JR九州のダイヤ改正(3月17日)に伴う大分県内路線の大幅減便計画を巡り、大分市は25日、JR大分駅を発着する普通列車のうち、同社が廃止対象に挙げた計29本の内訳を公表した。市によると、日豊線14本、久大線9本、豊肥線6本の運転を取りやめる方針。同社は普通列車の減便対象を明らかにしていないが、市は「どんな影響が出るのか、市民に不安が広がっている」(都市交通対策課)として公表に踏み切った。 市都市交通対策課によると、12、19の両日、同社から説明を受けたという。日豊線ではこの他、大分駅に停車または発着する計8本の運転区間が短縮される。特急列車では大分―阿蘇(熊本県)間の九州横断特急の上下2本を廃止する。 市は減便計画(市関係分)を2月上旬までにホームページに公開し、市民から意見を募った上で、JR側に再考を求める構えだ。 同社はダイヤ改正で、九州各県の全22路線(新幹線を含む)で運行本数を117本減らし、3011本に見直す。県内の日豊、久大、豊肥各線は現行(362本)から38本削減する計画で、大分駅発着分を除く廃止対象は9本とみられる。同社は2月末に普通列車減便の詳細を公表する方針を示していた。 佐藤樹一郎市長は25日の定例会見で、今月15日に青柳俊彦社長とJR九州本社(福岡市)で会い、利便性を考慮した減便計画の再考に加え、住民に対する十分な説明を求めたことを明らかにした。その際、青柳社長は「一本一本について困る点を教えてもらえれば、対応したい」と応じたという。 佐藤市長は「今はどの便がどれだけ減るか分からない状況であり、JRが説明するプロセスを踏んでいないことが問題だ」と指摘。「説明を通して不安や懸念を解消し、住民の意見を新ダイヤに反映させてもらいたい」と述べた。 一方、同社大分支社は取材に「3月の改正までに現行の減便計画を修正することは難しい。利用状況を確認し、さまざまな要望・意見は次回以降の改正に反映させたい」としている。 大幅減便計画を巡っては、津久見市や県市議会議長会などが相次いで計画の見直しを求めた。県も「減便に不安を感じる県民は少なくない。JR側に詳細な説明を求めていきたい」(交通政策課)としている。 JR九州運行削減 県内3線、38本減 大分市8駅 JR九州が無人化検討