ステラエアサービス

作者 有馬桓次郎

66

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★★★ Excellent!!!

甲府盆地の蒼天に飛ぶプロペラ機が瞼に浮かぶ……。

 ――舞台となる山梨県営玉幡飛行場ってだいたいどんなところ?


 山梨県の地理に余り詳しくない人は真っ先に「山梨 玉幡飛行場」のキーワードでググってみるといいと思います。

 http://airfield-search2.blog.so-net.ne.jp/yamanashi-airfield

(とりさんのblog 空港探索・2、より甲府飛行場)

 物語の舞台となる飛行場はかつて存在したこの甲府飛行場がモデルになったものだと思われます。
 今でこそ山梨には日本航空学園か韮崎滑空場ぐらいしかまともな飛行場らしきものが残っていませんが、第二次世界大戦頃には山梨に大きな飛行場が存在していました。それがblogの先にもある甲府飛行場です。
 釜無川の横にあるとされる玉幡飛行場がたぶんこれだとすると、作中に出てくる地名や地所などはほとんど実在するランドマークと一致します。筆者はとんでもなく綿密な取材をしてこの作品を書いたのではないかと伺わせます。

 釜無川の堤防の坂道を渡り鏡中条橋(1-1 曙光行路 http://bit.ly/2F5Qp3I)とかGoogleストリートビューを使って実際の風景と照らし合わせてみると一目瞭然でしょう。筆者は驚くほど正確にカメラワークを意識して精密に物語を描いています。
 GoogleMapから周囲の山の位置、飛行場の位置などを確認しながら照らし合わせて読んでいくとステラの飛行ルート、離発着進入ルートなどもかなり容易に想像できます。これも楽しい。
 これだけでも楽しいのに主人公一家の天羽家の人々の生き生きとした姿が目に浮かぶかのような描写はとても一言では表せません。
 取材費なんかも相当なレベルでかかったんじゃ無いだろうかと思える作品なので「コレ、Webでタダで読ませて貰っていいんだろうか…続きを読む

★★★ Excellent!!!

"空の便利屋"として飛行機による民間の輸送業を営むパイロット達、そのただ中に父の跡を"継いで"大空へ羽ばたく少女がこの物語の主人公です。

東京から近くて遠い古くからの要衝・山梨県の甲府を舞台とし、読み進めていくと自らが赤いステラの操縦席にいるような、まるで主人公の夏海と共にどこまでも広がる空や鳥瞰の山々を見ているような光景が、頭の中に思い浮かびます。
読了ののち甲府へ向かう列車に乗ったら、車窓から赤いステラの飛ぶ姿を探してしまいそうな、爽快な読後感にあふれています。

またメカ好き、飛行機好きの心をくすぐる要素も多分に含み、
機械油のにおいに塗れて整備を手伝いたい気分にかられる作品だとも
言えます。この飛行場のある街に住みたくなる物語です。
とても面白かったです!

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★★★ Excellent!!!

山梨にいったことがあるでしょうか?
私はあります。でも、そんなに土地勘があるわけではありません。
そんな山梨を舞台に描かれる作品。
決してご当地ネタの物語ではありません。
実在する精緻な用語に架空の歴史を交えたこの作品。
丁寧な地の文は、まるで映画を見ているような感覚を
与えてくれます。

あまりネタバレをするようなレビューは苦手ですので、
内容に触れることは避けますが、読んでいるうちに
フワっと空に浮いているような感覚を得られる作品だと思います。

どこかの架空の世界ではなく、つい近所にあるような物語。
もしかしたら、自分も登場人物の一人なのかも知れない。

初めてSFやライトノベルを読んだ時の感覚を、
体験できる、極めてまれな作品だと思います。

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