プロフェッショナル 仕事の流儀「水族園職員・河原直明」[解][字] 2018.01.22

221月 - による admin - 0 - 未分類

国会には全然、女性議員が増えていかない。
この格差、先ほど言ったジェンダーギャップも含めて、そういったものを変えていく、構造を変えていくということが、とても重要になってくると思います。
今回、この#MeTooの動きを見て、私たち男性誰もが当事者なんだと思いました。
問題を解決するのは私たちだと思いました。
大人も子どもも目を輝かせる水族園。
ところで皆さんはこんな事を考えた事はあるだろうか?一匹一匹の生き物は一体どうやってこの水槽にやって来たのか。
これはメキシコ湾の魚。
卵がふ化するまでオスが口の中で育てるという。
北極海に生息するイボダンゴ。
魚なのに泳ぎが苦手でおなかについた吸盤を使い移動する。
世界でも初展示となる珍しい生き物たちをなぜ東京で見る事ができるのか。
(海に飛び込む音)世界の海に潜り変わった生き物を捕まえるプロがいる。
途方もない大海原で狙った魚を見つけ出す。
そして丁寧に捕獲する。
(取材者)お疲れさまです。
お疲れさまです。
世界の海を股に掛ける生き物採集のスペシャリスト。
河原が捕獲してきた生物には海外の水族館関係者も舌を巻く。
(河原)ほらね。

