個人で「マクロとミクロのかい離」拡大

世代別では「中高年の賃金問題」見え隠れ

2018年1月23日(火)

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2018年の日本経済、景気動向のゆくえは?(写真:marchello74/123RF)

マクロ経済全般についての個人の認識は順調に好転

 日銀が1月11日に結果を公表した最新の「生活意識に関するアンケート調査」(調査期間:2017年11月10日~12月6日)では、経済状況に関する生活者(個人)の認識において、「マクロとミクロのギャップ」が拡大していることが示された。

 マクロ経済全般についての個人の認識は、順調に好転している。1年前と比べた場合の現在の景況感DI(回答比率「良くなった」-「悪くなった」)は▲11.9(前期比+1.6ポイント)で、4四半期連続の改善。2014年6月以来の水準である。

 また、現在の景気の水準に関する設問への回答からDI(回答比率「良い」+「どちらかと言えば、良い」-「悪い」-「どちらかと言えば、悪い」)を試算してみると▲23.6(前期比+5.4ポイント)で、4四半期連続の上昇。こちらも2014年6月以来の水準である<■図1>。

■図1:現在の景気水準DI(回答比率「良い」+「どちらかと言えば、良い」-「悪い」-「どちらかと言えば、悪い」で試算)
(出所)日銀資料より筆者作成

一方でミクロの認識は悪化、ミクロとマクロの認識ギャップ拡大

 だが、ミクロの認識を示していると考えられる、1年前と比べた場合の暮らし向きDI(回答比率「ゆとりが出てきた」-「ゆとりがなくなってきた」)は▲33.7(前期比▲1.8ポイント)で、2四半期ぶり悪化。このDIは2016年以降、前期比上昇・低下を繰り返している。

コメント2件コメント/レビュー

経済状況に関する生活者の認識が、「マクロ」と「ミクロ」についてギャップが拡大しているというのは、少子高齢化の進行に由来する、当然の乖離ではないでしょうか。減少する労働者が頑張って働いたくらいでは、(マクロ経済の好景気)、
激増する高齢者の年金医療介護をカバーできない。(ミクロ経済の不景気)、
ということですよね?(2018/01/23 09:52)

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「個人で「マクロとミクロのかい離」拡大」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

経済状況に関する生活者の認識が、「マクロ」と「ミクロ」についてギャップが拡大しているというのは、少子高齢化の進行に由来する、当然の乖離ではないでしょうか。減少する労働者が頑張って働いたくらいでは、(マクロ経済の好景気)、
激増する高齢者の年金医療介護をカバーできない。(ミクロ経済の不景気)、
ということですよね?(2018/01/23 09:52)

まず、分析の数字として、DIを用いるのはいかがなものかと思います。
そして、DIを用いている時点でマクロの分析しかできないのでは・・・(笑)
上野さんが勝手に定義を変更することには聊か問題があると思いますし、NBO編集者もその程度の基本的な知識については校閲を行ってください。
そもそも、景況感DIがマイナスな時点で「景気が悪い」程度の分析しかできないと思うのですが・・・DIは景気の谷や山など景気変動の分析を行う為の指標だと思いますよ。
私が間違っているのであれば、コラム内でDIの使い方の説明回でも設けてください。
また、「物価が上がった」ことについても、マクロでCPI自体は上昇していますが、コアコアCPIを確認すれば上昇していないことが明らかです。『景気拡張局面が戦後2番目の長さに達しており大手企業の利益水準が過去最高を更新した』と言っても、実質賃金は低下していますし、景気の拡大幅も微々たるものなので実感がないことは当たり前です。
エコノミストならば、これらの分析から導き出せる答えとして、『日本経済復興のためには個人消費が重要である、その為には個人消費を促進するような政策が必要である。まずは、消費税を廃止(減税)し、(労働分配率の改善の為に)労働規制を強化すべきである、一方で再分配の為に法人税は増税すべきだ』ぐらいの提言を行ってはいかがですか?
分析から導き出せる結論は非常に単純だと思うのですが(笑)
【あん肝】(2018/01/23 09:41)

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