クローズアップ現代+「#MeToo 広がる世界 でも日本は…」[字] 2018.01.22

221月 - による admin - 0 - 未分類

また首都圏のJRと私鉄各社によりますと、あすは今のところ、始発から平常どおりの運行を予定していますが、今後の雪の状況によっては、ダイヤが乱れることもあるということです。
このうねりどこまで広がるのでしょうか?全米で100万人が参加したデモ。
#MeToo、私も。
そうつぶやいて、セクハラや性暴力の被害を訴える動きが加速しています。
アメリカではトランプ大統領を告発する女性も。
#MeToo、私も!その声は世界に。
ヨーロッパでも女優や歌手などが次々と実名で声を上げています。
その波は、日本にも。
しかし、海外とはどうも状況が違うようです。
#MeTooが広がり続ける世界。
なかなか広がらない日本。
その背景を探ります。
#MeTooの震源地となったハリウッド。
今月開かれたゴールデングローブ賞の授賞式では、女優たちが黒いドレスに身を包みセクハラへの抗議を示しました。
きっかけは、去年12月。
数々のヒット作を生み出した大物プロデューサーがその地位を利用して女優たちにセクハラを繰り返していたことが発覚したのです。
一人の女優がツイッターに投稿すると多くの著名人が被害を告白。
一般の人たちも続き#MeTooは最初の1週間で少なくとも180万回ツイートされました。
そして3か月後。
TIME’SUPもう終わりにしよう。
300人以上の女優たちが呼びかけ、セクハラの被害者を支援するための基金を設立したのです。
女性の社会進出が進むアメリカですがセクハラの被害者で裁判などに訴える人は10%にとどまっています。
新たな基金では訴訟費用を支援し企業を罰する法律の制定を目指しています。
ハリウッドから始まった#MeTooの大きなうねりは多くの女性たちを突き動かしています。
フアーナ・メラーラさんです。
中米からの移民であるメラーラさん。
#MeTooをきっかけに初めて被害体験を告白しました。
20年以上前からホテルで清掃の仕事をしてきたメラーラさん。
客室で襲われそうになるなど何度もセクハラを受けてきたといいます。
ホテルの経営者に訴えても取り合ってもらえなかったメラーラさん。
仕事を辞めさせられることを恐れて、諦めていたといいます。
そうした中メラーラさんが目にしたのが#MeTooによる社会の変化でした。
著名人や政治家など地位のある人たちが女性たちの告発で相次いで辞職に追い込まれたのです。
長年、セクハラ問題を研究しているハーバード大学のドビン教授は#MeTooによってアメリカ社会に地殻変動が起きているといいます。
TIME’SUPTIME’SUP
メラーラさんもホテルで働く女性たちと共に行動を起こすことにしました。
ホテルの経営陣に対してセクハラ対策を強化してほしいと直接訴えようとしたのです。
ところが…。
この日は話をすることができませんでしたがメラーラさんは行動を続けていくつもりです。
セクハラ問題をコラムにも執筆しているパックン。
なぜ今、アメリカでこの#MeTooの問題が、これほど拡大しているんでしょうか。
こういうセクハラ、性暴力の問題は昔から続いてるんですけど、少しずつ意識が高まってきたんですね。
各業界で、一応問題視はされていました。
例えば、女優さんの出演を交換条件に、性的行為を強要する、キャスティング・カウチ、ソファ、キャスティングのソファというものが昔からうわさされてましたけど、裏でずっと意識とともに、怒りが高まってきた中で、今回は顔を出して、実名で告発する女優さんが立ち上がって、そこにたまった怒りが、ダムの決壊によって、ざーっと流れ出したと感じますよね。
そしてもうひとかた、セクハラを中心に扱う労働組合を立ち上げ、これまで100件以上の相談を受けてこられた佐藤さん。
被害者の皆さんにとって、この#MeTooという運動が持つ意味、どんなものがあるんでしょう?
まず1つは、孤立からの解放だと思います。
例えば国の調査では、性暴力被害に遭った約7割がどこにも、誰にも相談していないんですね。
それは、大ごとにしたくない、誰にも知られたくない、さまざまな理由があります。
もう一方が、相談をしても、そのセクシャルハラスメントの理解をされない、偏見や無理解の中で二次被害に遭ってしまう。
そういった中で、自分だけの問題だと1人で抱え込んでしまう。
そういう構図を作ってしまった。
でも、この#MeTooによって、そうか、これは社会の問題なんだ、そういう気付きが今回広がったんだと思います。
社会の問題としますと、当然、私も、世の多くの男性も無関係じゃないと思うんですけど、このセクハラや性暴力が起きる根本的な原因、何なんでしょう?
まずは、構造的な問題があると思います。
男性中心の社会であったりとか、会社においてもトップが男性中心であったりとか、そういった問題が1つあります。
あともう一つは、セクシャルハラスメントって、自分の地位を利用した性行為なんですけど、じゃあ、自分の地位って今、どういう状況なんだろうかという自覚だとか、じゃあ、自分の持っているパワー、力ってどういうものなのかっていうところを、やはりそのことを知るってことも、すごく大切なことだと思うんですね。