(主題歌)河原は7つの海を飛び回る。
水族園が世界で初めて展示に成功した生き物は150種類以上。
未知の魚を追う特殊な技術がある。
常に突きつけられる責任。
知られざる海の中の闘いに密着。
河原の通勤時間は僅か15分。
いつでも駆けつけられるよう職場のすぐ近くに住んでいる。
東京都立西臨海水族園。
ここには世界でも珍しい生物採集専門の部署調査係がある。
そのリーダーが河原だ。
ほとんどの水族館は展示用の生き物を専門業者から購入している。
だが他にない生き物の展示にこだわるこの水族園では多くを職員自らが採集してきた。
河原はあらゆる種類の生き物を捕まえるために日夜アイデアを練っている。
(河原)これはまぁ…出張は年間100日以上。
この日は小笠原に向かった。
東京から南へおよそ1,000キロ。
この海域に生息している珍しい生き物を展示用に補充するのが目的だ。
特に今回ぜひとも捕獲したいのが日本の固有種でもあるユウゼン。
美しい模様が友禅染に似ている事から名付けられた魚だ。
捕獲は4名ほどのチームで行う。
体力を消耗する潜水は1回1時間が限度。
多い時はそれを1日3回。
河原が魚群の中にユウゼンのつがいを見つけた。
生態を研究するためオス・メスのペアで捕まえたい。
魚を捕らえるための河原の最大の武器は「フェンスネット」と呼ばれる巨大な網。
そのネットに魚を追い込むよう仲間たちに指示を出す。
ユウゼンを岩場に潜らせないようネットのほうにいざなう。
警戒させないよう静かに追い込んでいく。
ネットにあたった瞬間一気にすくう。
だが…逃げられた。
一方もう一匹は無事に捕獲した。
研究するためにはどうしてもあのつがいの相手が必要だ。
逃げたユウゼンは岩場の中に隠れてしまった。
しかし河原は慌てない。
目を凝らし1つの事を考える。
河原の真骨頂はその経験と知識から魚の逃げ方を予測する力だ。
ユウゼンは岩場から逃げ出す時上に向かう事がままある。
だが上に逃げられればやっかいだ。
ゆっくりと上から近づく。
ねらいどおりユウゼンは下へ逃げた。
ユウゼンのペア。
傷つけずに捕獲する事ができた。
10日間の採集で20種類150匹を捕獲した。
だがまだ大事な仕事が残っている。
輸送だ。
魚は環境の変化に敏感で僅かなストレスが命に関わる。
魚の大きさや種類によって入れる容器を変える。
何匹ずつ入れるか水や酸素の量も生き物ごとに細かく変える。
交代で食事や睡眠をとりながら4時間おきに魚たちの様子を確認する。
深夜2時水温を測った時だった。
水槽の温度が出発の時より2度以上も下がっていた。
ペットボトルに60度の湯を入れ浮かべてみる事にした。
2時間で水温は戻った。
扱っているのは命。
手間は絶対に惜しまない。
24時間後東京の港に到着した。
命を守れるかどうかは時間との勝負。
飼育を担当する職員たちが到着を待っていた。
すぐに生き物たちをバックヤードの飼育施設に運ぶ。
展示まで1か月程度この水槽で慣れさせる。
一匹も死なせる事なく輸送を終えた。
海に生きる命と向き合う仕事。
河原の日常はこうして過ぎていく。
河原さんは生き物の捕獲だけでなく魚の居場所を見つけ出すプロでもある。
よく採集に行く東京湾でその技を見せてもらう。
まずは水族園で大人気のあの生き物の探し方。
河原さんが探しているのは潮が流れてきているポイントだ。
一見何もいないように見えるけど…。
(河原)でしょ?ほらいた。
ここに光を当てると不思議な事が!続いてもっとキラキラした生き物を求めて堤防へ。
捕獲に使うのは女性用のストッキング。
(笑い声)ストッキングにレバーを入れて海につるす。
河原さんが狙うのは海底が砂地になっている場所だ。
待つこと2時間。
入っていたのは…。
(河原)うわすっごいこれ。
すごいいっぱいいますね。
海底に暮らすウミホタル。
(取材者)いい感じですか?河原さんがいつも考えているのは自分が魚ならどこにいたいか。
この浅瀬なら海草の茂みの中に逃げ込みたいはず。
そう推理して網でこすり取ってみると…。
どこまでも魚の気持ちを忘れない。
9月。
知り合いの漁師から長年河原たちが追っている魚が定置網に掛かっていると連絡が入った。
バショウカジキ。
よく知られている魚だが泳ぐ姿はこれまでほとんど見られる事はなかった。
これはバショウカジキの撮影に成功した貴重な映像。
「世界で最も速い魚」と言われ生きたまま捕まえるのは極めて難しい。
常設展示に成功した例は調べるかぎりない。
向かったのは東シナ海に面した…定置網を引き上げる時間に合わせて沖に向かった。
果たしてこの日は入っているか。
半分をビニール製にする事で海水ごとすくえる特製の網。
水の中に目を凝らす。
体長90センチほどのバショウカジキだ。
問題は網を入れるタイミングだ。
すくったあとすぐ船にある生けすへ移したい。
ギリギリまで近づくのを待つ。
バショウカジキは下へ潜ったようだ。
しかし思わぬ事が起きた。
網に絡まり動けなくなった事で呼吸ができなくなったと思われる。
河原は悔やみ続けていた。
バショウカジキが見えたあの瞬間捕まえる事はできなかっただろうか。
河原さんは暇さえあればいつも捕獲用の道具の手入れをする。
誠実で少し変わり者。
仲間にそう言われる河原さんがこの仕事にのめり込むようになったのは数々の偶然のたまものだ。
高校卒業後体育大学を目指したが2年続けて受験に失敗。
そこで思い切ってアメリカの大学に飛び込んだ。
海辺で育った縁もあり選んだのは海洋生物学。
そこで教授が言ったひと言が運命を決めた。
目指したのは水族館の飼育員。
でもなかなか採用されない。
携帯電話のソフトを作る会社などを転々としながらチャンスを待った。
すると偶然アメリカで新しい水族館がオープン。
英語と海洋生物学の知識が生きて働ける事になった。
生き物と触れ合う楽しさを伝えたい。
その時はそれだけを考えていた。
でも働き始めて5年目思いに変化が起きる。
きっかけは娘のまいさんが生まれた事。
生まれつき心臓に重い病気を抱えていた。
命にはいろんな形がある事。
その意味をかみしめた。
以後西臨海水族園から声がかかり世界の海に潜る仕事へ。
命を守れない現実にも数々直面してきた。
特に4年前に経験したマグロの大量死では言葉では表せないショックを受けた。
今河原さんは考え続けると決めている。
「命を展示する」事の意味とは何かを。
まあいろんな人とか…。
というのは例えて言うなら…ニモだ。
ニモがいるニモ。
(河原)今ほら食べて…掃除してるんです。
(河原)これ。
そこのしましまの。
これはノコギリハギ。
かわいい。
動いてる!すご〜い!西臨海水族園ではこの数年一つの問題を抱えていた。
世界中の海に暮らす生物を29の海域に分けて紹介している「世界の海」。
水族園が最もこだわってきたコーナーでもある。
その中のオーストラリア南部の生き物が減り続けていた。
この海域は南極の海流が入り込むため温暖な海水と冷たい海水が混ざり合い珍しい生物が多く生息している。
長年採集業者から購入してきたがサメが出没するようになり業者がいなくなっていた。
この海へ河原たちが初めて向かう事になった。
狙うのはこの海域に住む変わった生き物たち。
鳴き声が老婆の歯ぎしりの音に似ていると名付けられた…ワーティープロウフィッシュは魚では珍しく脱皮をするという。
オーストラリア第2の都市メルボルンに向かった。
(スティーブ)Hello!河原が協力をお願いしたスティーブ。
現地の採集業者だ。
今回の滞在は4日間。
その中でここにしかいない生き物を捕まえなければならない。
メルボルンの目の前に広がるポートフィリップ湾は波が穏やかでサメも入ってこない絶好の場所。
河原たちはこの湾で採集を行う事に決めた。
潜水前スティーブに海の様子について最新の情報を聞く。
ムーンライター。
子どもの間の1年だけ月のような円い模様ができるこの海域にしかいない魚だ。
河原も見た事がない。
(笑い声)初日。
あまり深くない無人島の付近で潜る事にした。
河原の不安は的中した。
予想以上に潮が速い。
フェンスネットは流されて使えず手網だけが頼り。
初めて潜る海。
確かに見た事のない生き物がいる。
だが事前の情報と違ってごく僅かな数しか目につかない。
直前に降った大雨の影響で海の環境が変わっているらしい。
この日は魚を追うのをやめヒトデやナマコを捕る事にした。
これもまた他の海域では見られない独特の生き物。
知らない生物は現地ですぐに調べておく。
日本にある資料には載っていない事も多いからだ。
この日は潮の流れが緩やかな湾のすぐ内側を選んだ。
岩場に隠れている魚を丹念に探していく。
だがこの日もいない。
スティーブたちが数匹捕まえたが他の海域にもいる魚。
逃がす事にした。
初日に潜ったポイントに戻ったが海が荒れ中断になった。
残された時間はあと1日。
どのポイントで捕るのかどうやって捕るのか。
決断を迫られた河原は一つの事を自分に言い聞かせていた。
考えて考えて河原が最終日に向かったのは初日に潜ったポイント。
勘がある場所の方が魚を見つけやすいと判断した。
更に単独行動をやめ2人1組で動く。
狙いを定めたのは通常探る岩場ではなく人工的につくられた船着き場の下。
魚の気持ちになって居場所を考え続ける。
何かを見つけた。
老婆の歯ぎしりのように鳴くという…2人で隅に追い込み逃げ道をなくす。
マグパイパーチも狙っていた魚。
1人を穴の奥に待機させて網を張らせる。
そして更に。
棒で穴を探っている時だった。
あの魚が姿を現した。
子どもの間だけ存在するという月のような模様もしっかりとある。
魚の動きを読む。
ムーンライターを捕まえた。

