味噌汁に青汁を混ぜて飲んでみた結果
2013年12月に和食は世界無形文化遺産に登録されましたが、食卓で和食を代表する料理といえば味噌汁なのではないでしょうか。
味噌汁は健康的でおいしくて、毎日いただいても飽きませんよね。
一方、青汁も健康・美容効果が高い栄養満点の飲み物なので、ぜひ毎日飲んでいただきたいのですが、毎日飲む習慣がある方はごく一部だと思います。
そこで、味噌汁に青汁を混ぜれば、無理なく毎日続けることができるのでは?
と思い、味噌汁に青汁を混ぜて飲んでみることにしました!
味噌汁に青汁を加えると実に素晴らしい栄養のバランスアップ効果があります。
しかし、問題は「味」ですよね?
お味噌汁が緑色になるのでとってもマズそうですが(笑)
実際の味はどうなのでしょうか?
試してみますね!
味噌汁の栄養
みその主な材料は大豆です。
大豆は「畑の肉」と呼ばれるくらいたんぱく質が豊富なのですが、製造過程で発酵させることでさらにアミノ酸やビタミン類が大量に生成されます。
エネルギー:433kcal
たんぱく質:33.0g
炭水化物:28.8g
脂質:21.7g
水分:11.7g
灰分:4.8g
乾燥大豆の約30%はたんぱく質で、その中には必須アミノ酸も含まれています。
また大豆レシチン、大豆サポニン、大豆イソフラボンなどの機能性成分も含まれています。
米味噌、麦味噌、豆味噌の代表的な栄養成分がこちら。
(それぞれ五訂日本食品標準成分表より)
エネルギー:217kcal
水分:42.6g
たんぱく質:9.7g
脂質:3.0g
炭水化物:37.9g
灰分:6.8g
エネルギー:198kcal
水分:44.0g
たんぱく質:9.7g
脂質:4.3g
炭水化物:30.0g
灰分:12.0g
エネルギー:217kcal
水分:44.9g
たんぱく質:17.2g
脂質:10.5g
炭水化物:14.5g
灰分:12.9g
米味噌は炭水化物が多め、豆味噌はたんぱく質が多いというように原材料によって栄養価は変わります。この他にもビタミン、ミネラル等も含まれています。
さらに味噌は発酵食品なので、乳酸菌、酵母などの腸内環境を整えてくれる成分も豊富ですよ。
味噌は日本人の体質に合った発酵食品なので、ヨーグルト以上に便秘解消に最適という見解もあります。
味噌の効果
味噌は日本人の古来からの経験から体に良いものとされてきましたが、現在はさまざまな科学的研究が行われていて、具体的な効果が発表されています。
コレステロールの抑制
不飽和酸のリノール酸と大豆レシチンには、血中コレステロールを抑制する効果を期待できます。また、大豆サポニンにもコレステロールに働きかける作用があると言われています。
ダイエット効果
豆類は食物繊維が多い食品です。食物繊維は便秘解消に欠かせない成分ですし、味噌汁の具に豆腐、野菜、わかめなどのヘルシーなものを使用すれば低カロリー低糖質なダイエットメニューになります。
大豆のアミノ酸で代謝をアップして、太りにくい体を作ることもできます。
アンチエイジング効果
大豆サポニンは抗酸化作用のある成分です。酸化は「体のさび」とも言われている老化現象のひとつです。
りんごをカットしてしばらく置いておくと、表面が茶色く変色しますよね。あれが酸化です!
同じような現象が私たちの体の中でもおこります。酸化がすすむと肌にシワやシミができたり病気になったりする老化現象がおこるのです。
この体の酸化を抑えてくれるのが抗酸化物質である大豆サポニンです。
がんの予防効果
大豆サポニンの抗酸化作用には、細胞のたんぱく質の酸化を予防する働きがあります。そのため、がんの発生リスクを下げるとして研究がすすめられています。
カルシウムを摂取しやすい
カルシウムは日本人に不足している栄養素なのですが、味噌汁はカルシウムを摂りやすい食品です。
味噌にもカルシウムが含まれているのですが、だしに使う鰹節やいりこもカルシウムたっぷり食材ですし、具に使用すえるわかめ、豆腐、青菜類にも含まれています。
味噌汁って塩分が多いんじゃないの?
多い方では1日3回味噌汁を飲むという方もいらっしゃるくらいなので、塩分は気になるところだと思います。
大さじ1杯の味噌の塩分相当量は
・米味噌(甘味噌):0.915g
・麦味噌:1.605g
・豆味噌:1.635g
となります。
うちの場合のお話で恐縮ですが、わたしはいつも水分400mlに対して大さじ1杯の味噌を使用します。飲む量は1人あたり200ml。
出汁に含まれている塩分もありますが、だいたい上記の量の半量が味噌汁1杯あたりの塩分相当量となりますね。
厚生労働省が定める食塩相当量の摂取目安量は成人男性が8g以下、女性が7g以下です。
この数字を見ても味噌汁の塩分はとても少ないといえるのではないでしょうか。
この塩分量で立派なごはんのおかずになりますし優秀です!
