ももクロ有安、卒業ライブ緑色に染まった　８年間やりきった…悔いなし

　人気アイドルグループ・ももいろクローバーＺが２１日、千葉・幕張メッセでコンサート「ＯＰＥＮＩＮＧ～新しい青空へ～」を開催した。１５日に「普通の女の子の生活を送りたい」とグループ卒業を発表した有安杏果（２２）はこれがラストライブ。隣接するライブビューイング会場と合わせ、詰め掛けた３万７２３７人のファンに、歌でダンスで感謝の思いをぶつけた。

　海浜幕張駅から続く人の波は朝から途切れず、昼すぎには幕張メッセを何重にも取り巻いた。駆けつけたマスコミは４０社。モノノフ（ももクロファン）の服の半数近くが緑色。この日をもって卒業する杏果のイメージカラーだ。場内が暗転すると、緑のペンライトが９割を占め、それは最後まで灯り続けた。

　「Ｚ伝説～終わりなき革命～」でスタートしたコンサート。前半の衣装は２０１４年、杏果がカゼで欠席した紅白歌合戦の際に着用したもので、ファンのサインが記されている。１４曲目「モノクロデッサン」を歌い終えた後にメンバーが送る言葉を涙で語り始めると、場内は静まり返った。

　「いつも助けてくれて…これからも友達でいてね」（高城れに）、「やめてよかったと思える人生を送ってほしいし、私たちはやめなければよかったと思ってもらえるように輝きたい」（佐々木彩夏）。続いて４人が歌い出したのが「新しい青空へ」。この日のためだけに用意された新曲だ。♪その小さな体　抱え込んでいた　雨雲　少し晴れたかな♪　杏果の目は真っ赤、涙もこぼれた。しかし笑みは絶やさない。「笑顔で終わりたい」と決めていたから。

　「この４人にはたくさん、いろんなことを教えてもらいました。この４人で本当によかった…。これからは４人とモノノフさんで５人。８年間、幸せなアイドル生活でした。みんなに自慢できるくらい幸せになります」

　そう言うと４人からもらった花束を手に、杏果はステージ奥へ消えた。赤ん坊の時から芸能界で生き、ももクロを支えてきた「小さな巨人」が、やっと「普通の女の子」になった瞬間だった。

　残された４人。そこにサプライズ応援で現れた松崎しげる（６８）が「愛のメモリー」の替え歌に乗せて、５月２３日にももクロ初の東京ドームコンサート開催を発表。終了後にはスクリーンに初のベストアルバムが同日リリースされることも告知された。ももクロ伝説は終わらない。仲間の思いを継ぎ、新章を迎える。

　－５人では最後の日

　有安「メンバーとして８年間やりきって、悔いはありません。いまはスッキリした気持ち」

　－卒業発表からこの日まで、どんなことを思ったか

　有安「いろんな意見もありました。でもお疲れさまという声が多くて…。思い出すのはライブのこと。最初のころは駐車場で歌ったりしたのも、いまは懐かしい」

　－有安さんはメンバーにとってどんな人

　百田夏菜子「歌声が力強く、あの声にどれだけ助けられたか」

　玉井詩織「身長が一番小さいのに、だんだんそれが大きく感じられるほど存在感があった。杏果が勉強しているのを見て、ああ試験のシーズンなんだとわかるほど。頼りにしてました」

　百田「ダンスのフォーメーションもすごいメモしていて」

　高城れに「ハロウィーンのアイデアをモノノフから募集したときも、杏果がノートにまとめて」

　百田「誕生日のお祝いメールも杏果が送ってくれて気が付くのよね」

　４人「これからどうすればいいのか…」

　有安「ちゃんとメールしてあげる。めざましコールもやります」

　４人「ありがとうございまーす」

　－では、ももクロで学んだことは

　有安「やるしかないっていう状態で活動し、そこで１００％の力を出すことができたのは、このメンバーだったから。支えてくれる人があって、物事は成し遂げることができる。これからも感謝と謙虚さを忘れない」

　－卒業してまずやりたいことは

　有安「まず寝たい、ですね（笑）」

＜有安杏果（ありやす・ももか）＞　１９９５（平成７）年３月１５日生まれ、埼玉県富士見市出身。身長１４８センチ、血液型はＡ。雑誌の赤ちゃんモデルで芸能活動をスタート。小学生の時にフジテレビ系「ポンキッキーズ」にレギュラー出演する一方、キッズダンサーとしてＥＸＩＬＥのライブツアーに帯同。２００９年に「ももいろクローバー」（のちのＺ）に加入、イメージカラーは緑。１６年には初のソロライブを開催。１８年１月１５日、グループ卒業を発表。