自分が実は思っている以上に女性に対して、強い立場にあるんだということに、無自覚な人が多いということですね。
日本は経済世界フォーラムの男女平等ランキング、ジェンダーギャップランキングによると、世界で114位と、結構低い地位。
114位ですね。
日本は男性優位の社会になってるんですけど、それを意識してない男性の方も非常に多いと思いますね。
さあ、世界に広がる#MeToo。
日本ではどうなっているのかこちらです。
去年の12月、ブロガーのはあちゅうさんが、過去に受けたセクハラ被害について、みずから告白し、日本でも#MeTooが一気に広がりました。
はあちゅうさんの告白のきっかけは、一人の女性に対する社会の批判だったといいます。
伊藤詩織さんです。
3年前に知り合いの男性から性的暴行を受けたと訴えて、去年5月に顔や名前を公表して記者会見しました。
それに対して、会見時の服装を批判したり、売名行為などの声が相次ぎました。
男性はおととし不起訴となり、去年、検察審査会で不起訴は妥当とする議決が出ています。
伊藤さんは男性に対して損害賠償を求める民事裁判を起こし、男性は合意に基づくものだなどとして、全面的に争う姿勢を示しています。
はあちゅうさんは実名で公表し、批判も受けた伊藤さんの姿から、声を上げた伊藤さんに勇気をもらいました。
自分もセクハラでつらい思いをする人が、これ以上出てほしくないと、みずから告白しましたと話しています。
はあちゅうさんが公表した日以降、日本でも投稿は一気に広がり、5万件を超えました。
しかし、よく見てみますと、世界中が反応していた去年10月、11月は、ほとんど声が上がらず、一気に広がったあとも長くは続きませんでした。
なぜこれまで声を上げられなかったのか、そして声を上げたあと、どんなことが起きたのか、取材しました。
セクハラの被害を受けた28歳の女性です。
今回、#MeTooで発信するまでずっと声を上げることができなかったといいます。
それは5年前勤めていた広告制作会社の忘年会でのことでした。
「誰も私を守ってくれなかった」。
実は女性は当初セクハラに対して声を上げようとしていました。
しかし、上司に相談したところ返ってきたのは、思いもかけない反応だったといいます。
さらに女性が口を閉ざすことになったのは同性の先輩からのことばでした。
その後もセクハラは続き女性は耐えきれなくなり会社を辞めました。
しかし去年12月#MeTooの声が広がっていくのを見て胸に閉まってきた思いを勇気を出して書き込みました。
#MeTooで声を上げたものの、新たな壁を感じている人もいます。
劇団で活動をしている20歳の女性です。
セクハラに遭ったと投稿しましたが心ない批判を受けました。
女性が高校2年生のとき演出家の男性に誘われて行ったカラオケで、肩に手を回され自分の性的な行為を見るよう求められたといいます。
女性は泣きながら震える手で書き込みました。
投稿から数時間、同じ男性からセクハラを受けたという声が相次いで寄せられます。
そして翌日、細かな事実に認識の違いがあるとしながらも演出家の男性が自身のホームページに謝罪文を掲載したのです。
ところが、女性に対し思わぬ投稿もありました。
そのことばが胸に突き刺さったといいます。
書き込みは、翌日には削除されました。
しかしその後も#MeTooでは投稿した人たちへの心ない批判が続いています。
女性は、声を上げることの難しさを、改めて感じています。
サンタの格好をさせられたという女性。
誰も守ってくれなかったと言ってましたよね。
そうなんですよね。
こういう話に対しては本当に強い憤りを覚えますね。
アメリカだったら、自分の社長、クライアントさんの社長、そして両方の会社に対しても、周りの男性に対しても、訴えることは可能です。
そしてそれなりの弁償金も得られるものなんですけど、日本だったら、あまり自分ができる手段はないし、措置はないんですよね。
その方を信じて支えない社会もみっともない。
非常に怒りますけど、でも同時に、僕も飲み会で、そこまでの度合いじゃなくても、同じような場面、目の当たりにしたことある。
僕もそこでたださなかった。
止めなかった、加害者の一人だというふうに、ちょっと反省のきっかけにもなるなと思いましたね。
佐藤さん、声を上げようとしたら、和が乱れることになるとか、がまんしなさいっていうふうに言われたって言ってましたけど。
どうして声が上げられないんでしょう?
今言ったみたいに、相談をしても我慢をしなさいって、どうお聞きになりました?あれはね、セクシャルハラスメントがずっと繰り返されてきていたんだなと、私は印象として持ったんですけれども、やっぱり働き続けるためには、大ごとにしたくなかったりとか、ましてや今、非正規化が進んでいる、そういった中で、なかなか自分が不利益になるんじゃないかっていう不安から声を上げられないっていうような現状が一つあると思うんですよね。
そんな中、なんとか上げた声が、被害者がバッシングされるような状況になりますよね。
その日本の状況、佐藤さん、どうご覧になりますか?
これは、被害者の問題ではないというふうに思います。
