ジョヴァンナです。こんにちは!
私は10年前、年収300万円の一般事務OLでした。その後転職し専門職として再出発しますが、サラリーマン時代は年収300万円から抜け出せなかった。
ひょんなことで会社がなくなってしまったので、迷った末独立開業をして現在3年目になります。
今日はヒャッハー委員会のお題「みんなの税金」に参加し、就業形態によってどのように税負担が変わってくるのか?
もっと具体的に言えば、
開業1年目、少ない収入で税金を払って生活は成り立っていったのか?
について、実際の数字を公開しレポートしていきます。
[目次]
これは私の個人的な記録であり、正確な情報提供を目的とした記事ではありません。あくまでも参考程度にお読みいただき、もしお気づきの点・まちがっている点などありましたから、個別にご指摘いただけますと幸いです。
なお、本文中の
- 税金は: 所得税、住民税
- 社会保険は: 年金、健康保険、雇用保険
を指しています。
H20年:一般事務職OL時代の収入と税金
- 年収317万円(ボーナス込み)
- 税金(推定)18.7万円
- 社会保険39万円
OL時代は実家暮らしで、年間100万円貯金していました。これは後々の資格取得をめざし学費にするため貯めていました。
確か3~5万円ほど実家に入れていた記憶があります。月の過処分所得は8~10万円もあったはずですが、何に使っていたのか全く記憶がない。(これはボーナス込みの金額だから普段の生活はもっと苦しかったです。)
残念なOL時代でした。
H27年:専門職サラリーマン時代の収入と税金
- 年収318万円(ボーナスなし)
- 税金19.3万円
- 社会保険36万円
月収アップしたかのように見えてボーナスがない分、年収はOL時代と変わりませんでした。ボーナスがいかにありがたいものであったかを身に沁みて感じました。
社会保険を自分で払っていくことにも非常な痛みを感じました。
手取りを換算すると月額21.8万円。ひとり暮らしを始め、上手にやりくりすれば生活に困りはしませんが、貯蓄するとなると苦しかった。
初めて受給した「失業保険」
長いこと払っていた雇用保険は、この後失業して初めてその恩恵を受けることになりました。フリーで仕事しつつも並行してアルバイトを探し、受給できる分はしっかり受給させていただきました。
詳細はこちらの記事に書きました。
フリーランス開業しつつ、再就職が決まったけど再就職手当はもらえるの?
総支給額は「再就職手当」と合わせて30万円。ちなみにこれは非課税の収入です。
まさか自分が失業するなんて夢にも思わなかったので、その前2年間雇用保険を払っていなかったことが悔やまれました。これは前々職が「雇用保険に加入していないブラック企業だった」ということです。
(社員のために雇用保険に加入するよう、事業主には電話して勧めました。)
H28年:フリーランス開業初年度の収入と税金
- 収入360万円(ここから経費を支払います)
- 税金0円
- 社会保険27万円
じゃじゃーん!! 税金0円。
個人で事業を起こすとなれば開業・運転資金として借入したり元入れして初年度は赤字!なんてこともあり得ます。(青色申告ならば赤字を3年繰り越すことができてお得です。)
私の場合は赤字にはならないように慎重に計画したつもりですが、そんなのフタを開けてみるまでわかりません。初年度どれだけ稼げるか?なんて計画したところで、計画通りに運ぶ保証などどこにもない。
目標としては少なくともフリーランスで100万円、アルバイトで100万円。合計200万円あれば苦しくても最低限度の生活は成り立つだろうと考えました。(この目算は、経費を差し引いた利益=年収としての金額です。)
そして、実際に年収200万円として計上したために初年度の税金0円となりました。
収入の内訳
- フリーランス収入240万円
- アルバイト収入120万円
- 非課税収入30万円(=失業手当)
合計390万円
- 課税される収入360万円
- 非課税収入30万円
税金を計算するには
まず、フリーランス収入から経費を差し引きます。
- 初年度経費190万円
240-190=50
ここにアルバイト収入を足した金額が課税対象となります。
50+120=170
ここから「所得控除」を引いていきます。
- 基礎控除38万円
- 青色申告控除50万円
- 給与所得控除65万円
170-38-50-65=17
17万円!!!!!
所得控除後の金額17万円。
というわけで、開業初年度は税金0円で済んでしまいました。
税金0円にするための数字のトリック
どこにトリックがあるか、わかりますか?
1.生活費との按分
まずは、経費の190万円。ここです。
190万円もかけて240万円しか稼げないような仕事は効率が悪すぎますよね。これは生活費との「按分」をぶっ込んでいるために、こういう金額になっています。
- 自宅の家賃・更新費用……事業所兼のため1/2経費計上
- 水道光熱費……同上
- 通信費……業務に使用するため1/2経費計上
これらは開業しようがしまいが、元から支払っていたものです。約60万円。開業したことにより収入から差し引いて計算できることになりました。
2.最大130万円にのぼる「所得控除」
青色申告控除の65万+給与所得控除の65万円がダブルで計上できる効果は大きい。
フリーランスだけで200万、アルバイトだけで200万稼ぐより、両方で100万ずつ稼いだ方が節税効果は高くなります。
3.その他の経費も入れちゃう
ついでに言うと、
- 新聞図書費……情報収集のための書籍購入費、映画観賞費、音楽購入など
- 交際費……同業者との会食、慶弔費用
- 消耗品……業務に使用するガジェットなど(家事と按分しました)
などなど…
一部の費用を経費で賄えるので、生活実感としては減収のわりにそこまで貧しい感じはしません。
このまま「少なく」仕事して、税金を節約して省エネで生きていくのも一つのやり方だと思います。(私自身はもっと仕事して、お国にたくさん課金したいと思っていますが。……本当ですよ!)
ある程度税金の知識があって「こんなもんだろう」と予想はできても、実際どう転ぶかってわからない。そこがおもしろい。
これは自分の生活がかかっている、本気のゲームです。
現在は3年目に入り、2年目の会計をまとめているところ。2年目は前年比140パーセントまで成長しました。今年は幾らか税金を納める予定です。だけど、まだまだこんなもんじゃない。もっとやれるはず。
開業初年度の報告は、以上です。