昔懐かしのフォーチュンクエストを全巻大人買いしたので、当時を懐かしみながらレビューします。
1990年代からつづいている王道ファンタジー小説(今でいうラノベ)です。
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フォーチュンクエストとは
深沢美潮氏によるファンタジー小説です。
主人公の女の子、パステルの一人称で語られる心温まる冒険ものがたり。
1990年代当時はまだ「ラノベ」という言葉もできていなかったころで、当時中学生だった私のクラスでも読みやすいファンタジー小説が人気でした。
当時を懐かしみながら、とりあえずイカしたパーティメンバーを紹介するぜ。
絵柄はパクってくるのも気が引けたので私が描きました。ご容赦ください。
雑なキャラ紹介
ちなみに古本通販してまだ届いていないのでなんと職業がうろ覚えです。ノル当たり怪しい。
パステル。詩人兼マッパー。人間。 天然ボケというわかりやすいキャラ設定。所帯じみてて嫌味さがないため読者の女子にも男子にも大人気。 |
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クレイ。戦士。人間。 見た目がよく性格がよく家が金持ちという非の打ちどころのないイケメン。でも貧乏パーティなのでアーマーは竹製。 |
トラップ。盗賊。人間。 口が悪く足が速く性格も悪い。クレイで捕まえきれない女子層を捕まえるためにいるような役。 |
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ルーミィ。魔法使い見習い。エルフ。 先駆的なロリキャラすぎて赤ちゃん入ってる。魔法はだいたい使えない。 |
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キットン。農夫。ドワーフ。 ゲヘヘヘヘみたいな笑い方をする変人。今時のファンタジーならまず雑魚モブ。 |
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ノル。運搬/運送(職業らしい)。巨人族。 すんごいいいひと。無口。今時のファンタジーでなくとも「ここはノルドの村だよ」っていう程度の役になる見た目をしている。 |
シロちゃん。ホワイトドラゴン。 普段は犬のふりをしているがだいぶ厳しい。モフモフ役。 |
どうでしょうかこのラインナップ。
美形キャラのバーゲンセールに慣れ切った現代人にはちょっと斬新すぎたでしょうか。
当時のアニメや漫画は美形キャラと凡人と芸人枠が2:4:4くらいで構成されていた気がします。
これからフォーチュンクエストの思い出とともに内容を紹介していきますが、私の記憶は無印の全8巻、コミックス版、Lシリーズ全三巻、バイト編、外伝、新シリーズ3巻くらいまでで構成されています。
それより先は読んでいないのでご容赦ください。
世界を旅する王道ファンタジー
巻ごとに広がる地図のエリア
フォーチュンクエストのお話は、無印全8巻、外伝3巻、バイト編2巻、Lシリーズ全3巻、新シリーズ20巻(未完)、とあと漫画版、OVA、テレビアニメというものすごい数のお話が書かれています。
そのお話は、ファンタジー世界を旅する冒険もの。
今でいうところのMMORPGを想像するとわかりやすいと思います。
一つの町に行くたびに、新しいNPCが登場して新しい展開のお話を繰り広げていきますよね。主にクエストが始まるような形で。
フォーチュンクエストは1巻(または2,3巻)完結型のお話で、一つ一つの本が別の街やクエストを題材にするという形をとってます。
巻を追うごとに地図の新しいエリアが開けていき、世界観がどんどん見えていくような感じです。
丁寧に絵描かれるキャラクターの背景とストーリー
巻ごとにメインとなるキャラクターが設定されていることが多いですね。
一人一人のスピンオフ映画のような感じです。
フォーチュンクエストのキャラクター設定は、始まった当初はほとんどが語られていません。
キャラクター設定に書かれているのは、ほんとに物語の始まりの部分だけ。
旅に出た理由や、そのキャラクターの出身地、関連する人物やバックボーン、そしてそれぞれが抱えている悩みや人生の命題については、1巻ずつ読み進めるごとに少しずつ語られていきます。
7人いるので7通りの人生。
それを描こうと思うと簡単になん十巻にもなってしまうのがわかるような気がします。
パーティーは弱くて貧乏
