象鼻の奇形、全盲、全前脳胞症の赤ちゃんの中絶を勧められるも出産!あなたならどうしますか?

小さい頃は、誰もが当たり前に結婚をし、誰もが当たり前に子供を産むものだと思っていました。
しかし、現実は違います。

結婚しない人、できない人、子供がなかなか出来ない人、障害を持つ子供を出産した人、中絶した人・・・などなど

世の中はとても複雑でシンプルにはいきません。

そんな中、象鼻の奇形、全盲、全前脳胞症の赤ちゃんであると事前に知りながらも出産を選んだ夫婦が話題になっております。
奇形の子供を産むか産まないかの選択というのは必ず賛否両論がでて議論になることが多いわけですが、あなたならこの状況でどのような選択をしますか?

詳しい内容をみていきましょう。

全前脳胞とは?

象鼻や全前脳胞症という言葉はあまり聞きなれない言葉だと思います。
正直、私も全く知りませんでした。

象鼻(ぞうはな)の奇形というのは、読んで字の如く、鼻が象のように長く垂れ下がっている奇形を言います。

なぜこんなことが起こるかというと全前脳胞症という脳の重い先天奇形によるものなのです。
通常、人間の脳のうち、前脳という部分は胎児期に二つに分かれることで左右の大脳半球が形作られます。

しかし、全前脳胞症というのは、左右に分かれるのが途中で停止してしまうのです。
こうなると、脳の働きも止まってしまいます。

そして、場合によっては顔も左右に分かれないために、鼻は額から垂れ下がってしまうのです。

目の位置は低く1つだけのことがあり、これを”単眼症”といいます。

医師は中絶を勧め、長生きはできないことを宣告

全前脳胞症は、長くは生きられないとされています。
こらは医学書に記載されているようです。

赤ちゃんに異変があると分かったのは妊娠4か月の時。
全前脳胞症と象鼻、複雑な心奇形があることが胎児超音波検査で判明したそうです。

死産になる可能性が高いことと、産まれても長くは生きられないという理由から、医師からは人工妊娠中絶を勧められたと言います。
母親曰く、「医師の眼差しは冷たく、まるで赤ちゃんには生きる価値がないと言っているようでした」とのこと。

赤ちゃんを出産

この夫婦はクリスチャンだったこともあっては医師にハッキリとこう伝えたそうです。

「人の手によって命の期限を決めることはありません」と。

生半可な気持ちでは口に出来ない言葉ですね。

赤ちゃんは母胎の中で力強く生き続け、39週で生まれて来ました。
名前は、賛(たすく)君。

赤ちゃんは産声を挙げることはなく呼吸をしていなかったので、すぐに気管内挿管をして肺に酸素を送り込む処置がなされました。

両目は顔の中央に寄っており、小さく、全盲の状態での誕生でした。
説明されていた通り、鼻は普通の赤ちゃんより長く垂れており、難治性のてんかんも合併していましたそうです。
さらに検査の結果、先天性染色体異常も判明。

気管が異常に軟らかく内腔が潰れてしまうために十分な呼吸ができず、生後2か月で気管切開の手術を受け、新生児集中治療室(NICU)で4か月間を過ごすこととなりました。
通常の赤ちゃんよりもだいぶ長い生後8か月での帰宅。

医師の予想を超えて産まれて来た賛君ですが、やはり生命を維持するにはかなり大変なのがうかがえますね。
現在は、2歳になっているようですが、首がやや据わっているだけで、四肢の動きはあまりないそうです。
2歳になる少し前には、手術を受けるなど、様々な処置が施されているとのこです。

心無い言葉を言われても、我が子への愛は変わらない!

母親によれば、出産した後も周りからは嫌な思いをさせられることもしばしばあるといいます。

義母には「流産するように祈っていた」と心無い言葉を言われることもあったとか。
また、自分の父もあまり家に寄りつかなくなったり、医療スタッフも、妊娠中の賛君の成長を喜んでくれるような言葉を、ほとんどかけてくれないというのが現実のようです。

ですが母親は否定的な思いを賛君に対して抱いたことは、1度もなく、息子が生きているだけで感激の涙を流すほど。
旦那さんも同じです。

夫婦は「鼻が特に可愛く思うほど…」と溺愛しており、重い障害を障害とは全く思っていないのです。
母親曰く、「私たち夫婦は芸術を生業(なりわい)にしているので、美醜については普通と少し違う感覚を持っているかもしれません。賛の顔の中で鼻が特に可愛(かわい)く思うほどです」と、受け入れられる理由を述べています。
また、 「重い障害を持った子を受け入れるもなにも、自分の子を殺したい親はいないと思います。すべてあるがままに自然に生かされているだけです。私たちが胎児の命を絶つ権利など持っていません。中絶は選択肢ではありません。障害児が生まれることは、誰にでも起こることです。神様の何かのご計画かな?と思っただけですんなりと受け止めました」と続けています。

恐ろしい病名も「単なる取扱説明書」

賛君には、恐ろしい病名がたくさん付いています。
しかし母親はそれらを、単なる賛君の取扱説明書くらいにしか思わないそうです。

賛君が”生きていること”それこそが幸せなわけです。
そのことに喜びを両親は感じているんですね。

周りがどう思おうとも、この家族は幸せな生活を歩んでいます。
賛君もこの家に生まれて幸せなのではないでしょうか。

あなたはどのような選択をしますか?

今回、このような賛君の事例を見てきましたが、もし自分が同じ状況だったらどのような選択をしますか?

私は、この記事を見た時に「これが世の中の”正”」という認識になるのは怖いなと感じました。
この夫婦の生き方は素晴らしいことですし、本当に幸せであることが伝わってきます。

しかし、万人にこの選択を押し付けることはできないものだと思います。

中絶しないことが正しいのか。
中絶することが正しいのか。

これには正解はないと思っています。

ですから、周りが何と言おうとも夫婦で決めた答えを貫くことが大事だと私は思っています。

ただ、今回の事例は、同じ難病を持つ親御さんたちを必ずや勇気付けてくれることだと思ったのでシェアさせて頂きました。
こうした「考え方」、「子供への想い」、などなど見習えることは多くあるでしょう。

※批判・推奨する記事ではありませんので予めご了承ください