「仕事の質が高いほど心の病になりやすい」、職場ストレスが常態化する理由
2018年01月23日
「仕事の質が高いほど心の病になりやすい」、職場ストレスが常態化する理由
公益財団法人日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」は2017年12月、上場企業221社に対する調査結果を発表した。10~20代といった若手の「心の病」が増加しているほか、30~40代でも引き続きメンタルに問題があるビジネスパーソンが3割存在するという。国が定めたストレスチェック制度は90%の企業が実施している一方、課題がなくならないのはなぜだろうか。
メンタルヘルス対策への課題とは
(©kyo - Fotolia)
10~20代の「心の病」が増加、40代、30代に次いで3割近く
調査結果によると、「心の病」の最も多い年齢層は40代(35.8%)で、以下30代(32.6%)、10~20代(27.9%)と続いた。2010年までの調査では30代が突出して多かったが、2012年の調査からは状況が大きく変わり、40代と30代が同程度で推移している。また、10~20代が大きく増加した。
同研究所では、30代は仕事ができるようになり「働き盛り」と呼ばれる年代だが、それだけに仕事を任され責任が重くなる反面、まだ管理職にはなれずに責任と権限がアンバランスになる年代であるとしている。
これまでは、「責任と権限のアンバランス」が30代に不調者が多い理由であると考えられていたが、これが40代、10~20代にも広がった可能性があるとしている(図1)。
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図1:「心の病」の年代別割合
「心の病」は「横ばい」が半数以上
「心の病」の増減傾向では、直近の3年間で「横ばい」が増加し、今回の調査では59.7%と半数以上を占めた。同研究所では、「心の病」の増加傾向に歯止めがかかったとしているが、減ったわけではないと警鐘を鳴らしている。なお、「減少傾向」は微増傾向が続くものの、全体の10%にとどまっている(図2)。
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図2:最近3年間の「心の病」の増減傾向
【次ページ】「今までに経験したことのないような課題」が増え、ストレスが増加
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