うつ病は、気持ちが落ち込んで元気がなくなり、意欲を失ってしまう心の病気です。うつ病になる人は年々増加の一途をたどっており、今や社会問題となっています。
そのうつ病が、タバコと深い関係にあることがわかっています。明確な機序はわかっていませんが、ニコチンによって、脳からドパミンが放出されて快感を得られるものの、繰り返していくうちに作用が薄れて、うつ症状が起こりやすくなると考えられています。タバコを吸う人がうつ病になるリスクは、吸わない人よりも約3倍高いといわれています。また、うつ症状の発症リスクをみた調査では、タバコを吸わない人と比較して、タバコを吸う人のリスクは1.65倍に高まります。しかし、禁煙すれば、そのリスクはタバコを吸わない人と同じレベルにまで下げることができることもわかっています。
うつ病は、重症化すると普段の日常生活を送ることができなくなるので注意しましょう。
Breslau, N. et al.:Behav Genet 25(2):95, 1995
Nakata, A. et al.:Prev Med 46(5):451, 2008