これまでのWebデザインに別れを告げる準備を始めよう
書籍『Webデザイン、これからどうなるの? キーワードから探るデザイン動向の現在と未来』発売にあてて
📗のお手伝いをしました
MdNさんから1月17日に発売された『Webデザイン、これからどうなるの? キーワードから探るデザイン動向の現在と未来』という本を少しお手伝いさせていただきました。
Amazonで森本 友理, 鈴木 慶太朗, 福岡 陽, 三宅 太門のWebデザイン、これからどうなるの? キーワードから探るデザイン動向の現在と未来。アマゾンならポイント還元本が多数。森本 友理, 鈴木 慶太朗, 福岡 陽, 三宅…www.amazon.co.jp
Webデザインの現在の潮流を考察するシリーズの最新版で、図々しくも名だたる方々に混ざって「レイアウト」の章を担当させていただいた次第です。
(私の勝手な)本書の読者のイメージとしてはWebデザインに過去触れたことがありつつも、最新のWeb動向が追いきれなくなっている方。ですので、この数年のWebデザインの変化をおさらいしつつも、それが2018年に至ってどう、なぜ変わっていったのかを文章にまとめました。みなさんが気になる「パララックスエフェクトってどうなったんや???🤔🤔🤔」なども真面目に考察しております。現在のトレンドと実際に採用しているサイトのスクリーンショットも多数収録されているので目にも楽しい1冊です。
正直言うと当初は私がこの書籍に関わる意味があまりないと思っていました。業務でも直接Web制作に触れる機会はまるっきり減っています。それでも私なりに伝えたいことがあると思い今回の書籍に参加させていただきました。
ひとりでに標準化したWebサイト
Webサイトが遊び場だった幼少期は10年前に終わり、データがすべての力の源となる時代がやってきました。皆が最適な結果を求めると同時に、Webサイトを閲覧する環境もスマートデバイスの登場で一変しました。すべての環境で等しく情報が得られる世界を目指した結果、多くのWebサイトのレイアウトは画一化、きれいな言い方をすれば「ひとりでに標準化した」のです。
Webデザイナーにとってこの事態が良いか悪いか決めるのは難しいことですが、重要度がレイアウトよりも情報設計や画像・動画の質に以前以上に寄ってきています。一方でレイアウトの新たな潮流であるスプリットレイアウトやブロークングリッドのような “抗い” もあります(本書では使用例とともに詳しく解説していますので買って読んでどうぞ☺️)。
結局、大切なのはレイアウトよりもコンテンツ。以前からわかっていたことですが、器の画一化がここまで進んだ現在、いよいよWebデザインをどう捉えるのか改めて考える必要があることを伝えたかったのです。
しかし環境が変わったのはデバイスだけなのでしょうか?
Webサイトはいずれプラットフォーマーのものになる
本書の構成に関して編集者の方からいただいた案をほぼそのまま採用させていただきましたが、1つだけ「モバイルファースト」を説明するページをAMPの説明に置き換えました(モバイルファーストなんて当たり前ですからね!)。
AMPとはGoogleが提唱する「Webサイトをキャッシュし高速配信を可能とするためのフォーマット」です。これを採用すればGoogle検索からアクセスした際の表示が高速化されます。もちろん「高速表示≒離脱率の低下」ですからこれほど嬉しい話はありません。すでに多くのニュースサイトやサービスで採用されています。
さて、AMPを採用したサイトをGoogleは「えこひいきすることはない」と発言していますし例えば検索結果に優先的に表示されることはないようですが、今後も同様であるという保証もありません(既にAMPサイトはサムネール表示などの差別化はある)。まるでGoogleが自分でWebサイトを囲い込んでいるようにも見えますし、この事態を批判する声明も出始めています。
さらにこのような話はGoogle AMPだけのものではありません。FacebookはInstant Articleというフォーマット、AppleはNews App用のフォーマットを推進しています。プラットフォーマーたちがコンテンツを囲い込むために便宜を計るようになればこれらのフォーマットを採用せざるをえなくなるでしょう。きっとネットワーク中立性を緩やかに崩しながら。
Webサイトが、Webデザインがプラットフォーマーのものになる未来。Webの表通りはすべてプラットフォーマーのもので、従来の自由なWebデザインは地下の存在になる…そこまで荒唐無稽な話ではないでしょう。なぜなら私たちのビジネスは、ネットワーク中立性が揺るがされるほど、プラットフォーマーに抗えないところまで来てしまったのですから。こんな未来を生き抜くために、これからのWebデザイナーはWebデザインだけでない多くのことを身につけなければならないでしょう。
…というわけで『Webデザイン、これからどうなるの? キーワードから探るデザイン動向の現在と未来』、買ってね~~~~!!!!🤗🤗🤗(唐突)
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