「ゴルフ離れ」を食い止めるスター養成の課題

世界で通用する選手を多く輩出できるか

ゴルフ関係の団体が連携強化を進めていきます(写真:jacoblund/iStock)

「ゴルフ界のスタープレーヤーを養成する」

2020年東京オリンピック・パラリンピックまで2年を切って、2018年が明けた。ゴルフ関係の16団体が集うゴルフ新年会の冒頭に行われた講演で、日本ゴルフ協会(JGA)の竹田恆正会長が「JGAが目指すビジョンと構想」の1番目に挙げたのが「日本ゴルフ界の再活性化のため、世界における存在感を高める」で、その中でも「国民のあこがれとなるスタープレーヤーの養成」を最上位の取り組み課題とした。

この話には、前提がある。このコラムでもたびたび触れている「ゴルフ業界の縮小」問題だ。

2030年までに市場半減の危機も

ゴルフ界の関係者を一堂に集めた講演で、日本スポーツマーケット研究所と矢野経済研究所のデータ資料としてあらためて現状と未来予測、しかも決して明るくない予測が示された。

人口減少による社会・経済構造の変化などによって、ゴルフ人口やゴルフ市場規模は今後も減少の一途をたどるであろうとする予測値なのだが、例えばゴルフ用品小売市場は2016年に3712億円から2030年には1969億円とほぼ半減。ゴルフ場市場規模も7396億円から3744億円とこちらもほぼ半減という予測。もちろん、これはこのまま何も手を打たなければという話ではある。

そこで、すでにゴルフ界再活性化に対して対応策の提言を行って、施策を打ち出しつつある日本プロゴルフ協会(PGA)とJGAが手を組んで、さらに対応をしていこうという話だ。講演では倉本昌弘PGA会長も竹田会長とともに登壇した。

日本女子プロゴルフ協会(LPGA)や男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)も含めた連携を打ち出した。アマチュアの団体であるJGAのトップが、プロの3団体と「一緒に」というのがまずは驚きでもある。

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  • NO NAME2531b9d8397b
    ゴルフに限った話ではありませんが、競技人口を増やすならスター選手の存在だけでなく、競技者側の可処分時間・所得の確保も必須だと思います。

    バブル期のスポーツ。特にゴルフ産業は企業のコンペや平日の経営者の会合、接待などが一番の稼ぎ頭であり、業務時間外の可処分時間や可処分所得は無関係でした。

    現在では当然そのような需要は大きくなく、競技人口を増やすのであれば可処分所得を増やすとともに、長時間労働を見直さなければスポーツに費やす時間もお金も捻出しようが無いでしょうね。(一度回るとなれば移動時間も含めて5時間以上は拘束されるゴルフは猶更です)

    まして小さな子供でも楽しめるスキーなどのスポーツと比べて、ゴルフは多少なりともハードルは高いです。
    up9
    down0
    2018/1/21 09:27
  • NO NAMEa6c84ee505cc
    東洋経済誌はスポーツと言ったら国内ローカル競技の野球とゴルフしか書けない欠陥誌ですね。
    間もなくゴールのダカールラリーとか、世界から選手が集まる国際試合の記事は書けないんですね。
    さてそれはともかく、スターシステムに頼ったら終わりますよ。
    ベースとして競技その物の面白さが有ってのスターシステム。
    競技その物がスピーディーでもなくダラダラ進行な現状を直さないと、まず若者は見てもくれません。
    現実を見ればスターシステムに頼ったスポーツはどれもお爺ちゃんお婆ちゃんのヒーローしか作れてないですよ。
    ゴルフ、野球、相撲、フィギュアスケート・・・。
    up14
    down5
    2018/1/21 08:37
  • NO NAMEfba24453d457
    日本におけるゴルフのスタイルを変えた方がいいと思ってます。
    ジャージとか実用的なスタイルでプレイ可、過度なマナー啓蒙の廃止、スループレーの更なる普及、公共交通機関でアクセス可能、プレーフィーが安価である事など含めて言うなれば河川敷のノリのコースをもっと増やせば良いのでは。

    目的はあくまで潜在ユーザーへの歩み寄りであり、名門は名門として有るべきです。
    up7
    down0
    2018/1/21 10:52
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