塩分が多すぎるとダメな理由はナトリウムの過剰摂取にあります。ナトリウムを摂りすぎると血圧が上がり高血圧の原因になるためです。
このナトリウムは、カリウムを摂ると体外に排出されやすくなります。ナトリウムとカリウムは細胞の内側と外側でバランスをとっているんです。
カリウムは海藻類、緑黄色野菜、イモ類などに多く含まれているので、これらを具材として使用すれば排出されやすくなります。
味噌の塩分は全て味噌汁に溶けだすので、それでも塩分が気になる場合は、具材を増やして汁の量を減らすと良いですよ。
味噌汁に青汁をまぜるメリットは?
青汁を代表する栄養は食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの緑黄色野菜に含まれる成分で、使われている青汁野菜によって固有成分が変わってきます。
ここに味噌のアミノ酸や大豆レシチンなどの固有成分が加わるので、栄養バランスが抜群に高くなります。
また、青汁は緑黄色野菜が主原料なので、カリウムも多く含まれています。味噌汁の塩分が気になる場合にも良さそうですね。
青汁を味噌汁にまぜると5大栄養素を全て摂取できることになりますし、栄養バランスがアップすることはまちないないのですが気になるのは見た目と味ですよね!
青汁入り味噌汁を作ってみます!
青汁の原料によって味噌汁の味が変わると思うので、
桑の葉が主原料 お茶村 神仙桑抹茶ゴールド
大麦若葉が主原料 サントリー 極の青汁
明日葉が主原料 ふるさと青汁
の4種類で味噌汁を作ってみます。
また、職場でもおいしい青汁入り味噌汁が作れたらランチタイムで野菜の栄養を補給できると思うので、カップに入れてお湯を注ぐだけでできあがるインスタント味噌汁で試してみます。
使用するのはこちら。
マルコメ「料亭の味」です!
ヤクルト まろやかケールで味噌汁を作ってみた
ヤクルトまろやかケールの植物原料はケールのみ!ヤクルトが作っている青汁です。ケールには独特のクセや苦味がありますが、おいしく飲めるのでしょうか。
器にインスタント味噌汁と青汁を入れてお湯を注ぐだけなので作り方はとても簡単です!
ちなみに具材はわかめです。カットわかめ1gに4mgのカリウムが含まれています。
よくかき混ぜて、具材が戻ったら完成です。色がしっかりした緑色ですね。
まろやかケール味噌汁の感想
青汁は水で作るよりもお湯で作った方がにおいが強くなります。味噌汁も同じで、お湯を注いでいるだけでケールのにおいがフワーっと広がります。
味もケールの風味はあるのですが、味噌風味の洋風野菜スープみたいで違和感がないんです。苦くもないし、不思議と味噌汁に深みがでるという感じ。
においはわりとしっかりしたケールなので、苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、ケール青汁が飲める方はなじみやすい味だと思います。
意外なほどケールのクセがない!マイルドな味わいです。
お茶村 神仙桑抹茶ゴールドで味噌汁を作ってみた
神仙桑抹茶ゴールドは桑の葉を中心に、緑茶とシモンが配合されている青汁です。植物原料は無農薬栽培されています。
桑の葉には固有成分の「DNJ」が含まれています。DNJは糖の吸収を抑えるので、食事中に食べる味噌汁にも良いと思いますよ!
まろやかケール味噌汁を食べてみて味噌味が濃く感じられたので、ここからは味噌の量を1パックの半分に減らしました。
神仙桑抹茶ゴールドはお茶の苦味をしっかり感じられる食事にあう青汁です。桑の葉というとクセが強いんじゃ?と思われるかもですが、すごくすっきりしていて飲みやすいんですよ。
できました!具材は長ねぎです。
もともと緑色の長ねぎはあまり違和感がないのですが、うすあげが神仙桑抹茶ゴールドを吸って緑色に染まっています。
お茶村 神仙桑抹茶ゴールド味噌汁の感想
インスタント味噌汁ってこんな香りだったっけ?と思うくらい爽やかな香りがします。神仙桑抹茶ゴールドのお茶成分が効いているのかも。
味もそこまで大きな変化はなく、きちんとおかずになるお味噌汁としていただけます。味噌を減らしたのに薄くて物足りないということもありません。
ただ、ちょっと口の中に繊維感があるというか、舌触りがザラッとすることがあります。桑の葉の繊維質だと思います。
味噌汁を飲んでいるのにお茶を飲みたくなるような食感ですが、4種類の青汁味噌汁の中で風味はいちばんすっきりしていました。
口の中が少しザラつきますが、すっきりした味噌汁がお好みの方が気に入ると思います。
ふるさと青汁で味噌汁を作ってみた
ふるさと青汁の注目原料は明日葉です。
明日葉は独自成分のカルコンをはじめ栄養が豊富なのですが、においと味にせり科の植物特有のクセがあります。そこが味噌汁にあうかどうかやや不安!
