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【スポーツ】

[ラグビー]1950年創部日野自動車初昇格 最終盤47次攻撃7分耐えて劇勝

2018年1月21日 紙面から

入れ替え戦でNTTドコモに勝利し、初のトップリーグ昇格を喜ぶ日野自動車の選手ら=ヤンマーで

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◇トップリーグ入れ替え戦 日野自動車20-17NTTドコモ

 日野自動車、悲願の初昇格!! ラグビーのトップリーグ(TL)入れ替え戦は20日、大阪市のヤンマースタジアム長居などで3試合が行われ、1950年創部の日野自動車(トップチャレンジリーグ=TCL2位)がNTTドコモ(TL15位)に20-17で競り勝ち、初のTL昇格を決めた。前半を17-5で折り返した日野自動車は後半27分に追い付かれたが、同33分、SO染山がPGを決めて勝ち越し。試合終盤、相手の猛攻をしのいで初昇格を手にした。

 コカ・コーラ(TL14位)は三菱重工相模原(TCL3位)と27-27で引き分けたが、規定により残留。サニックス(TL13位)は九州電力(TCL4位)を40-21で退けた。

 悲願の昇格は約7分にもわたったディフェンスの先にあった。後半40分終了を告げるホーンが鳴ってから5分を経過、日野自動車陣内まで攻め込んでいたNTTドコモの連続攻撃は47フェイズを重ねていた。相手のノックオンでようやく攻撃が途切れて勝利が決まった。「このチームをトップリーグに上げるためにここにいる」と言ってきた元日本代表主将で、移籍2年目のフランカー佐々木は涙を浮かべて仲間と喜びを分かち合った。

 10-5の前半39分、SO染山のキックパスを受けたWTB篠田がトライ。ゴールも決まり、リードを12点に広げて折り返した。後半、2トライを奪われ追いつかれたが、引き分けでは昇格できない日野自動車は同33分、染山のPGで20-17と勝ち越した。後半途中から出場したフッカー広川主将は「最後の守りは昇格への厳しさだと思ったが、負けるつもりはなかった」と胸を張った。入社10年目、昨年7月に長女が誕生。「忘れられない最高のシーズンになりました」とかみしめた。

 NECの監督経験がある細谷直監督(53)が就任してから4年。サントリーから加入の佐々木をはじめ、NTTドコモでプレーしていたプロップ久富らTL経験者らが加わり、社員選手ばかりだったチームは生まれ変わった。細谷監督は「最後は選手のプレーを信じていた。きょうは社員選手が頑張ってプロ選手を引っ張った」と底上げされたチームをたたえた。

 創部68年目、史上3チーム目の入れ替え戦突破で、日本最高峰のリーグへ昇格した。新たな歴史がここから始まる。細谷監督は「上がることより、残ることの方が大変。あしたからチームをつくっていきたい」と来季を見据えた。 (小原栄二)

 

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