2018-01-24

冬の夜に想う

昨夜は都内とは思えぬほど寒い夜だった。

帰宅して部屋に入ると吐いた息がほのかに白かった。

私の住むアパート灯油ストーブが使えないのでエアコンに頼るしかないのだが、昨夜の冷え込みには力不足だったようで、私は寝酒をサッとかっ食らってとっとと寝てしまうことにした。

だけど、いつもより一時間も早く布団にくるまたからといってすぐに寝つけるもんでもない。

寝よう寝ようと念じながらとりとめのない思考を巡らせてるうちに、ふと昔のことを思いだした。

長野実家に住んでいたころのことだ。

言うまでもなく長野東京よりずっとたくさんの雪が降る。そして寒い

我が家は造りが古く隙間が多かったので特に寒い家だった。

家族が起きているうちはストーブを炊いているからいいのだけど、火の気がなくなると途端に冷気が忍び込んでくる。

夜も更け家の中がすっかり冷え切ったころ、私の部屋のふすまがガタガタとやかましい音を立てながらスッと10センチばかし開く。

そして空いた隙間からのそのそ入り込んでくるのは2匹の猫だった。

そのころ我が家で飼っていた“ごま”と“しょうゆ”だ。

2匹とも団子みたくまんまるに太っていた。

やつらはベッド前までやってくると、「へへっ、温かいところをみつけたニャ」とばかりに私の上に飛び乗る。

だいたい足下のふくらはぎの辺りが定位置だった。

たぶん二匹分で10キロ以上あったろう。

子供だった私には、たまったもんじゃない重さだった。

足をジタバタさせてもちっともどいてくれる気配はない。

私は仕方なくやつらの重みから逃げるようにして布団の中で体育座りみたく脚を畳むしかなった。

しかも、やつらの訪問は冬の間ずっと続くのだ。

おかげで大人になってからも脚を畳んで寝る癖がすっかり身体に染み付いてしまった。

私の背があまり伸びなかったのは寝姿に原因があったような気がしないでもない。

あのころからずいぶんと時が経ち、すっかり大人になった私は布団の中で脚を伸ばしてみる。

邪魔なやつらはもういない。

だけど、どうにもしっくりこなくて、私は結局いつものように脚を畳んで眠りに落ちるのを待つのだった。

そんな、東京に雪が降った日のこと。

足下のずっしりした重みがちょっとだけ懐かしくなった冬の夜のこと。

  • anond:20180124193613

    また温かい場所を見つけたニャ 今までずっとどこ行ってたのニャ?

  • anond:20180124193613

    猫重いよな

  • anond:20180124193613

    かわいい日記だわ

  • anond:20180124193613

    やめてくれ、こういう文章は昔猫飼ってた俺に効く

  • anond:20180124193613

    ひさびさに「にゃーん」増田さんにもあいたいなぁ。

  • anond:20180124193613

    寝てるときに足下はまだいいけど腹の上とかに乗ってこられるとかなりキツい 猫飼ったことないやつは3~5kgぐらいの砂袋を腹の上に乗せたまま寝られるかどうか試してみるといい

  • anond:20180124193613

    え、都内のアパートって灯油ストーブ禁止なの? そんなん冬に停電なったら死ぬでしょ

記事への反応(ブックマークコメント)

 
 
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