。


2話で知り合ったADが入院していたり、情報屋から十字架のペンダント探しを中止されたり、さらに前回のラスボスの中国マフィアと出会ってしまったりで。

さらに大きな物語の流れで、1話の財閥の一族が殺しあう事件で、発端になった、死んでいた父親が、政治献金していたらしく、誰かがその献金を再開したらしい。

そして、その政治家が党の党首になり、病院に入院していたらしい。


まあ、あのジャーナリストは父親なのは明白だけど。


相変わらず、最初がね。見舞いに行って仕事して、そしたら事件で。

あの行方不明な人も探している人は不審だったし。


5話

やることもなく、所長の残した資料の整理をしていると、今まで関わった事件に関わることが。

そして、飲み会の帰りに、タクシー運転手の死体を発見。さらに京香が、所長の所持品を拾って、挙動不審に。成美がトラウマ発動で動けなくなる。

一方、警察では、公安の刑事が行方不明に、そして派出所の警官が殺されている。

調べると、タクシー運転手が派出所に忘れ物を届けたことが判明。さらに、タクシー運転手が死ぬ前日の最後に、3話で舎弟が猟奇殺人に遭った現場の近くだったので、調べてみると公安の死体発見。

これで、公安殺害後に犯人がタクシーに乗り、忘れ物をして、身元がばれそうになった犯人が派出所の警官、タクシー運転手を殺害した。

一方、京香の挙動不審を取り除くために、所長の失踪原因を調べて行くと、妻が殺され、犯人は、4話で失踪調査した医師の医療ミスで殺されていた。

そして、残された資料には、1話の木原グループの資金、2話の吸収合併したテレビと新聞社の情報操作、3話の暴力団とマフィアの密輸、4話の病院の臓器売買が全てが繋がる。

暴力団に拉致された人間は、病院で臓器売買され、マフィアに密輸され、木原グループの資金をバックに、テレビの情報隠蔽があった。大規模組織があると。

所長は、調べ上げており、妻を殺され、娘を置いて逃げ回らなければならなかった。そして逃げる切っ掛けになったのは、今成り代わっている新聞記者が、所長として殺されたから。

それを伝えに氷室のところに行き、それを伝えると、さらに事件を捜査しない警察にも内通者が。だから所長は警察をやめたと。

そして今回の事件も、警察内部犯だと。今回の事件、タクシー運転手を裏路地に呼ぶのも、派出所の警官を殺すのも、公安を山の中で殺すのも、刑事なら可能だと。

それが可能なのは、森川だけ。彼と話すと忘れ物の携帯の着メロが同じ。

その瞬間、銃を抜き、氷室が撃たれ、落とした銃を拾って、向かい合う二人。

説得の末に、あのマフィアのボスに狙撃され、森川は死亡。

氷室と真神の二人は、組織に命がけの戦いを挑む。


まさか、いつも、ボケ、ツッコミの言い合いする森川が敵組織の一員で犯人だったとは。

というか、所長の行動を追って、今までの事件が全て繋がる快感とそれが意味する巨大組織の存在に気を取られて、そういえば事件があったなと思っていたら、最終推理に入って、犯人が思いつかないなあと思っていたら、警察も組織の息が掛かっている。犯人も刑事。

で、論理的に、氷室以外の刑事が、犯行が可能か、派出所の警官と知り合いで3話の事件を知っている。それは森川しかいない。

着メロのダメ押しから、銃を構えての睨み合いの緊張感が素晴らしい。

そして、森川の今までの人間としての見せ方が全部繋がる、説得が良いな。

銃が下手と言いながら、メチャ上手いこと、京香を好きなことで、所長が生きていることに泣いたこと、一つ一つ思い出で説得して行く。

そして説得できたところで狙撃射殺。死に際に最後に謝っといてくれと、組織名パーツを教えてくれる。


しかし、今まで断片的に出ていた情報が、繋がることが凄いな。

1話の財閥当主の死から裏帳簿の発表で解体。2話のテレビ局の吸収合併。3話の暴力団とマフィアの密輸。4話の臓器密輸。

全てが一つの組織的犯罪で、所長が立ち向かっていた事実。

4話での失踪医師が、所長の妻を殺した犯人を殺したことにされて失踪したりして繋がっている。

さらに、登場人物の全てが、レギュラーまで、組織と敵対する理由を持っている。

そして被害者でもある。

だからこそ、最後に、恭介と氷室の二人で挑んで行くラストカットが、メチャクチャカッコイイ。倒せれば報われる、救われるものが多くいる。


伏線も1話の盲目のピアニストと兄で木原の秘書が巨大客船で帰国。バラバラになった木原グループを再建した会社が出資するイベントに出席予定だったり。木原グループの会長の死から、組織の内部分裂が発生して、森川のこの事態に組織内での出世を望んでいた。

