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- ・「アレフ」など後継3団体は15の都道府県に34の施設を持ち1650人規模で活動
- ・年末年始に行われた“集中セミナー”には約430人が参加。松本死刑囚が説法をする映像を見たり、松本死刑囚への帰依を唱える修行
- ・公安調査庁はオウム真理教を知らない子供など若年層の信者数拡大を最も懸念
全ての裁判が事実上、終了した、いわゆるオウム事件。
しかし、オウムの後継団体が、かるたやブロックを使い、新たな信者獲得を目指す実態がFNNの取材で明らかになった。
箱に書かれた「真理かるた」の文字。その中を見てみると…
ひげをたくわえた男のイラストが描かれた「そ」の絵札。
読み札は、「そんし そんし あさはらそんし」。
これは、公安調査庁がオウム真理教の後継団体の一つ「アレフ」の施設に立ち入り検査をした際に発見したもの。
「むじょうを こえる オウムの おしえ」
「わたしは てんから おりてきた」
公安調査庁は「アレフ」が“かるた遊び”を通して子供たちに麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚の教義を教えているとみている。
地下鉄サリン事件や坂本弁護士一家殺害事件など重大事件を起こし世界を震撼させた「オウム真理教」。
教団による一連の事件では、最高裁判所が今月18日付で元信者の高橋克也被告の上告を棄却。
これにより裁判は事実上すべて終結し、今後は松本死刑囚らの刑の執行が最大の焦点となる。
その「オウム真理教」は「アレフ」に名前を変え、そこから分裂した「ひかりの輪」、さらに「アレフ」から新たに分かれた通称「山田らの集団」がある。
34の施設を持ち1650人規模で活動
これらの後継3団体は15の都道府県に、34の施設を持ち1650人規模で活動を続けている。
下のグラフは3団体の資産をあらわしたもので、その額は確実に増えていて、最新のデータでは10億円を超えている。
年末年始に行われた“集中セミナー”には合わせて約430人が参加。
松本死刑囚が説法をする映像を見たり、松本死刑囚への帰依を唱える修行をしたという。
松本死刑囚への帰依を唱える修行
公安調査庁はこうしたセミナーの参加料やお布施によって団体が資金を蓄えているとみていて、特に高額のお布施をする信者が増えているという。
こちらもアレフの施設で発見された手書きで「ジェンガ」と書かれた箱。
FNNが独自に入手したもので、中に入っているブロックにはマントラやザンゲなど、修行で使う言葉などが手書きで書かれている。
このジェンガも幼いころから松本死刑囚の教義を教え、熱心な信者に育てる狙いがあるとみられている。
公安調査庁はオウム真理教を知らない若年層の信者数拡大を懸念
ほかにも宗教的な文字が並ぶ絵本やすごろくなどが確認されていて、公安調査庁はオウム真理教を知らない子供など若年層の信者数拡大を最も懸念している。
公安審査委員長は、「将来再び無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があり引き続きその活動状況を継続して明らかにする必要がある」としている。
公安審査委員会は「アレフ」など3団体の観察処分を3年間更新
公安審査委員会は一昨日、「アレフ」など3団体について、施設などへの立ち入り検査などが認められる観察処分を3年間更新。
公安調査庁は引き続き3団体の活動を監視していく方針だ。