Introduction
こんにちは。阿豆らいち(@AzuLitchi)です。
法人の決算月は自由に決めることができます。決算の月だけでなく決算の日まで自由です。
が、個人事業主の場合には「12月31日」と決まっています。決算処理は1月になってから行うものも多く、フリーランスの経理が最も忙しくなるのが1〜2月になります。
個人事業主が決算月である12月から確定申告の準備までに行うことを解説します。
とうじょうじんぶつ
阿豆らいち:
フリーランスのデザイナー。らいち事務所の個人事業主。
ミンスクさん:
らいちの妻。らいち事務所の経理担当。青色事業専従者。
フリーランスの決算
個人事業主の場合、12月31日が決算月なので、帳簿上の締めが必要になります。それから確定申告までの1月の間に準備しておくことも色々あります。
記帳に使っているソフト
らいち事務所では「やよいの青色申告 オンライン」で記帳してます。
Macで稼働するネイティブソフトを色々使ってみましたが、どれも私には使いにくかったです。
しばらく仮想PCでWindows版「やよいの青色申告」を使ってましたが、オンライン版が出たので移行しました。
初年度無無料、次年度以降は8,640円/年(税込)です。もちろん経費になります。
さらに追加でサポート料を払えば仕訳相談なども受け付けてくれるそうです。フリーランス初年度の人は申し込んでガンガン利用したらイイんじゃないかと思います。二年目移行は初年度と同じ仕訳を繰り返すことになるので。
記帳はいつやるの?
帳簿付けはそれなりに面倒なので、一年分溜め込まずに毎月ヒマな時間がある度に記入しておくのがオススメです。
かけだしの頃は帳簿付けも全部自分でやってましたが、今では経理にミンスクさん雇ってます。
年明けまでに
- 支払った現金の領収書(レシート)
- 出金伝票
- 発行した請求書
- 銀行通帳
- 現金収入の領収書
など、できる限りの記帳を済ませておくと1月の作業がスムーズに行えます。
決算月の按分計算
決算月、年末には按分処理を一年分で行います。
借家なら全体の面積比で仕事部屋分の家賃だけを経費にします。
水道光熱費や通信費もそれぞれ事業で使う割合分だけ按分します。
持ち家のローン返済中の場合は次の項で。
車も仕事で使うことがあるのでガソリン代を按分します。…自動車の購入代金は資産になるのですが、資産の按分計算はそこそこ面倒ですので次の項で。
按分計算をする場合、按分の基準が合理的であればどの数字を基準にしても構わないとされています。税務調査で質問されたときに明確な根拠を提示できることが重要です。
減価償却費の計算
賃貸ではなく、持ち家の場合は家を資産として減価償却し、減価償却費を按分することになります。
住宅ローンの利息も按分して経費計上できるので、銀行から毎月支払っているローンの金利額を教えてもらう必要があります。
自動車も資産なので同じく事業割合で減価償却費の按分をします。
その他、10万円を超える資産を購入した場合は耐用年数を調べて減価償却する必要があります(30万が上限の特例もアリ)。
青色事業専従者の源泉徴収
らいち事務所では「青色事業専従者」という制度を利用してミンスクさんを雇っています。
生計を一にしている家族が事業に従事している場合「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出しておくと家族に支払う給料もボーナスもが必要経費の対象となります。さらに青色事業専従者控除も受けられます。
ただし配偶者控除は受けられなくなります。
また、青色専従者給与にも所得税計算が必要になり、毎月事業主が従業員の給与の所得税を源泉徴収して納める必要が発生します。
源泉徴収する税額は、その支払の都度「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求めます。
毎月納税するのが面倒な場合は「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出すれば、7月と翌年の1月の年2回にまとめられる特例があります。
このへんの必要書類は国税庁のサイトでダウンロードできます。
ミンスクさんは給与所得者なので年末調整も必要になります。生命保険などの分を年末支払い分の源泉徴収税から控除できます。
らいち事務所ではミンスクさんが経理を行ってるので、自分の源泉徴収と納税処理を自分で行うことになります。
1月はまとめて支払う月なので国税納付書に記載。
源泉所得税の支払いに金融機関窓口に行きます。
また、1月中に市町村窓口に行って給与支払報告書を提出。
給与所得の源泉徴収票を発行します(三枚綴りの一番下)。
青色事業専従者制度はそこそこ面倒ですが、給料が出るというやりがいも発生するし節税額も大きいので、夫婦や親子で個人事業をやる場合は利用すると良いと思います。
クライアントからの源泉徴収
クライアントからのギャラから源泉徴収が引かれている場合、翌年1月に支払調書が到着するのでそれを待ちます。
到着したら源泉徴収額があっているかどうか確認し、間違っていたらクライアントの経理に連絡してその旨伝えます。20年もフリーランスやってるとこれまでに数回クライアントの経理が間違っていたことがありました。
支払調書は確定申告の際に添付書類台紙に貼り付けて添付してます。…が、法律で義務づけられているわけではなく、添付しなくても違反にはならないらしいです。
確定申告に支払調書の添付は必要?不必要? | 確定申告の基礎知識
源泉徴収額が支払い所得税より多い場合、確定申告が還付申告となります。用紙や手続き方法は同じですが、確定申告期間とは関係なく、1月1日から提出することができます。確定申告期間前に申告すると処理が早いようで、2月中に還付金が振り込まれたりします。
還付金は確定申告書に記載した指定口座に振り込まれます。
私は確定申告期間の前にとっとと還付申告したいので、報酬から源泉徴収で引かれててもむしろありがとうってスタイルです。
青色申告決算書の作成
確定申告のために、青色申告決算書を作成しておきます。
「やよいの青色申告 」の場合、2018年は一月下旬以降に対応予定とのことです。
まとめ
青色申告の個人事業主であるフリーランスは、
12月中に
- 支払った領収書(レシート)、出金伝票、請求書、銀行通帳、現金収入の領収書など、できる限りの記帳を済ませておく
- 青色事業専従者給与の年末調整
- 青色事業専従者へのボーナス支払い
- 年明けに納税する源泉徴収税額の確定
年明け1月に
- 減価償却計算
- 仕訳の按分
- 青色事業専従者の源泉徴収税額の支払い(金融機関窓口)
- 給与支払い報告書の提出(市町村窓口)
- クライアントから到着する支払調書の確認
- 青色申告決算書の作成
を行います。
その他参考にしたページ
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/01.htm#a-03
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2075.htm
https://www.marunage.co.jp/media/book/2016/12/1956/
https://useacc.com/2017/01/24/how-to-decide-on-settlement/
https://biz.moneyforward.com/blog/12926
・・・こういうのが全部メンドクセエって思ったら、青色申告会やら会計事務所やらを頼ってもイイと思います。
それではまた…さよならいち!・∀・)ノ