そんな王道ファンタジーなお話ですが、この物語の主役はレベル1のただの女子。
パーティメンバーは初めの状態ではレベル1~3くらいのへっぽこパーティ。
宿屋に泊まる金すらもっていない状態から物語ははじまります。
そこがお話のウリなところで、長い冒険を続けながらも「割といつまでもひよっこ」なわけです。
ポケットモンスターでいえば「サトシは何十年ポケモンマスター目指してんの?」みたいな感じです。
読んでる側としてはそこに安心感を得ているので、レベル99になってしまったらこの話は終わりなのかもしれませんね。
パステルの繰り広げる乙女ゲー
主人公のパステルは16歳の女の子。恋多き乙女です。
読者のターゲット層は男女どちらも対象になってる(と思う)のですが、小説自体がパステルの独白を聞いているような一人称形式なので、読んでいる女子(心は女子も含む)はパステルに感情移入して読んでいく形が多いと思います。
当時の女子たちは、パーティのイケメン二人とパステルの関係や、次々出てくるNPCキャラとの関係にどきどきしながら読み進めたもんです。
中学生のころこの本がクラスを回っていたころは決まって、
「クレイとトラップどっちがかっこいいと思う?」
なんて話題が出てました。懐かしい。
ちなみにトラップ派だった私は「趣味わるーい!!」とか言われたもんです。ひどい。
大人になってみてみたら50000倍くらいクレイの勝ちでした。年月って怖いよね。
ネット二次創作界隈には今でもクレイ派とトラップ派がいるんじゃないでしょうかね。(詳しくないけど・・)
男子(おっさん)キャラはよりどりみどり
じゃあ男子(心は男子も含む)はどんな見方でこの物語を楽しむんでしょう。私は女子なので想像ですが、感情移入できそうなキャラを一通り揃えているんじゃないかなあと思います。
クレイは全方位完璧イケメンと紹介したけれど、アーマーが竹だったり確か由緒正しき家柄の中では3男だったりで、それなりにコンプレックスを持っていたキャラクターでした。
トラップはいわゆるノリのいいウェーイ系に見えます。若い男子には憧れかもしれません。
キットンはネタばれになるので詳しくは言えませんが、おっさん層にもウケがよい要素が詰められています。
ノルに至っては無口な大男という、これまでの3人と全くかぶらないキャラ設定。
男子的にも、ところどころ物語に共感しながら読んでいけるんじゃないでしょうかね。
とにかくパステルがかわいくてエロくて(スカートが短い)人気なので、男子にとっては感情移入とかはどうでもいいのかもしれません。
歴代のラノベとフォーチュンクエスト
1990年代のファンタジーは本当に王道だった
少しラノベの話になります。
1980~1990年代当時は、「なんとか伝説」「なんとかサーガ」「なんとかクエスト」といったタイトルの小説が、恥ずかしげもなくバンバン出ている時代でした。
ファンタジーといえば世界を旅するお話でした。
とにかく理由はもうなんでもいいから旅に出るのです。
世界地図を広げて足で世界を歩くのです。
そして主人公はだいたい英雄や勇者でした。
そんな時代に主人公がただの女子で、パーティは全員弱いというのはなかなか斬新でしたよ。本当に。
ファンタジーもの主人公の流行りの変遷
それから一通りファンタジー物が流行ると、普通のファンタジーなんてダサい!と言わんばかりに次は悪役がメインのお話が多くでてきます。
魔王が主人公とか、そういうやつですね。
そしてそれも一巡すると、次は平凡な僕がファンタジー世界でXXXになっちゃった!!みたいな異世界転生もの+凡人主人公が世に蔓延してきます。
(これはかなり古くからあったとは思いますが)
いつのまにか、ベタベタな王道ファンタジーは見かけなくなっていきました。
王道を貫き続けたフォーチュンクエスト
それでもフォーチュンクエストはロングセラーで王道のまま我が道を進み続けてました。
そのうち私も卒業して読まなくなってしまいましたが、その間にも続いていたお話はついに新シリーズで20巻にもなり、今に至るというわけです・・・。
少しずつパーティも安定してきたという評価をチラ見しました。
新シリーズの最新刊では一体どんな風に彼らが成長しているのか、今から心配です。
(レベル20くらいだったらどうしよ・・)
寝る前に少しずつ読む感じがおすすめなので、気軽に手に入るKindle版でもぜひいかがでしょうか。
そして流行らせてください。また私は、フォーチュンクエストの世界に浸ってきます。
(中古本が届いたら)