被害者の問題ではなくって、その行為する側の問題であるというところは、しっかりと踏まえて、発信しなければならないというふうに思うんですね。
被害者を責めることは、英語でビクティムシェーミングというふうに言って、被害者を辱めるというふうに、2、30年前から、少しずつそれに対する意識も高まってきて、やっちゃいけない、被害者を信じましょう、支えましょうというふうに、少しずつ社会が変わってきてるんですね。
パックン、でもね、この#MeTooが広がらないほうがいいなと思っている男性も多いと思うんですよ。
例えば、自分の行いであるとか、意識の低さみたいなものが、暴かれるんじゃないかって恐れている男性、それから身がすくむような男性、思いをしている人も多いと思うんですけれども、どうですか?
その男性は、いってみれば、まだいいほうかもしれません。
一応、自覚はしてるってことになりますね。
例えばトランプ大統領は差別主義的な発言をしても、俺ほど人種差別しない男はいないよと、自覚が全くない、自覚全く持たない方も世の中にはいます。
自分があら?セクハラとか、性暴力を今まで務めたことあるんだと思ってる方のほうがまだいい。
そして、その先によし、これをもって自分の行為を改めよう、そして自分の組織を改善させようというふうに動きだしたら、もっといいかなと思うんですね。
それから佐藤さん、男性だけじゃなくて、女性も、声を上げた人を一人にしない、社会全体でこの声を受け止める努力、必要ですよね。
実は、この声を上げるっていうのは、日本はDVやセクシャルハラスメントっていう声がない時代からずっと、声を上げてきているわけなんです。
じゃあ、何が問題だったかって、今、問われているのは、その声に聞く耳を持っているかっていうことが問われているんですね。
その社会の無関心を乗り越えて、どうしたらセクハラ、性暴力をなくすことができるのか。
国を挙げて取り組んでいるところがあります。
フランスです。
#MeTooのうねりが国を突き動かしているフランス。
マクロン大統領はセクハラ対策に本腰を入れることを宣言しました。
これまで職場でのセクハラを禁ずる法律はありましたが公共の場でもセクハラを取り締まる新たな法律を作ることを決めたのです。
そもそもどんな行為がセクハラに当たるのか。
国を挙げた議論が始まっています。
政府が全国で開いているワークショップ。
高校生やお年寄りも参加。
どうすればセクハラや性暴力のない社会を作れるか考えます。
ワークショップでは男性と女性のセクハラに対する意識の違いが浮き彫りになりました。
こうした中、フランスの女優カトリーヌ・ドヌーヴさんの意見がさらなる論議を呼びます。
#MeTooによって男性が女性を口説く自由が脅かされるのではないかと懸念を示したのです。
これをきっかけにワークショップでの議論はさらに沸騰します。
大統領肝煎りで就任したシアパ男女平等担当相。
#MeTooを追い風にセクハラ対策を進めたいとしています。
#MeTooで声を上げた人たちや、まだ声を上げられない人たちをどうやって救うのか。
パックン、どうすればいいんでしょう。
僕は日本にもアメリカにも言えることだと思うんですけど、男性版#MeTooが必要だと思います。
女性の問題だという意識を持たないで、見て見ぬふりをする方は、傍観する方は共犯者だと思って、みずからその問題に取り組む責任があると思っていただきたいと思います。
佐藤さん。
まずはセクシャルハラスメントを許し続けるこの社会を、それをもっとTIME’SUPするためには、社会全体の構造をこれを変えていくということが、とても重要になってくると思いますね。
例えば賃金格差もそうですね。
それからジェンダーバイアスもそうですね。
国会には全然、女性議員が増えていかない。
この格差、先ほど言ったジェンダーギャップも含めて、そういったものを変えていく、構造を変えていくということが、とても重要になってくると思います。
今回、この#MeTooの動きを見て、私たち男性誰もが当事者なんだと思いました。
問題を解決するのは私たちだと思いました。
大人も子どもも目を輝かせる水族園。
2018/01/22(月) 22:00〜22:25
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代+「#MeToo 広がる世界 でも日本は…」[字]

ハリウッドを発端にセクハラや性被害をSNSで発信する#MeTooのうねりが世界で広がる。なぜ女性たちは沈黙してきたのか、なぜ今語り出したのか。内外の最前線に迫る

詳細情報
番組内容
【ゲスト】タレント…パトリック・ハーラン,労働組合「パープルユニオン」執行委員長…佐藤香,【キャスター】武田真一,鎌倉千秋
出演者
【ゲスト】タレント…パトリック・ハーラン,労働組合「パープルユニオン」執行委員長…佐藤香,【キャスター】武田真一,鎌倉千秋

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 定時・総合

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