JR東海は1月23日、紀勢本線の特急『(ワイドビュー)南紀』で運用しているキハ85系特急型気動車の台車に、トラブルが発生したことを明らかにした。発表によると、1月21日7時35分頃、新宮駅(和歌山県新宮市)を8時23分に発車する紀伊勝浦行き回送列車の乗務員(JR西日本社員)が、出発前の点検を行なった際、先頭車(4号車)の台車にある「軸箱体」という部分に亀裂を発見したという。軸箱体とは、車輪を回す「車軸」の両端を収める「軸受」と呼ばれるものを支持するパーツ。ひとつの台車に4つ、1車両につき8つ取り付けられているが、今回はそのうちの1つで、長さ約20cm、幅約5~7cmの亀裂が発見された。これにより、紀伊勝浦駅(和歌山県勝浦町)から名古屋駅(愛知県名古屋市中村区)まで運行されることになっていた『(ワイドビュー)南紀4号』が運休となり、乗客およそ40人に影響が出た。JR東海では、他のキハ85系に対して、すべての軸箱体を目視で点検したが、異常がないことを確認しているという。紀勢本線の特急『(ワイドビュー)南紀』は、紀勢本線新宮~和歌山間が電化された1978年10月、それまで運行されていた名古屋発着の特急『くろしお』の新宮以東を系統分離する形で登場した。当初はキハ80系特急型気動車で運行されていたが、1992年3月には米国カミンズ社製のエンジンを搭載したキハ85系に置き換えられ、現在に至っている。キハ85系は現在、80両が名古屋車両区に在籍している。 名古屋市東区に本社を置く矢作(やはぎ)建設工業は2月4日、同社の鉄道技術研修セン…