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iPad等が話せない発達障害の子との架け橋に

time 2018/01/22

この記事は約 6 分で読めます。

iPad等が話せない発達障害の子との架け橋に

2歳半で発達障害と診断をされた、双子のエディーとマイク・タッカーマンは、口で話すことはほとんどありません。
10代の頃は、ときどきノートに書いて母親とコミュニケーションを行うことはありましたが、ずっと簡単なことではありませんでした。

両親は、二人にiPadを与えて、文字の表示方法やYoutubeの使い方、Web検索のしかたを教えました。
しかし、最初のうちは二人はiPadを使いませんでした。

ある朝に、父親のマイクは一晩中充電していた携帯電話を見ると、メッセージが表示されていました。
隣の部屋で寝ている息子のエディーが送ってくれたものでした。

父親のマイクは、エディーが文字が読めることさえ知りませんでした。
そして、もっと驚いたのはその文章もきちんとしていたことです。

「今まで話した言葉よりも、たくさんの言葉がそのメッセージにはありました。」

そう母親のスーも語ります。

「お父さん、で始まっていました。夫は眠っていたので返事はしませんでした。

すると、お父さん、どこにいますか?

というメッセージが続いていました。」

そのまま、エディーは次の日に行くことになっていたショッピングモールで、どのお店に行きたいか、
お昼は何を食べるのか、などの質問を書いていました。

母親のスーはメッセージを送れる機能があることは教えていましたが、その使い方までは教えていなので、驚きました。

またエディーだけでなく、マイクもiPadでWeb検索を使いこなしているのを見て、驚きました。

「マイクは、質問サイトで質問をしたり、Google検索をよく使っています。

マイクも、物事を理解できていたのです。」

米ルーテンベルグ自閉症センターのエリック・ミッチェルによれば、発達障害の人は文章を他の人とは異なる方法で処理をするため、音声認識と発話への負担が大きいと言います。

「発達障害の人は言語処理の一部を、視覚をつかさどる脳の部位にアウトソーシングさせています。
コミュニケーションができていないと思っていても、実はそこで多くの処理が行われているのです。

iPadのようなタブレットでは、視覚的にコミュニケーションを扱えるため、発達障害の人たちにとって良い学習ツールになりえます。」

手書きの文字は、発達障害の人の中には運動機能の問題から、とても難しいもの、時間がかかるものになります。

その困難を助けるものとなる、音声を文字に置き換えることができるデバイスやアプリは、今数多く出てきています。

現在の課題は、数多くのそのような支援機器の中から、その人にあった最も適切なものを発見することです。

「自分自身を表現するために、適切な文章を相手に伝えることができれば、コミュニケーションができます。

iPadやスマホは、毎日のコミュニケーションに使えるもので、発達障害の人の声を知ることができる架け橋となるものです。」

そう、自閉症センターのエリックは語ります。

発達障害の子どもたちは、文字やタイプする方法を学ぶ前に、もっと基本的なことを2歳くらいから療育士とともに行うことが少なくありません。
絵や写真を使って、自分の欲求を伝える方法を学びます。

米西フィラデルフィア北東部自閉症センターのエリン・オーケス医師がこう言います。

「写真は魅力的でわかりやすいものです。これをきっかけに言葉が出たり、コミュニケーションのためのデバイスを使えるようになることがあります。」

その発達障害の子にあった最適なコミュニケーションのデバイスを見つけるには、試行錯誤が必要で、療育士、家族、学校の先生のサポートも必要になります。

米フィラデルフィア小児病院で言語病理学を専門とするジェニファー・バウスタインはこう言います。

「あまりにも簡単な機能のコミュニケーションデバイスになってしまうと、自分自身をきちんと表現することができないかもしれません。

大事なのは、その子ができることをきちんと知った上で、効果的なデバイスを提供、開発することです。」

iPad等が話せない発達障害の子との架け橋に p3-3

2004年にアカデミー賞にノミネートされたドキュメンタリー映画” Autism Is a World”の脚本を書いたスー・ルービンは、コミュニケーションができるようになってきて、発達障害による沈黙を破ることができたと言います。

今は39歳のルービンが13歳のときに母親といっしょに、学校の言語療法士と心理学者から教えられました。

「私の母はすぐに指導方法を学びました。
そして、私と一緒にたくさんの時間をかけて取り組みました。

私はコミュニケーションができるようになる前は、頭の機能が低下し知能が遅れている人と思われていました。

私が文字をタイプしはじめると、私の両親は私は大学に行けると確信してくれました。
私は、発達障害の人に対する偏見を打ち破って、進んできました。

今の私には、私に偏見を持つ人ではなく、一緒に楽しく過ごすことができる友人がいます。」

ルービンは、発達障害の人たちに、自分にとってベストなコミュニケーションを見つけることを勧めています。

21歳のステファン・ベロッキは、iPadのアプリや複数の機器をコミュニケーションに使っています。
ステファンは幼児の頃から発達障害、そして運動機能の問題からの口頭運動失調症です。
つまり、口を動かすことができないので話すこともできません。

「私と夫は、技術分野の仕事をしていたので、ステファンのまわりには電子機器がありました。」

今はオーティズム・ケアーズ・ファンデーションで技術を担当している母親のカレンはそう言います。

「iPod touchやiPadを手にしたとき、自分を表現することができました。
そして大好きになりました。

ステファンは話すことができませんが、コミュニケーションは別の方法でもできることを教えてくれています。

子どもたちは成長していくので、その成長にあったレベルで、そして目立たないコミュニケーションデバイスが望まれます。

iPadのような誰もが使っているデバイスはとても適しています。
大人になれば、学校外で使うようになります。
ステファンは技術分野に興味と才能があります。それにあった仕事に就くことを願っています。」

学校で過ごしていた頃は、ステファンは母親のカレンによくメールをしていました。

「文法は100%あっているということはありませんでした。
大文字にするべきところがなっていなかったりしました。
しかし、息子のできることがわかりました。」

iPad等が話せない発達障害の子との架け橋に p2-3

ステファン、そして双子のエディとマイクは、自分で文字の入力ができます。

腕や手を支えて、入力を介助する人が必要な人もいます。
しかし、その場合には、入力された文章が、その発達障害の人が本当に考えたものなのか、介助者のものではないかと問題が生じることもあります。

ステファンはiPadで、両親を自分の世界へ招くことができました。

「iPadを使って、息子のステファンは何が食べたいか教えてくれます。
私はわかっていなかったのですが、好きな食べ物のいくつかがそれでわかりました。

息子も他の子と同じようにからあげが大好きです。
特に、スパイシーなものが大好きです。

パスタも大好きです。
あるとき、ソースがかかっていないパスタを求めました。
そして、父親と同じようにオリーブ油とにんにくをかけることを求めたんです。」

(出典・画像:米The Inquirer

うちの子どもも、学校ではタブレットで楽しそうに遊んでいたと聞きました。

なので、家ではよさそうなアプリを入れたiPadを渡しました。

しかし、画面にタッチすることはあまりなく、入れたアプリにも関心を持ちません。

ひたすら、ホームボタンばかり押しています。

暗くなった画面が、押すと明るくなるのが楽しいようです。

アプリも試してほしいですが、楽しそうなので、まあいいです。

(チャーリー)

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