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ポプテピピックのアニメが大反響になってる。
ぼくは原作もアニメ1話も見たわけだが…くっそつまんない。
ギャグマンガ1冊読んで、1回も笑わなかったことは生まれて初めて!!
…ってぐらいつまんない(本当に笑わなかった)ので、何が面白いかわかんない…だよ。
いや、わかんないはウソやな。
ただ、こういう種類の笑いって、関西にはないねん。
小学校の頃から関西ローカルや吉本新喜劇に鍛えられてきたし、ボケ・ツッコミ・オチみたいな漫才通りの会話の中で育ってきた関西人のぼくにとっては
「で?オチは?」
「全然、落ちてへんし!!」
「開き直ったってつまらへんもんはつまらへんのに、なんで同じネタリピートしてんねん!」
みたいな、もやもやするマンガであり、アニメ。それがポプテピピック。
面白いとかつまんないを飛び越えて「何やねん!!」って言いたくなる。
「なんでやねん」でも「どないやねん」でもなく、「何やねん!!」としか言えへん。
「すべり芸の一種」というご指摘をする人もいるかもしれないけど…すべり芸って意味はあるよ。
ポプテピピックはスベるスベらない以前に…意味すえ怪しいし、芸として完結してないこともザラ。
だから、アレ…何よ!?ボケのつもりだとして、どう受け取って欲しいの?
東京の笑いってツッコミの概念がないか、ボケの地位が極端に低い
関西の笑いって、ボケが司令塔やねん!
で、ボケだった人がテレビ番組の司会になっても、司令塔的にトークを面白くするように構成してく。
だから、島田紳助も松本人志も、宮迫博之もみんな漫才師としてはボケ!!だって、ボケが作った空気をツッコミが歯切れ良く切り替えたり、野放しにして空気を楽しんでもらったり…そういうふうに笑いができてたから。
…ぼくは、そのノリで関西ではボケ側にいたんやけど…関東ではボケって殴られ役か、圧倒的なストーリー力でひっくり返すかのどちらかでしか成り立たへん!!
で、「圧倒的なストーリー力でひっくり返す」というのが、それこそラーメンズクラスの人じゃないとできない。
ラーメンズは関西人のお笑いにだったらできないような、ダブルボケ。それもアレを90年代からやってたのはすごい!!
ダブルボケ自体は関西にもあるんだけど、関西出身のお笑い芸人がやると笑い飯っぽくツッコミで区切って、上乗せしていく…という形式になるよね。
あるいは、桜塚やっくんみたいに、すごくかっこいい(かわいい?)感じで、なおかつ迫力でおかしな設定(ボケ)を押し切るという手法もあるけど、こっちについてはジャニーズJr.出身のイケメンじゃないとできない高等スキル。
で、当時のぼくはラーメンズ知らんかった&桜塚やっくんほどイケメンでも迫力があったわけでもないから、それまで関西のお笑い文化の延長で会話してたせいで、横浜の高校に引っ越した時に、ボケが空気を作ろうとした。
すると、ボケ殺しに遭ってしまって、会話の空気をボケから作ろうとするリズムがまったく噛み合わなくてしんどかった。
お笑い界の過渡期としては…南海キャンディーズがわかりやすいな。
南海キャンディーズって、ボケのしずちゃんは関西人やけど、ツッコミの男は千葉県出身やから…ホンマに醜悪でしかなった!!
「あれ、ほとんどいじめやろ!!」と思うようなツッコミと、ブスをネタにしたボケが地上波で放送された時「このコンビ絶対続かへんわ!!」と思ったら…続いてこそいるものの、芸能活動自体はだんだんと別々になっていった。
おぎやはぎとかにも言えるんやけど、東京出身の漫才のツッコミは、失礼やねん!!
関西のツッコミが「ええかげんにせんかい!」ぐらいな感じやけど、東京のツッコミは「ブスの分際で何いってんの?」ぐらいのことをガチで刺しに行く種類のツッコミやから…ボケから空気作るとかホンマに無理!!
だって、関西人がハリセン程度ツッコミを待ってボケても、ハンマーで本気で殴ってくるか、ホンマにアホ扱いするからな?東京の人。
最近は、関西の芸人の割合が減ってきた。
また、大阪でも東京でもない地方の人が、関西のお笑い文化を通らないで、東京でウケるものを学んで…というケースも増えてきたからゴリゴリに「ボケとツッコミがないと漫才やない」みたいなものは徐々に薄れていった。
ほんとうはその流れも丁寧に語りたいところだけど…なが~くなるし、共通のコンセンサスになるだけの「あの時代のお笑いはこれだ」みたいなシンボル的なものも割れてめんどくさいから、一気にブルゾンちえみに行くわ。
ブルゾンちえみと、ポプテピピック
ブルゾンちえみは…地方出身で、大阪にいたこともあるけど、お笑いを学ぶようになったのは東京に来てから。
彼女の凄さは、「投げっぱなしの笑い」という関西人にはやりづらいジャンルを作っていること。
「関西にだって、山田花子がおるやないか!!ブサイクなオバハンいじっとるやないか!!」
と東京の人からキレられそうだから言っとくけど…山田花子はブスキャラであって、ブスではないよ?
