埼玉県議会が「原発再稼働」を要望した理由
波紋呼ぶ意見書、仕掛け人の県議に聞く
埼玉県議会は2017年12月22日、「原子力発電所の再稼働を求める意見書」を自民党などの賛成により採択し、衆参両議長や安倍晋三首相、世耕弘成経産相などに送付した。福島原発事故の後、都道府県議会が再稼働を求める意見書を採択したのは初めてと見られる。
これに対して、反対する市民が抗議デモを繰り広げるとともに、3000人を超す個人の賛同による抗議文が自民党埼玉県議団などに届けられたことから、一部のマスメディアが大きく報じた。
折しも、小泉純一郎元首相らが「原発即時ゼロ」の法案を発表するなど、原発問題は国会の場でも争点になろうとしている。意見書の取りまとめに当たった田村琢実・自民党埼玉県議会議員(埼玉県議会自民党議員団政務調査会長)に聞いた。
”ある団体”からの要望がきっかけ
――意見書を出した経緯は。
自民党の埼玉県連では、昨年9月下旬から10月上旬にかけて、来年度の予算や施策のあり方について、各種団体を訪問して要望聴取活動をした。その中で、ある団体から、原発の再稼働をお願いしたいとの要望があった。そして、持ち帰って議論した結果、自民党埼玉県議団を通じて意見書として出そうということになった。(議会できちんとした議論がされていないという人がいるが)正規の手続きに則って粛々と進めた。強行採決ではない。反対討論も行われている。
――今回のような意見書はあまり例がありません。
全国でも初めてだと思う。
――どの団体が要請したのですか。
守秘義務があるのでお答えできない。(電力やエネルギー関連の団体かとの記者の質問に対して否定せず、)まあ、そういった団体だ。
――小泉氏らが脱原発活動を強めています。そうした中で、自民党本部など中央から、再稼働の意見書を出してほしいとの要請があったのですか。
ほかのマスコミからも聞かれたが、そうした事実はまったくない。あくまで埼玉県単独のものですよ。
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