具材は豆腐です。
これは・・・お湯を注いでいるだけで明日葉のにおいが立ち上ってきます。
ふるさと青汁味噌汁の感想
明日葉のにおいは苦味と甘みが絡まり合っているような感じがして、わたしはあまり得意ではありません。
不思議とちょっと鉱物油のようなにおいも感じるんですよね・・・
恐る恐る飲んでみると、味噌汁が少し甘くなったような感じがしました。砂糖の甘さではなく植物の糖度という感じ。
おいしくなくはないですし、このほんのり甘くて独特な香りの味噌汁にハマる方はいると思いますが、味噌汁と言われると違和感がありますね。
味よりもにおいが苦手で半分くらい食べたところでギブアップしてしまったのですが、口の中にずーっと明日葉の味が残っています。
番外編:青汁ほうれん草ポタージュ!
明日葉の香りや味は同じせり科のセロリを思わせる風味があります。
セロリなど香りの強い野菜で作ったブーケガルニは煮込み料理などをおいしくしますよね。洋風スープなら合いそうだと感じたので、「クノール カップスープ チーズ仕立てのほうれん草のポタージュ」にふるさと青汁を混ぜてみました。
これはおいしい!
色も最初から黄緑色なので見た目の違和感もありません。
もともと、とてもまろやかなチーズ仕立てのポタージュなのですが、ふるさと青汁が入ることでさらにコクがでます。
たまにふるさと青汁の風味が顔を出しますが、野菜を組み合わせた複雑なポタージュという感じで、明日葉の風味がうま味に感じられました。
野菜の栄養を強化できる寒い日の朝にピッタリにスープなので、お野菜が苦手なお子さんの冬の朝食にも良いと思います。
明日葉の香りと風味が味噌汁全体に広がるので、苦手な方は苦手だと思います。わたしはにおいがマスクされるほうれん草のポタージュの方が好きでした!
サントリー極の青汁で味噌汁を作ってみた
サントリー極の青汁は、飲料メーカーのサントリーが作っているお茶のようにサラッと飲める青汁です。
植物ポリフェノールのケルセチンの吸収量を増やした「ケルセチンプラス」が配合されています。ケルセチンプラスはサントリーの独自成分なので、他の青汁には含まれていません。
ケルセチンプラスには血中の抗酸化活性をアップする働きがあります。ビタミンCの作用を助ける効果もあるポリフェノールなので美肌作りにも!
ケルセチンには筋肉の減少を抑える、ひざ関節痛の炎症を抑える効果があることもわかっています。
極の青汁味噌汁がおいしかったら膝関節に良い味噌汁を作ることができますね。
具材はわかめです。
サントリー極の青汁味噌汁の感想
においは4つの青汁味噌汁のなかでいちばん違和感がありません。最初だけ煎茶を淹れたときのような香りがしましたが、それ以降はほとんど味噌汁のにおいしかしないです。
味も良いですよ。あまり青汁の風味がないので、具材も汁もごはんのおかずになります。
何よりも汁がおいしいです。味噌汁って途中で具がなくなって汁だけが残ることもありますよね。極の青汁味噌汁は汁だけ飲んでもおいしい味噌汁として普通に味わえます。
改めて、味噌汁って汁が大事なんだと気づかされました。
汁がおいしい味噌汁になります!
味噌汁に青汁を入れてみた感想
普通の味噌汁も具材によって汁の味が変わりますよね。あれと同じように使用する青汁で風味が変わるのがすごく新鮮でした。
わたしはふるさと青汁の明日葉の風味が味噌汁とは合わないと思いましたが、それ以外はおいしく飲むことができました。
味噌汁に青汁を入れることに問題があるとしたら見た目だけだと思います。
見た目が苦手で食が細くなったり、会社などで周囲の目線が気になるようでしたら水などで作って普通に飲んだ方が良いと思いますが、一緒にすることのメリットは大きいですよ。
まず、青汁を飲み忘れることがない!食卓についてから青汁を飲んでいないことに気が付いても味噌汁にさらーっと入れれば飲むことができます。
もちろん水に溶かしても良いのですが、個人的に食事中に水分を摂るのがあまり得意ではないので、味噌汁でまとめて栄養が摂れるのはすごくありがたいと思いました。
汁ものに野菜の栄養を強化できるのは思っていた以上に便利です。
味噌汁は、うちではいちばんよく食べるおかずです。
これまでに青汁ふりかけや青汁茶漬けを試してみて、それはそれでおいしかったのですが、味噌汁の方がダントツで食べる回数が多いんです。
それくらいポピュラーなおかずに青汁を組み合わせることができれば、今まで以上に手軽に野菜を補えます。
特別なことをしなくても日常の食生活に青汁を溶け込ませることができる飲み方だと思います。
最後に、わたしはお昼ごはんをご飯+具だくさん味噌汁の一汁一菜で済ますことがあるのですが、どうしても具材が少なくなる日もあって栄養バランスが気になっていました。
そんなときでも粉末青汁をサッと取り出してお椀の味噌汁に入れてあげれば完全食品といっても良いくらいの一品ができあがります。
青汁味噌汁は、とても実用性のあるアレンジレシピです。
味はおいしいですし、見た目も1度慣れてしまえば違和感はなくなると思いますよ。
青汁でいつもの味噌汁をより健康的に仕上げましょう!