米上院議員が出産へ 任期中は初めて
タミー・ダックワース米上院議員(民主党、イリノイ州選出)が23日、まもなく妊娠6カ月になり、50歳の誕生日を迎える翌月の4月に次女を出産する予定だと発表した。米上院議員が在任中に出産するのは初めてとなる。
これまでに9人の米連邦議会議員が出産しているが、いずれも下院議員だった。ダックワース氏も下院議員時代に、長女を出産している。
ダックワース氏は米紙に対し、2人目の子供を授かるのに夫と苦労したと話した。47歳だった2014年、下院議員在任中に長女アビゲイルちゃんを不妊治療を経て出産している。
議員は同紙に対し、「また妊娠しようと体外受精を何度も繰り返し、流産も経験したので、とても感謝している」と話した。
2016年の上院選中にも、流産していたという。
当時の選挙ではテレビ討論会で、共和党の対立候補マーク・カーク前上院議員がダックワース氏がタイ出身だと嘲笑するかのような発言をしたことが、大きな話題となった。
ダックワース氏は上院に当選した初の女性障害者。イラク戦争退役軍人で、陸軍のヘリコプター操縦士として勤務中に両脚を失っている。
さらに、ダックワース氏は初のタイ出身の議員でもある。母親は中国系で、父親は第2次世界大戦とベトナム戦争に従軍した元米国軍人。
「ようやく今になって」
ダックワース氏は米紙シカゴ・トリビューンに対して、「ようやく今になって」在任中に女性上院議員が出産するようになった、遅すぎたくらいだと話した。
「2018年までかかってしまったことが信じられない。この国で国民の多様性が(議会に)反映されているのかどうかを表していると思う」
「男性議員は以前から在任中に、子供の誕生を経験してきた」とダックワース氏は述べた。
「『女性大行進』で何か変わるなら、もっと多くの女性が公職に立候補するようになってもらいたい。仲間が増えるといい」
ダックワース氏は2012年に下院議員に当選。2期務めた後、上院議員に立候補した。
バラク・オバマ前大統領は2016年の上院選でダックワース氏の応援に駆けつけ、ダックワース氏はオバマ氏の上院議員時代の議席を共和党から取り返した。
過去に退役軍人省次官補を務め、それ以前はイリノイ州退役軍人省の長官だった。
(英語記事 Tammy Duckworth set to be first Senator to have baby in office)