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大阪市

“高速輸送”バス、未知数発車 BRT実験運行へ

BRT社会実験の運行ルート

地下鉄延伸へ需要喚起期待

 4月に大阪市営地下鉄が民営化された後、採算面から凍結されている今里筋線延伸計画が課題として残る。市は延伸区間で2019年度中にバスを使った高速輸送システム(BRT)の実験的な運行を始め、公共交通の利用者を増やすことで延伸の事業化につなげたい考えだ。ただ、今里筋線は市営地下鉄9路線で最多の赤字を抱えるだけに、市の思惑通りに需要喚起できるかは未知数だ。【岡崎大輔】

 市交通局によると、車両の運行は地下鉄新会社が請け負い、車両の購入費などは大阪市が管理する交通政策基金から支出する。

 運行ルートは、延伸計画のある今里-湯里六丁目(約6・7キロ)と重なる(1)今里-長居(約9キロ)(2)今里-あべの橋(約6キロ)の2路線。通常の路線バスは約400メートルおきに停留所を設けるが、速達性を重視し地下鉄並みの1キロ間隔とし、運行頻度は1時間あたり2~3本とする。

 大阪市内は道幅制限があるため連節バスは使わず、巨額な費用がかかる専用道の整備も除外した。路線バスより乗客定員が多い大型バスを購入する方針で、今年度中に運賃や運行ダイヤなどをまとめる。市交通局は「停留所の間隔が長く、既存のバス優先信号を活用でき、速達性は図れる」と説明する。

 ただ、民営化後の地下鉄路線の延伸実現は容易ではない。市の審議会は14年、今里筋線延伸計画を採算性はないと結論づけ、同線の赤字額(16年度)は9路線で最多の約47億円。それでも延伸実現を求める自民党市議団が地下鉄民営化関連議案に賛成する条件としてBRTの実験実施を求め、吉村洋文市長が応じた経緯がある。

 土井勉・大阪大特任教授(総合交通政策)は「BRTは安価で工期が短い利点があるが、地図に路線やバス停が示されず、都市形成の目印になりにくい。沿線の人口増には料金体系やダイヤの工夫、他のバス事業者との連携、沿線の街づくりの促進などをまとめた都市政策が重要だ」と指摘する。


BRT

 BusRapidTransitの略。連節バスや公共車両優先システム、バス専用道などを組み合わせて輸送能力を向上させる仕組みで、全国12都道府県・17カ所が導入(昨年4月現在)。近畿では兵庫県三田市で神姫バスが2013年4月から朝夕、連節バスを運行。JR東日本は東日本大震災の被害を受けたJR気仙沼、大船渡両線の復旧期間の暫定利用として導入し、そのまま定着した。

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