ネム(NEM)財団、コインチェックへのハッキングの対応は?
2018年1月26日、コインチェックから580億円相当のネムコインが不正アクセスにより、盗み出される事態になりました。コインチェック側では、同日中にもネムを含むすべてのアルトコインを売買停止処置を取り、深夜には今回の騒動を受けての記者会見を開きました。
そんな中、コインチェックで盗み出されたネムコインの運営側である、ネム財団がいくつかの声明を発表しています。そこで本記事ではネム側の発表と、今後のネム財団の取り組みについて詳しく解説していきます。
ネム(NEM)財団がコインチェックへのサポートを表明
今回のコインチェックのハッキングを受けて、ネム財団のLon Wong氏は以下のようなツイートをしています。
「It's unfortunate that coincheck got hacked. But we are doing everything we can to help.」
(不幸なことに、コインチェックはハックキングされました。しかし、私たちはあらゆる手段で支援をします。」
ネムは今回のコインチェックの騒動に対して、全面的にサポートしていく姿勢を示しています。
ネム(NEM)財団、コインチェックがハッキングされた理由を語る
コインチェックでのハッキング被害が出たあと、ネム財団はさらにコメントを発表しており、今回のハッキングによるネムコインの盗難は、コインチェック取引所側が、ネム財団の推奨するマルチシグコントラクトを採用していなかったためだと明言しています。
セキュリティの安全性を高めるために実装が求められる、マルチシグコントラクトでしたが、コインチェックでは実装がそこまで進んでおらず、ホットウォレットでの管理だったため、盗み出されたのではないかと言われています。
今回の騒動に関しては、ネムコインの運営側である、ネム財団に落ち度はなく、あくまでもセキュリティ面の穴をつかれたコインチェックに落ち度があったと考えるのが妥当でしょう。
ネム(NEM)財団がハードフォークはしないと発表
ネム財団によると今回のハッキング被害に関しては、ネムコイン自体に落ち度はなく、あくまでもコインチェックの落ち度によるものであるため、取引履歴を運営側で変更し、不正アクセス前の状態に戻すハードフォークはしないと発表しています。
しかし、今回のハッキング被害は仮想通貨の歴史上最高額となると言われており、ハードフォークはしないものの、ネム財団は支援を発表しております。
ネム(NEM)財団が不正送金されたネムコインの追跡開始!
ネムが盗み出された後、ネム財団は今回の不正送金されているネムコインの追跡を開始しました。ネム財団によると、流出した資金の自動追跡プログラムの開発を開始し、24時間~48時間後には稼働できると声明を出しました。
このプログラムでは、流出資金にタグをつけての追跡となり、財団は各取引所にそのタグの判別方法をすでに伝えたということです。
これにより、不正アクセスで盗み出された資金は、各取引所へと送金されたとしても、今回のタグにより取引所からの引出しはできなくなります。
そして、財団は「史上最大のハッキングは数時間以内にネムコミュニティによって解決されます。これはネムのプラットフォームとチームの強さを示すものです。」と語り、最後には「勝つのはハッカーではなく我々だ」と声明を出しています。
ネム(NEM)財団の対応は賞賛
今回の騒動を受けて、コインチェックは取引所として、安全性の脆弱性を露呈し、信頼を大きく損ないました。しかし、一方で、ネム財団の運営側の今回の迅速な対応とサポートは、賞賛されるものでしょう。
今回の騒動は、仮想通貨の歴史上最悪とも言われますが、ネム財団の対応は非の打ちどころがなかったのではないでしょうか。