2018-01-20 Webの空論
ワクチンだけでは助からない

「子宮頸がんワクチンによる副作用を訴える奴らのせいで、かからなくていいがんに女性たちがかかっている。反ワクチンを煽ったマスコミのせいで、死ななくていい女性が死んでいる」
みたいな論調が、webでは結構流れてくるんだが。
完全中止になったワクチンとは違うんだけどなぁと、もやもやしている。
そもそも、子宮頸がんワクチンは、「全身に痛みが出ることもあるし、それが気絶するぐらいのこともある」という、他のワクチンではあまり聞いたことがない副作用があった。受ける前に医師が「その可能性があるから」と予告するぐらいだから、恐怖から受けたくない人はいても不思議じゃないだろう。
そんなことを娘に受けさせた時に思った。
下のリンク先の日記にも書いたが、
「副作用が騒がれていますよね?」とかかりつけの小児科医の先生にたずねたら、
「それはわかっていて、ぼくも調べたが、他のワクチンと比べて、確率的に異様に高いわけではなく、世界中で使われている事実を思うと、ハイリスクではないと思う。ただ、これは一部の子宮頸がんを防ぐだけだから、検診は定期的に受けてもらわないいけない。これで安全というワクチンではないから」
それで、副作用の報告が多かった製品、サーバリックスを避けて、ガーダシルをうったんだが。
言ってはいけないホタテ - 北沢かえるの働けば自由になる日記
結局、娘には受けさせたんだが、それは、かかりつけ医との信頼関係があったからだと思う。説明を受けて、リスクを一緒に考えて、その結果、必要だと思ったから、我が家はその選択肢を選んだ。だから、反ワクチンを批判するより、それぞれの子どものかかりつけ医へ「ワクチンの効用について」を宣伝した方がいいと思うがなぁ。産婦人科医の危機感が、小児科医に伝わりにくい気がするんだが。
なんか、この件、すべて反ワクチンの運動の結果みたいにみるのは、どうなんだろう。安楽死やQOLとか、健康については自己決定権を尊重する流れの中で、ワクチンの一斉接種みたいなのもなくなったし、その結果、社会が不利益を得ようが、それも個人を尊重した結果のコストとして受け止めるしかないと、私は思っているんだが。ライフスタイルを考えれば、受けなくてもいいと思う人がいていいと思うし。
むしろ、その辺を利用して、「ワクチンを受けたのは自己責任だから」として、薬害被害の責任からの逃げ道作ったような「奨励中止」の厚生省を批判した方がいいんじゃないかな。
実際、その当時の報道をみてる限りは、「子宮頸がん予防ワクチンの奨励中止」はもっと政治的な話だったと記憶しているが。
純潔教育とかの流れだったんじゃないか。
日々の暮らしは足りてるが - 北沢かえるの働けば自由になる日記
あと、
「ワクチンだけでは、がんは防げない。ワクチンを打ったからといって、定期的な検診は必ずしてよ、頼むよ」
とかかりつけ医に言われたので。
これ大事。