主人公たちに情報が洩れるほど隙が出ている。


5話は、レギュラーキャラたちのテンションが異様に高くて、キャラ掘り下げ、感情表現、関係性の補完、全て完璧で。その全てが組織対決に向かって行く高揚感も凄い。


6話

これまでの事件が全て繋がっていることに気が付いた恭介は、哲平、氷室、京香とこれまでの事件を振り返り、事件を繋がっているという視点で洗い出すことに。

だが、ご隠居が狙撃され、4話で探した無免許医に助けを求め、同じ時、市内でイベントがあり、それに、1話のピアニスト、2話のアイドル、4話の子供、5話の不良女と、今まで出会ってきた関係者の全てが登場し、再会して聞き込みを開始。

そして、イベントのスポンサーが1話の事件で解散した財閥を引き継いだ社長と判明し、調べて行くと、組織の一員だと判明して、簡単に追い詰めるが、逆に、3話のマフィアたちに、そいつらは囮として見捨てられた存在だと知ることに。

そして帰還した所長から、これまでの推理の確証を得た恭介は、敵の黒幕は、自分たちを監視している身近な人物だと推理して、ベテランの伊佐山から、昔の事件を探し続ける証拠を見せてもらい、それが所長の奥さんが作ったものだった。そしてそれを渡したのが、1話から出ている所長の親友弁護士諏訪だった。

犯人を見定めた恭介に、マフィアから、イベント会場爆破予告が入る。それを解除して、客船上で、マフィアと黒幕諏訪と一騎打ち。

推理して、調べ上げた、相手の人格、行動動機、犯罪の証拠を叩きつけて、論破する。

完全降伏して、マフィアの乗るヘリを爆破して、自殺しようとする諏訪を説得する恭介。

諏訪は、自分が両親を殺したと挑発するが、それでも永遠の謎として苦しんできたことの真実を教えてくれたことに感謝して、自首させる。

そして、恭介が捜し求めた形見のペンダントは返却され、全ての事件は解決され、実は同じペンダントを持つ成美が姉だということが判明する大団円。

事件の後日談と、それぞれの日常に帰る者、また旅立って行く友人たち。それを見送る恭介の胸には母の形見のペンダントが。哲平とのハイタッチで終了。


感無量、神作品だった。

面白い作品、特に傑作は、全てが終わった後の達成感、充実感でお腹が一杯で、良い感じに疲れさせてくれる。

もう6話は、繋がっている今までの事件を洗いなおして、そして、再登場する懐かしいキャラたちとの再会で、メチャクチャ盛り上がった。

ずっとテンションが異常に高い状態を維持して、素晴らしかった。

しかも、ただ再登場させたわけじゃなくて、それぞれの事件の洗い出しで、聞き込めば、死んでしまった組織の幹部だった重要人物たちの情報が聞けて。

本当に素晴らしい。

そして、犯人が、1話から出ている、しかも所長の親友だったことが判明して、彼が犯人である証拠を一つずつ積み上げて行く。動機も推理して。

その推理を、一騎打ちで叩きつけて、全てを終わらせる。

長い、長い事件が終わり、その最後に、主人公、恭介でなければならなかった事実と、形見のペンダントで報われる展開。


最後に、後日談が終わって、EDが流れた時には、充実感で一杯だった。


総評

1話完結かと思えば全てが繋がっている、探偵モノの傑作ゲーム。

最初は、くだらない日常をノロノロとやって、つまらないなと思って、やっと事件発生だと思ったら、またノロノロ。またかよって思っていたら、さらに事件発生で、そのまま、ノロノロやっているうちに張られた伏線が全て収束していく、怒涛の展開。

これの繰り返しなのだが、1,2話がまだキャラに愛着がなくて一番きつかったけど、3話ぐらいになってから、キャラの掘り下げが進んで、主人公も成長、そして4話から事件が繋がり始める。

そして、5話の犯人がレギュラーで、敵の組織が巨大であることが判明してからの6話。

全キャラ再登場でメチャクチャ燃えた。


洗い出しで、これまでの事件を調べると、1話の財閥の裏帳簿発見が全ての発端で、2話のテレビ局の事件も合併の前触れだったこと、3話のマフィアの倉庫が、4話の病院の臓器売買の保管場所だったりして、単体でも機能していた舞台がさらに意味のあるものに。


本当に素晴らしかった。

6話の10時間の興奮。このために5話までやってきた、そう断言しても良い。

全てが綺麗に回収され、大団円になる感動。傑作。

あの日常も、全部やれば、感動できる、そしてキャラたちを馴染ませる意味があった。


凄まじく丁寧な調査とそれに基づく可能性を潰して行く論理展開で犯人を特定する、傑作推理ゲーム。