奈良県安堵町の増井敬史町議(59)が、フェイスブックで特定の国会議員を在日コリアンと決めつけた上で「股裂きの刑にしてやりたい」などと投稿し、ヘイトスピーチに当たる内容で議員としての資質に問題があるとして町議会が処分を検討することが23日、同町への取材で分かった。
増井町議は20日、国会議員を名指しし、慰安婦問題に絡めて「極悪非道の在日Korean」と批判。「万死に値する」「両足を牛にくくりつけて股裂きの刑にしてやりたい」などと書き込んだ。オウム真理教で殺害の意味で使われていた言葉を用い、首相経験者の議員を「ポアしてほしい」とした投稿もあった。
町に抗議のメールがあった他、インターネット上で批判が相次ぎ、西本安博町長や議長らが22日午後、増井町議に事実関係をただした。議長は「人権侵害に当たる」としてフェイスブックでの発信をやめるよう求め、町議は謝罪したという。町議会は近く処分を話し合う全員協議会を開く。
22日夜までに「股裂き」などの記載は削除されたが、増井町議は23日、新たに「フェイスブックの規定に違反し、3日間アカウント停止になった」と投稿。自ら「半島人の表現がヘイトスピーチに該当するとの判断だった」とも書き込んだ。アカウント停止の理由を記す中で、再び同じ議員を名指しして「股裂き」「ポア」などの自身の投稿内容を列挙した。
増井町議は書き込みについて「言葉のあやだ。自分の投稿にファンがいて興奮して書いた」と共同通信の取材に話した。同町議は2015年初当選で1期目。(共同)