(主題歌)河原が捕まえてきた生き物は僅か17時間で水族園に到着した。
これから生態を調べつつ飼育する。
新たな闘いが始まる。
出張から戻ってきた河原が今一番楽しみにしている事がある。
一人娘のまいさんと遊ぶ事だ。
最近水族園に来る事が好きになってきたという。
(河原)飛行機見えてない?多様な命を見せる事の意味を河原は信じている。
みんながみんなそれぞれの役割というかそれを自分で見つけて自分でそれをやってでその結果が出せるというか結果に導くっていうのがプロフェッショナルなのかなっていうふうに思います。
河原は今日も海へ潜る。
見た事のない魚を人々へ届けるために。
2018/01/22(月) 22:25〜23:15
NHK総合1・神戸
プロフェッショナル 仕事の流儀「水族園職員・河原直明」[解][字]

未知の魚を求めて、世界の海に潜る水族園職員・河原直明(44)。小笠原や南オーストラリアでの捕獲を潜水撮影を駆使し、半年間撮影。海の中での知られざる戦いを追った!

詳細情報
番組内容
未知の魚を求めて、世界の海に潜る河原直明(44)。多くの水族館が展示用の生物を業者から買う中で、葛西臨海水族園は自ら採取する専門部署を持つ。そのリーダーが河原だ。魚の種類ごとに行動を予測し、捕獲作戦を遂行する河原のプロの技を、潜水撮影を駆使し、半年間かけて撮影した。日本固有種が生息する小笠原や、南極にほど近く「謎に包まれた海域」と言われるオーストラリア南部での、知られざる戦いを追った!
出演者
【出演】水族園職員…河原直明,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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