朝鮮日報

日本企業回帰、技術流出防止の狙いも

【特集】復活・株式会社日本(中)

 「日本企業のUターンは海外での人件費上昇という単純な理由だけでなく、先端技術の流出防止に向けた戦略的目的がある。これからもこの流れは続くはずだ」

 日本経済に詳しいイ・ブヒョン現代経済研究院東北アジア研究室長(写真)は最近、日本企業が相次いで本国に工場を移転していることについて、「日本は一時韓国や中国の低価格攻勢に押され、工場や研究所をそっくり海外に移転したが、先進技術力が強調される現在はむしろ技術保護のために重要な生産設備を自国にシフトしている」と指摘した。その上で、「第4次産業革命の時代が近づけば近づくほど、そうした流れが速まるのではないか」と予想した。イ室長は「中国・東南アジアなどでの人件費上昇で海外への工場移転によるメリットが小さい上、技術流出などい目に見えないコストも考えると、長期的に自国に工場を維持する方がよいと判断したものだ」と解説した。

 イ室長は代表例として、キヤノンが技術流出防止のため、中国の工場に高さ10メートルの塀を築き、セキュリティーを強化したが、それでもコピー商品があふれたため、日本へのUターンを決めたことを挙げた。そして、「多くの企業が技術的優位を守るため、再び工場や研究所を本国に移している」と指摘した。

 政府の全面的な支援も日本企業の回帰を助けた。イ室長は「1990年代のバブル崩壊以降、日本の不動産価格が下落したこともあるが、規制を緩和し、法人税率を引き下げ、積極的に企業を誘致した政府の努力も工場のUターンをけん引した」とし、「韓国の場合は大半の企業で母体となる工場が国内にあるので、まだ大きな心配はないが、技術保護という観点で政府が企業のUターン政策を思い切って推進する必要がある」と訴えた。

崔仁準(チェ・インジュン)記者
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