朝鮮日報

【コラム】北朝鮮選手団10人に楽団140人はおかしくないか

【コラム】北朝鮮選手団10人に楽団140人はおかしくないか

 五輪のたびに「アンブッシュマーケティング」が問題になる。公式スポンサーではない企業が便乗して関連商品の宣伝を行い、広告効果を上げることを指す。サッカーの韓日ワールドカップで味をしめたSKテレコムは今回の平昌冬季五輪でも論議を呼んだ。しかし、今回は到底かなわない強敵に直面した。それは北朝鮮だ。

 北朝鮮は周囲の視線など気にしない。便乗どころか主役に躍り出る勢いだ。相手が軟弱だからだ。まず太極旗(韓国国旗)を国籍不明の韓半島旗に変え、主催国の象徴を消し去った。北朝鮮が要求してもいないのに韓国側が勝手にそうした。中国の威圧で国旗を掲げられない台湾のような状況だ。韓国政府は「アジア大会やユニバーシアードでもそうだった」とし、大した問題ではないという。そんなことが比較対象になるのか。今回は世界で32億人が見るとされる冬季五輪だ。

 北朝鮮が派遣できる選手は10人に満たない。ところが、「三池淵(サムジヨン)管弦楽団」という名の楽団を140人も派遣してくるという。北朝鮮には名前が似た「三池淵楽団」が存在する。金正日(キム・ジョンイル)・金正恩(キム・ジョンウン)体制を宣伝する曲を歌ったり演奏したりする楽団だという。そこに有名な「牡丹峰(モランボン)楽団」を混ぜ、楽団を組む可能性がある。ところが牡丹峰楽団の代表曲というのがすごい。「寝ても覚めても元帥様を思う」「我々の銃槍の上に平和がある」「あなたがいなければ生きていけない」――。ここで言う「あなた」は無論「金正恩元帥様」を指す。彼らが果たして韓国でどんな公演を行うのか予測が付かない。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)社会部長
前のページ 1 | 2 | 3 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】北朝鮮選手団10人に楽団140人はおかしくないか

right

関連ニュース