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Linux Foundation、「LF Networking Fund」を開始。6つのオープンソースプロジェクトをまとめて運営することで開発を促進

2018年1月26日


The Linux Foundationは、これまで別々に運営されてきた6つのネットワーク関連のオープンソースソフトウェア開発プロジェクトをまとめた新しい運営スキームとして「LF Networking Fund」を開始したとを発表しました

LN Networking Fund

このファンドを立ち上げる理由は次のように説明されています。

In the four years since OpenDaylight kicked off the open source networking revolution, innovative groups of developers from a range of backgrounds have developed open source offerings at every layer of the stack.

OpenDaylingtがオープンソースのネットワーキングに革命を引き起こして以来この4年、幅広いバックグラウンドを持つイノベイティブな開発者たちはあらゆるレイヤのオープンソースを開発してきた。

It is now time to provide avenues for greater collaboration between those projects, as well as related projects and communities across the ecosystem. Therefore, we are creating a combined administrative structure, The LF Networking Fund (“LFN”), a platform for cross-project collaboration.

いまこそ、エコシステム間や関連するプロジェクト間でのコミュニケーションと同様に、これらプロジェクト間でより大きなコラボレーションを実現する時期である。だからこそ、私たちは管理スキームを統合し、プロジェクト間でのコラボレーションのためのプラットフォームとなるべくLF Networking Fundを立ち上げようとしているのだ。

プロジェクトは引き続き独立、スタッフと資金は共有

LF Networking Fundに参加するプロジェクトは以下の6つ。

FD.io(Fast data – Input/Output)
サーバでパケット処理を高速に行うVector Packet Processingライブラリなどを開発

OPNNFV(Open Platform for NFV)
ネットワーク機器の機能などを仮想化で実現するNFV(Network Functions Virtualization)のためのコンポーネントなどを開発

ONAP(Open Network Automation Platform)
NFV(Network Functions Virtualization)の構成やオーケストレーションなどのソフトウェアを開発

PNDA(Platform for Network Data Analytics)
KafkaやSpark、Hadoop、HBase、Hiveなどを組み合わせてビッグデータの処理基盤を構築するためのプロジェクト

SNAS(Streaming Network Analytics System)
BGPデータのモニタリング、可視化や分析などを実現するソフトウェアの開発

OpenDaylight
Software Defined Networkingのコントローラを実現するためのソフトウェア

これらのプロジェクトは引き続き独立した組織として、独自の意思決定やロードマップ、Webサイトなどを持つ一方で、運営スタッフや運営資金については統合された単一の役員会によって提供されることになります。

こうした運営によって、それぞれのプロジェクトがより効率よく協調した成果を出せるようになり、オープンソースによるさまざまなレイヤでの開発が促進されることが期待されています。

LN Networking Fundのビジョン

Cloud Native Computing Foundationを手本に

LF Networking Fundは、Kubernetesなどを開発するCloud Native Computing Foundation(CNCF)を参考にしたとのことです。

CNCFは、クラウドネイティブなマイクロサービスアーキテクチャのアプリケーションを実現することを明確な目的を軸にして、KubernetesやPrometheus、Fluentdなど複数のレイヤにわたるオープンソースソフトウェア開発プロジェクトをホストしています。

LF Networking Fundもこれに習い、Software-Defined Networkingを実現するための一連のオープンソースソフトウェア開発プロジェクトを傘下にしたわけです。

さらにLF Networking Fundにはインテル、クアルコム、IBM、ARM、AT&T、ノキア、ベライゾン、しすこノキア、ファーウェイなどネットワーク業界における主要なベンダがスポンサーとして名を連ねており、業界を挙げてこの取り組みが支援されていることが浮き彫りとなっています。

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カテゴリ サーバ / ストレージ / ネットワーク
タグ  Software-Defined Network


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