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【社長のつぶやき】請負開発やめました
2017.05.16
パソナテキーラで働く
佐藤 潤です。
パソナテキーラは、請負開発を1年前にやめました。我々が得意とするアジャイル開発と請負契約との相性があまりに悪く、トラブルが避けられないと考えたうえでの決断でした。それによって、最初は取引のあったお客様が離れてしまったり、請負でないと提案すらできない商談もありましたが、1年かけて改革を進めた結果、自信を持って提案をすればお客様にも理解していただけるということに確信が持てるようになりましたので、あらためてなぜ請負をやめたのか、今回はちょっと詳しく書いてみようかと思います。
SIというビジネスの商習慣への疑問
請負契約の状況は悪化している
以前よりSIという日本独特のビジネスには違和感を持っていました。多くのシステム開発プロジェクトにおいて、構築するシステムの内容が決まっていないにも関わらず、サービス提供者(SI事業者)が要件定義から開発までを請け負いますが、なぜこんな商習慣になってしまったのかと不思議でなりません。個人的には大手のコンピューターメーカーが始めた顧客囲い込みの手段だったものが常態化してしまったものと考えていますが、現在ではまったくシステムニーズすら整理されていない状況においても、ごく当たり前のものとして「請負」契約を要求されています。
もちろん、きちんと要件定義がなされていて、開発するシステム・機能・業務等が明確な状態であれば、喜んで開発を請け負いたいと思います。しかし、そのような状況に出会ったことは、この20年ほどを振り返ってみても一度もありません。むしろ、さらに状況は悪化しており、請負開発が常態化しユーザー企業がSI業者にシステム開発を丸投げし続けてきた結果、ユーザー企業の技術者やプロジェクトマネジメントに精通した人は減り続け、近年ではシステム保守のアウトソーシングも進み、もはやITスキルがほぼゼロではないかという企業もあるのではないでしょうか。
トラブルを引き起こした理由は何なのか?
パソナテキーラにおいても、1年前まではシステム開発契約の多くは請負契約でした。そして、請負契約にありがちなトラブルも日常であり、お客様にご迷惑をおかけしてしまったこともありました。そういったトラブルを経て改めて思ったのは、お客様が持ち得ない高い技術力を持つ我々の技術者やコンサルタントが、なぜお客様(担当者)にお叱りを受けるような事態になってしまうのだろうかと。もっと優秀なPMさえいればと考えたこともありましたが、私が出した結論は、そもそも、我々の技術力を評価して頂けない企業と取引をしてきた我々自身が一番悪いということでした。
たいていの場合、提案の段階ですぐに提案先企業の技術力やマネジメント力がわかるものです。しかし、これまでの習慣でつい「要件定義フェーズできっちり要件を切り分ければ大丈夫」とか、「開発フェーズの前に顧客のキーマンと握れる」とか、根拠のない希望を持って受注に走ってしまい、問題を起こしていたのです。
そこでまず、シンプルに請負開発をやめて、システム開発の契約は全て準委任契約に変更しました。さらにパートナー様の協力を得ずに自社技術者のみでサービスを提供する体制にすることで、デリバリー規模よりも品質の重視を優先する方針をとりました。この変更は、それなりの混乱を伴い会社を去ってしまった技術者もいるのですが、社員の努力の甲斐あってわずか1年足らずで変革を実現することができました。
技術力を評価していただけない企業とは取引をしない
準委任契約での値引きは、技術者の価値を下げてしまう
ユーザー企業より提案要請を受け、提案要件のヒアリングに伺うと、たいていの場合、ユーザー企業が自社で開発工数を見積もれないにも関わらずシステム開発予算が決まってしまっています。その結果、提案価格がその予算を上回ってしまうといったことが普通に起こります。そのような場合、ユーザー企業は当然のごとく自社の予算に合わせるよう要望してきますし、ひどい場合には、我々の提案は採用したいが、相見積もりを取った我々より安い他社の単価に合わせて提案せよ、などという意味不明なオーダーを頂くこともあります。
いずれのケースにおいても値引き要請は基本的にすべて断ることにしています。その理由として、見積精度に自信があるのはもちろんのこと、準委任契約において値引きをするということは、我々の技術者個人の価値を直接下げることになってしまうからです。
以前よりも強い責任感でサービスを提供できるようになった
契約交渉の際には丁寧な説明が必要ではありますが、実際には現在お取引を頂いているお客様にはすべてご理解を頂けていますし、技術力を認めていただいて追加・継続の契約をいただく際には値引きを求められません。また、値引きをしないことで我々の技術者の一人ひとりがお客様からプロとして厳しい目で見られるようになったことで、社員自身も以前より強い責任感を持ってお客様と日々接しています。結果、請負開発よりも相当高いパフォーマンスをお客様に提供できていると自負しています。
社内の技術者の将来のために何ができるのか?
エンジニアのキャリアプランをサポートする
現在パソナテキーラで働いている技術者はSalesforce.com及びクラウドテクノロジーのエキスパートです。しかし、技術者にありがちなのかもしれませんが、「最新の技術に触れていたい」「もっと高度なシステム構築プロジェクトに参画したい」といった希望が多くあっても、それを具体的に実現するプランを持っている社員はそう多くはありません。
請負契約をやめた現在、技術者個人としてより価値の高い仕事を提供するためにも、会社として技術者のライフプラン、キャリアプランの実現をサポートしていきたいと思っています。技術者の将来の不安を軽減し、各個人の目標に応じた仕事・人生を実現できるよう、会社として全力でサポートしていきます。具体的な内容をお伝えしたいのですが、これはまだ企業秘密ということで、1年後に進捗含めて報告したいと考えています。
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