物心ついたときから漫画は当たり前のようにそばにあるものでした
──今回挙げてくださった作品はすべて漫画ですが、竹達さんと漫画との出会いはいつ頃だったんですか?
竹達兄が2人いることもあって、物心ついたときから漫画は当たり前のようにそばにあるものでした。なので、気がついたときには読んでましたね。それで言葉を覚えるというか、同年代の子が読み書きできないような漢字が読めたりして、それはちょっと誇らしさがあったと思います(笑)。たぶん、3、4歳ぐらいのときには読んでたんじゃないかなぁ。物心ついたときからオタクの扉は開いてたと思います(笑)。
──初めて買った漫画は覚えてますか?
竹達たぶん「なかよし」だったと思います。当時「セーラームーン」がテレビで放送されていて、好きで観ていたのですが、ある日本屋さんで「セーラームーン」が表紙の本を見つけて、お母さんに買ってもらったんですけど、月刊誌だから当然、載ってるのは途中からだったんですよね(笑)。でも、まだ子供だからそんなこともわからず、掲載されてる20ページくらいを頑張って読むんですけど、新キャラもいれば、知らないストーリーが展開されていて、もう全然わからない。「『セーラームーン』が表紙だから『セーラームーン』の本だと思って買ったのに、ちょっとしかない!」みたいになってました(笑)。
──子供としてはショックですね。
竹達そうなんですよ。でも、読んでいるうちに他の漫画も面白くなってきたり、この絵柄かわいいなって思うようになって…。もちろん「セーラームーン」も好きだから買ってもらっているうちに、続きが読めることがわかったり、新しく始まった連載が面白かったりして、毎月買うようになっていきました。でもそれが「なかよし」ってことは、当時はわかってなかったと思います。“「セーラームーン」が表紙の大きい雑誌”っていう認識でした(笑)。だから、表紙が「セーラームーン」じゃないと本屋さんに行っても見つけられなかったりしていました。でも、大きくなるにつれて、これは「なかよし」って雑誌なんだ、毎月3日に発売されるんだと、どんどん学んでいって、月の初めにお母さんにおねだりするって感じになりました(笑)。そうすると、他の雑誌にも興味が出始めて、「りぼん」も読むようになり、家には兄たちの少年マンガもあったので、少女マンガも少年マンガも両方読んでる子供でしたね。
──そんな竹達さんが今回挙げてくださったのが、「37.5℃の涙」「夏目友人帳」「花と悪魔」の3作品。それぞれ理由を教えていただけますか?
竹達どれもすごく好きな作品なんですけど……「37.5℃の涙」は、幼児保育のお話です。これは最初、この表紙がめちゃくちゃかわいいなと思ってジャケ買いをしたんですよ。ただ、かわいい子供たちがたくさん出てきそうで、どんな話なんだろう?と思って読んでいったら、意外とシリアスなお話だったことに驚きました。自分の知らない世界というか、私はまだ子供を産んでいないので、子供が何を考えているかわからなくて…。でも、この作品は、小さい子供でも一生懸命生きていて、お母さんたちも、ちゃんと1人の人間で、一生懸命子供を育ててるんだけど、たまに間違えちゃうこともあって、そういうときに病児保育の先生がお世話をしてくださったり、諭してくれたり、生き方を教えてくれたり……と、自分も一緒に学ばせてもらえるんです。将来、自分が子育てをしたときに、この作品に出てくるシーンや言葉を思い出す日が来るんじゃないかなと思い、大事にしたい作品だなと今回選ばせていただきました。
──大切なことを教えてくれる作品なんですね。
竹達そうですね。この作品の主人公は杉崎桃子ちゃんという女の子なんですけど、彼女自身も親に虐待されて生きてきた子なんですよ。常に悩んだり、傷ついたり。でも一生懸命生きていて、そんな主人公のドラマもあり、子供たちのドラマもありつつという、いろんな人間の頑張っていきてる姿が描かれている作品なんです。なので、何て言うか、人生で躓いたときに読みたくなる作品だなって思うんですよね。
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