ブスっぽいふてぶてしさや、歯切れの悪い喋りでブスを装ってるだけであって、山田花子自体はテレビならともかく、日常生活でいたらかわいい側よ?
テレビって、痩身と麗人がセットだから、「丸っこくてかわいい人」はおもしろいか、食いしん坊かのキャラがつかないとテレビに出られないから、ああいう風にしてるだけやで?(実際、美人やからドラマ出演もすごく多いし)
ブルゾンちえみは、視聴者こそ失礼なツッコミをしたくなるように作ってる店が、全然違う。
すべり芸と似てるといえば似てるけど…どちらかと言うと、「逆・桜塚やっくん」「逆・山田花子」というべきだろうか。
桜塚やっくんは、元々がイケメンだからこそ、成立するタイプの芸。
もし、デブのオタクが女子高生の格好して、正論言っても…前提のボケの時点で、クレームがくるし、コントのストーリーが頭にも入らないし、女性のお客さんと絡みながら漫才を作っていく芸風にも違和感や締りの悪さが出てくるから…ブサイクに桜塚やっくんは無理なんだよ!!
ブルゾンちえみは…逆にお世辞にも美人とはいえない(どちらかと言うとブス側)だからできる芸風。
ブルゾンちえみ自体の35億自体は実はいいこと言ってるぐらいなんだよ?
失恋した後輩が、「彼氏のことを忘れられない」って言ってることに対して「新しい男に乗り換えればいい。だって、世界に男は35億もいるんだから」というまともに読むといいアドバイスなんだよ?
でも、美人が言ってしまうと下から目線で反論されそうな内容でもある。
もし、気の強い女子アナ辺りが「世界に男は35億もいるんだから、合わなかったら乗り換えればいいじゃない」とか言ったら、ビッチか、モテるやつの嫌味にしか聞こえないよ?
でも、ブス側のブルゾンちえみが言うとから「あいつバカじゃないの!?」という笑いになる。
…また、その「バカじゃないの!?」を前提としてツッコミを入れないどころか、イケメンを引き連れて違和感を増長させるため、ますます「あの35億ってバカだよねw」って言える笑いになる。
…ポプテピピックって、そういう意味ではブルゾンちえみに似てる。
投げっぱなしだし、誰がどう見てもバカバカしいから「わるく言ってもいいやつ」という形で、ネットや共演者からいじられるキャラとして滑り込んでる。
ボケとツッコミじゃない。
ボケっぱなしの芸人やマンガに対して、失礼極まりない東京人のツッコミがネットとかテレビで付くという…まぁ、関西基準で言えば、笑いの偏差値が低い人達が需要と供給が一致してる感じが酷くてですねぇ…僕は苦手。
ブルゾンちえみは「よく考えたなぁ~」と感動してるよ?ストーリーの語り手が美人かブスカだけで、意味が180度変わることを教えてくれたから。
でも、ポプテピピックは「バカなネット民を調子づかせちゃったなぁ~」って頭を抱えてる。
秋葉原に集まって中指立ててるのがかっこいいというか、「俺たちが正しいしわかってるんだ」みたいな全能感が非常に鬱陶しい。
お笑いの手法に引っかかって「失礼なツッコミを入れてもいい相手を人工的に作っていただいただけ」に過ぎないオタク達が、偏った政治思想に傾倒してる人や、テレビのコメンテーター特有の「わかってる俺たちこそ偉い」みたいな空気を出してくるの、たいへん鬱陶しい。
あんまりウザったいからツイッターでこんな感想書いたよ。
「失礼なツッコミを入れてもいい空気」「失礼なツッコミを入れてもいいほど支離滅裂な芸」に対して、「それを愛でられる俺達はわかってる」とか見当違いなこと言ってるんだから、アレのファンはいけ好かないを通り越して、大二病の類だと思う。
お笑いで言えば、「ボケっぱなし」はネット時代に合わせて作られた最新の流れで、ポプテピピックだってその延長でしかないコンテンツなのに…。
オタクの文脈で言っても、「残念系」という【僕は友達が少ない】で流行った傾向を更に煮詰めてひっくり返したもの。
残念系は桜塚やっくんや山田花子っぽい。美男美女がわざとツッコミを入れやすいところに降りて来る芸風だから。
でも、ブルゾンちえみやポプテピピックというのは、失礼なツッコミが来ることを前提に作った芸風。
わかりやすくしたのがブルゾンちえみで、誰もが突っ込みたくなるようにしたのがポプテピピック。
…秋葉原で群れてる人にこんな話してもわかんないと思うけど…「わかってる」って顔するんだったら、このぐらいきちっとした説明ができるようにして欲しいところです…はい。
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