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発達障害への世間の見る目をVRで変えたい

time 2018/01/27

この記事は約 4 分で読めます。

発達障害への世間の見る目をVRで変えたい

ソーシャル・ワーク・スクールのパトリック・ボードニック学部長は、自分の12歳の娘にVR療育を行っています。

娘は今、仮想的なパーティーの中で、人とやりとりを行っています。

自閉症スペクトラム障害と診断された娘は、実社会ではまわりの人とのやりとりに困難をかかえていますが、仮想世界ではそれができることをパトリックは発見しました。

VRの新しい用途が生まれました。

10年以上前、VRが今のように利用される前から、パトリックはこれまでの方法をより進化させたもので中毒患者を助けようと取り組んできました。

発達障害への世間の見る目をVRで変えたい v2

「ドラマシナリオ仕立てで療育を行っていました。

私たちは、今バーにいます。
そして、私はバーテンダーであなたはお客さんです。

しかし、患者は部屋を見渡すとここはいつもの診療室です、と不思議がります。

設定した状況と現実の状況の違いで、私はいつも困りました。」

そこで、もっと設定した状況に近い、リアルな仮想世界を利用しました。

すると患者たちの好奇心や動機が高まるだけでなく、手のひらに汗をかいたり、心拍数の増加など、実際の生理的な現象を引き起こすことも発見しました。

そうして、ニコチン、アルコール、その他の薬物中毒の患者たちの治療のために、12個のドラマシナリオをもつVRシステムを開発しました。

科学的な研究で効果も明らかにできました。

10週間に渡って、ニコチン補充療法により禁煙トレーニングを行う人たちの半分に、このVRによるトレーニングも行いました。

「VRトレーニングも行った人たちのほうが、有意に、喫煙率と喫煙欲求が低下しました。

そして、禁煙を続けられる自信も高く、その後の喫煙率も有意に低いままでした。」

パトリックはそのVRシステムを、自分の娘にも効果があったことから、発達障害の人たちの日常生活に役立つものへと拡張しました。

「薬物やアルコールが出てこないドラマシナリオを選べば、娘の日常生活の質が向上する、人とのやりとり、社会的スキルを学べる仮想の遊び場や教室を作ることができます。

私は、自閉症スペクトラム障害の成人の方にもVRを利用しました。
さまざまな対人スキルを学び、面接にものぞめるようになりました。」

発達障害への世間の見る目をVRで変えたい v3

このパトリックのVR療育方法は、有志の技術者集団により社会問題を解決しようとするノー・インポッシブル・ラボから表彰され、より多くの人に利用されるよう協業していくことになりました。

ノー・インポッシブル・ラボのメディア・コンタクト担当のジョセフ・バーバルスキーはこう言います。

「パトリックは革新的な取り組みを行っています。

私たちはこの技術がスマートフォンでも利用できることで、どこにいても、誰でも、療育を受けられる可能性に期待しています。」

パトリックがVRによる療育を始めたころは、ヘッドセットが約20万円から数百万円もしました。

より身近に利用できるようにするための方法を探してきました、
そしてAmazonなどで購入できる安価なヘッドセットとスマホで利用できるようにしたのです。

発達障害への世間の見る目をVRで変えたい v11

こうすることで、診察室や教室でVRを利用するだけでなく、自宅で、自分でも練習ができるようになりました。

中毒患者や発達障害の子どもの他にも、このVRの利用は広がるとパトリックは考えています。

「より効果的に、発達障害の子どもたちに学んでもらうためには、どうVR技術を利用するのがよいかをいつも考えています。

今浮かんでいるのは、将来、療育を行う先生となる子どもたちに利用してもらうことです。

自閉症スペクトラム障害の方の視線で世界を見て、気持ちや欲求を理解してもらうのです。

そして、その体験を将来の療育に活かしてもらうのです。」

パトリックは自らの取り組みについて講演をするときには、発達障害の人たちへの見方が変わることを願って、しばしば自分の娘を例にします。

「娘が糖尿病だ、と言ってもまわりの人たちの態度は特に変わることはありません。

しかし、発達障害だ、うつ病だ、というとまわりの人たちの態度が変わります。

私がこうして取り組むのは、それが理由です。

依存症、発達障害、そうであってもまわりの人の態度が変わらない世界に、私はしたいのです。」

(出典:米TULANE HULLABALOO)(画像:米VR DRAGON

VRで発達障害を体験。

今までにも、そうした体験VRをご紹介してきましたが、

・将来、療育をする側になる人の育成

になるということまでは気付いていませんでした。たしかに、この体験が人生に影響を与えることもあると思います。

見た限りの画像やシナリオベースという点に、目を見張るような技術などは感じませんが、

「発達障害」への世間の目を変える。というそのビジョンに、私もそうですが惹かれて支持、支援が集まっているのでしょう。

自閉症の女の子になって世界を見るVR動画

(チャーリー)

 

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