首都高トンネル 脱出の人相次ぐ

首都高速道路中央環状線の地下にある山手トンネルでは、大雪の影響で昨夜から激しい渋滞が続いているため、車を降りて歩いて非常階段を上り地上に出る人たちが相次いでいます。

首都高速道路によりますと、22日夜7時半ごろ、中央環状線の西新宿ジャンクションで地下の山手トンネルから4号線に進もうとした車が、雪のため上り坂を登れなくなり立往生しました。
この影響で、中央環状線の外回りは5時間あまり経った現在も、西新宿ジャンクションから五反田出口付近にかけてのおよそ7キロにわたって、断続的に激しい渋滞が続いています。
首都高速道路によりますと、カメラの映像などから渋滞している区間の複数の場所で、車から降りて車道を歩く人の姿が確認されているということです。
NHKが目黒区の幹線道路沿いにある山手トンネルの非常口で取材したところ、トンネル内で止まっていた車から降りて非常階段を上り地上に出たという人が相次ぎました。
首都高速道路は、西新宿ジャンクションで除雪作業を進めるとともに、立往生した車を移動させる作業を進めています。

首都高速道路・中央環状線の山手トンネルで、渋滞に巻き込まれたトラック運転手の男性はNHKの取材に対し、「午後7時ごろ首都高に入ったが、1時間に数100メートルしか進まない状態が続き、5時間以上たってもトンネルから出られない。トンネル内は排気ガスが充満していて、荷物を持って車から降り、非常口に向かって歩く人を20人くらい見かけた」と話していました。
さらに、「渋滞が始まって1時間くらいあとに一度、緊急車両が通ったが、何のアナウンスもなく、その後も高速道路会社などから一切、状況の説明は無い。これから八王子まで行かないといけないが、渋滞がいつ解消されるのかホームページを見ても全くわからないので、とにかく情報がほしい」と不安そうに話していました。

羽田空港から新宿に向かうリムジンバスに乗り、首都高速道路・中央環状線の山手トンネルで渋滞に巻き込まれた50代の会社員の男性は、トンネル内でバスを降り、非常口から外に避難しました。
男性は「山手トンネルに入り、五反田あたりで5時間ほど、バスがまったく動かなかった。運転手から『緊急事態なので外に出たい人は自己責任で出て下さい』と言われ、バスを降りて30分ほど歩き、非常口から外に出た」などと当時の状況を説明しました。
男性はトンネル内の状況について、「ほかの車に乗っていた人がリムジンバスのトイレを借りにやってきて列が出来ていた。どれくらい渋滞し、いつ動き出すのか全く分からない状態で不安が大きかった。なぜこんな悪天候の時にトンネルを通行止めにせず車両を入れたのか怒りがこみ上げてくる」と話していました。
またリムジンバスに乗っていた別の会社員の男性は、「車内は満席で、いつバスが動き出すのかや、まわりの状況もまったく分からなかったが、取り乱す人はおらずみんな冷静だった」と車内の様子を振り返りました。
そして、「携帯電話でツイッターを見ていると、トンネル内で車を降り、歩いて非常口から外に出た人がいることを知った。いつになったら出られるのか分からなかったので、バスの乗客数人と一緒に外に出ることにした」と話していました。