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絵羽 反物 絵羽柄 混乱しています(見分け方)

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ID非公開さん

2011/9/2912:34:22

絵羽 反物 絵羽柄 混乱しています(見分け方)

お世話になっております。絵羽柄の着物で、柄を染める段階で絵羽にしていたか、そうではなく反物の形で染めたかを確実に見分ける方法はあるでしょうか(よく、「一見、付下げか絵羽かわからない訪問着がある」というような言い方がされますが、その「一見」がおそらくプロならかならずやはり見分けられるポイントがあるのではという気がするのです)。

たとえば添付の写真は、仕立て上がりを買った安物の京友禅ですが、おそらく反物だったのではないかと思います。
古いものは明らかに絵羽の形で絵つけ(刺繍...)したなと思うものが多いですが、最近のものはよほど高くない限りは大体は付下げみたいに逆算して絵や刺繍をつけているのではないかな?という気がします。

あと、1940年の七七禁止令は絵羽製造禁止なのですが、あのときに絵羽柄の付下げの製造も禁止されたのでしょうか(実際につくられているものを見ると小紋柄のものばかりなので、おそらく禁止されたのだろうとは思いますが、念のため)、こちらも御存じの方がおられましたら、お教えいただけますと幸いです。

絵羽,付下げ,反物,絵羽柄,訪問着,仕立て上がり,付け下げ

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ベストアンサーに選ばれた回答

2011/9/2916:23:33

着物を製造している立場の側から、意見を申し上げます。

まず、訪問着と付下げの違いは何か、というところから整理した方がよいと思います。
もともと訪問着というのは、現在皆さんが認識されている様な絵羽柄の着物のことで、着物の用途の分類の一つと考えられます。それに対して付下げとは、本来は柄の置き方、柄付けの名称で、総柄に対して付下げ柄と表現される、着物の柄の付け方の名称です。ですから、最近では少なくなりましたが、付下げ羽尺、なんていう表現もありました。

一般的に現在付下げと認識されている物は、付下げ着尺、つまりどこの柄も片山側が上になる様に描かれている着物、ということなのですが、柄の合い口(縫い目にまたがるところ)がないとか、掛け襟に柄がないとか、色々と区別をされる方が多いようですが、実際のところ現在では訪問着と何ら変わらない柄付けになっています。

では何をもって付下げと訪問着を区別しているかというと、作り手側が付下げとして作ったか訪問着として作ったか、と言うことです。たしかに、付下げは共八掛ではないとか、柄のかさが低いとか、反物の状態で売られているということはありますが、共八掛の豪華な付下げも、八掛のついていないあっさりした訪問着も存在しますし、店頭に並んでいる状態が反物の訪問着も、仮絵羽の付下げも存在します。ですから、訪問着と付下げの厳密な区分というのはほとんどないと考えた方がよいと思います。

次に、絵羽で染めるか反物で染めるかですが、1点どうしてもご理解戴きたいのは、絵羽をして染めた物の方が反物のまま染めた物より高級で良い物だ、という認識は完全に間違っていますので、ご注意ください。添付されているお写真の着物も、この写真だけでは下絵羽をして染めた物か反物のままで染めた物かはわかりません。というより、仕立て上がってしまえば、プロが見てもわかりませんし、逆に言うと、わかる必要の無いことだと思います。

現在の技術では、相当複雑な合い口があったりぼかしがあっても、反物のままで染めることはそれほど難しいことではありません。又、いわゆる型物(型染めの物や糸目型の物)の場合でしたら、絵羽の必要は全くありません。ちゃんと下絵羽(生地に下絵を描く前に着物の寸法にきっちりと仮縫いすること)して制作される訪問着は、完全な100%手描きのものくらいしかありませんから、価格的には安くないものになってしまいます。現在市場に流通している訪問着の中で、下絵羽をしているものの
割合は、おそらく10%未満だろうと思います。

もっと詳しくご説明すればよく解って戴けるのだろうと思うのですが、文章量が多くなりすぎるので、これくらいでお解りいただけたでしょうか。下手な説明で、専門的な用語が多くて申し訳ありませんでした。

最後にもう一言。絵羽にして染めたか反物のままで染めたかは、意識される必要は全く無いと思います。製造している立場では大事なことなのですが。

長くなりましたがご参考にして戴ければと思います。

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質問した人からのコメント

2011/9/29 17:59:34

long shortさまのおっしゃるように、ここは本当、すごいですよね。dogさま作っているお立場からこれからもどうぞよろしく。Cccrairaさま、ありがとうございました。付下げの歴史のところ、とても勉強になります。どうしてそんなに戦前戦中のことにお詳しいのでしょう。これからもどうぞお教え下さい。
そうそう、付下げを安物とみてはいかんとういのはキモに命じます。

ベストアンサー以外の回答

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2011/9/2917:13:47

知恵袋ってすごいなぁ・・・と思うのは
↓のdog1dog2dog123さんのような回答に巡り会った時です。

>1点どうしてもご理解戴きたいのは、絵羽をして染めた物の方が反物のまま染めた物より高級で良い物だ、という認識は完全に間違っていますので、ご注意ください。添付されているお写真の着物も、この写真だけでは下絵羽をして染めた物か反物のままで染めた物かはわかりません。というより、仕立て上がってしまえば、プロが見てもわかりませんし、逆に言うと、わかる必要の無いことだと思います。

>絵羽にして染めたか反物のままで染めたかは、意識される必要は全く無いと思います。製造している立場では大事なことなのですが。

深く頷きながら読ませていただきました。

cccrairaさん

編集あり2011/9/2913:16:40

これは、訪問着として仕立てて有る品物だと思います、付け下げで柄付けした場合、此処まで全体の縫い目で柄を繋げるのは非常に難しいからです
(こう言う全体に柄が有るタイプの訪問着は訪問着として作ったとみた方が良いです、全体に柄の有るタイプの付け下げは縫い目で柄が繋がってませんので、付け下げだと分ります)

質問は仕立てあがった物をの付け下げ染と訪問着染の見分け方だと思いますが
幾つか有ります
裏地(八掛)が共布か否か訪問着が共布です(でも最近付け下げも共布が多くて見分けられないし、訪問着の八掛も古く為れば取り換えたりして表布と合わない物も出てくるからです)
柄が多いか否か、柄が多いのが訪問着(縫い目で柄を繋げるのが簡単だから)柄が少ないのが付け下げ(縫い目で柄を繋げるのが大変だから)
裾模様は付け下げでも繋がりますが、襟から胸に掛けての柄は切れている事が多いので、訪問着は衿から胸にかけて柄が続くが、付下げは続かないと言う見分けもします
訪問着でもわざとシンプルな付け下げ風の柄付けの物も有ります。

1940年
この頃の付け下げの技術はあまり発達していません、反物から逆算して裾と肩辺りに柄が出て肩裾模様っぽく為る様に染められているだけで殆どが縫い目で繋がら無いです、(もっと凄いのは大きな柄を均等に付け下げに染め抜いて縫い目で柄が切れてる物とかも有ります)

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