韓国と中国の「犬を食べる文化」は悪なのか

犬肉料理を振る舞う地域を実際に回ってみた

中国の玉林市の犬肉祭り。店頭で調理している様子(筆者撮影)

韓国や中国の一部地域では一般的に犬の肉が食べられている。アジア内で犬肉を食べる地域は他にもあるが、韓国と中国が槍玉に挙げられることが多い。

世論では犬肉を食べること自体がそもそも「悪」だという論調も強い。犬肉を食べる文化がある国の人たちを「文明が低い」と嘲るような風潮があるようにも感じられる。

実際に、現地ではどのように犬肉が取引され、どのように食べられているのか。筆者は、韓国ソンナム市のモラン市場、韓国プサン市のクポ市場、そして毎年犬肉祭りが開催される中国の玉林(ユーリン)地区に足を運んだ。

韓国・ソンナム市のモラン市場

まずは2014年夏、韓国ソンナム市のモラン市場を訪れた。モラン市場は毎月4と9のつく日にだけ開催される総合市場だ。東京ドーム約165個分という膨大な広さであらゆる物を売っている。野菜、フルーツ、穀物、日用品などが山積みで並べられる。

にぎやかな市場を歩いていると、獣の臭いがしたので目をやると、オリに入れられた動物たちがいた。

ウサギ、ヤギ、アヒル、ニワトリ、猫、そして犬も並んでいた。

日本人である僕にとっては、犬はやっぱり愛玩動物であり、食材として扱われているのを見るとやはりギョッとしてしまう。

オリの中に詰め込まれた犬たち(筆者撮影)

しかも訪れた日が真夏だったので、オリの中にギュウギュウに詰め込まれた犬たちは、暑さでバテていた。ぐったりして地面やオリにあごをつけて眠っている。

お店によっては大型の扇風機で犬に風をあてている。しかし扇風機は汗をかかない犬にはほとんど効き目がない。さすがにかわいそうだと思った。

店頭には台型の冷蔵庫が置かれ、捌かれた犬肉が並べられて売られている。お客さんの多くは、その肉の部位を買っていた。中には、犬を一匹生きたまま買って、バイクの後ろに載せて持ち帰った強者もいた。

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  • NO NAME01f1649a6c39
    食べるならありがたく何でも食べる
    批判するなら牛も豚も禁止のベジタリアンを徹底する
    このどちらかなら理解できる

    ステーキを頬張りながら犬食を批判するから、筋が通らないんだよね
    up84
    down13
    2018/1/27 07:47
  • NO NAME748c88bf349d
    おっしゃっていることは正しい。
    論理を突き詰めると何も食べられなくなる。
    生命の仕組みとしてそれは理解しながらも、論理ではなく犬を食べる文化を尊敬できない。
    主観に過ぎないが、どこかで線引きしないと、大根も生きているから食べられないとなる。
    この線引きを文化というのだと思う。
    そして、人が人たりうる理由はそこにあると考える。
    up67
    down23
    2018/1/27 07:41
  • NO NAME6b1661e4c4ef
    悪とは言わない、食文化だしね

    ただ屠殺の方法が苦しめた方が肉が旨くなると言って無駄に苦しめて殺したり
    生きたまま沸騰する鍋に押し込んだりバーナーで炙ったり
    他人のペットを盗んで肉として売ったり

    あまりにも野蛮だなと思う事が多々ある
    活け造りの文化が日本にもあるからなんとも言えないけど
    up64
    down20
    2018/1/27 07:09
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