朝鮮日報

「論文共同著者に高校3年生の息子」10年で29大学82件

未成年の息子娘のため大学入試に有利な実績の積み上げに利用
成均館大学8件、延世大学7件、ソウル大学6件

 韓国の大学教授が自らの論文の共同著者に未成年者の息子や娘の名前を入れるケースがここ10年間に29大学で82件あったことが分かった。韓国教育部(省に相当)は25日、2007年2月から昨年10月まで韓国国内や海外の学術誌などに発表された大学教授の論文を対象に、未成年の息子娘が共同著者となったケースの実態に関する調査結果を公表した。摘発件数を大学別に見ると、成均館大学が8件、延世大学7件、ソウル大学と国民大学が6件だった。

 今回摘発された82件のうち、息子娘が通う学校と大学との間に「中高校生論文指導プログラム」などの協定が締結され、それに基づいて名前が掲載されたケースは16大学39件だった。教育部は「残り43件(19大学)はこの種のプログラムとは関係なく、教授自ら執筆した論文に息子娘の名前を共同著者として掲載したものだ」と明らかにした。43件の内訳を見ると、ソウル大学(6件)とカトリック大学(4件)が特に多かったという。また共同著者となった息子娘の学年は高校3年生がほとんどだったため、親である教授が子供の入試に有利になるよう、論文の実績を積み上げさせるのが目的だったとみられる。2014年度の大学入試からは論文を学校生活記録簿に記載しないこととなり、学生簿総合選考の評価からも論文が除外されているが、韓国科学技術院(KAIST)など一部の大学は今も入試選考の際、論文を志願資格の一つにしている。未成年の息子娘が共同著者となっている論文のうち、14年以前に発表されたものは82件中48件(58.5%)だった。

 未成年者が論文の共同著者となることだけなら現行法上、特に問題にはならない。しかし研究に何ら関与していないにもかかわらず著者となった場合、これは研究不正行為となってしまう。教育部は今回の調査で摘発された論文の全てを対象に、教授が所属する大学に研究不正についての検証を改めて要請する方針を明らかにした。また研究不正によって執筆された論文が大学での入試専攻に影響したことが分かれば、論文の共同著者となった高校生の入学取り消しを大学側に求めることにしている。

ユ・ソヨン記者
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