日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

熱海のレトロな喫茶店と、起雲閣と、MOA美術館

朝はのんびり起きだして、ホテルのお風呂に入り、まだ敷いてある布団でごろごろ。

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9時半ごろにチェックアウトする。お宿では朝食をとらず、あさごはんは歩いて熱海銀座まで。レトロな喫茶店、パインツリーであさごはん

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アルコールを出すけど、最近はこういうのも純喫茶というのだろうか

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さてこれからどうしよう…とぼんやり相談するでもなく珈琲を啜っていると、奥のほうから店員さんの、このお正月の飾り付け、今日外すって。焼いちゃうの?今日はどんどん焼きだから…なんて声が聞こえてくる。

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そう、本日は熱海のサンビーチでどんと焼きどんどん焼きがあるんですね。そういうわけで、起雲閣に行って、どんどん焼きを見て、昼飯を食い、MOA美術館に行きましょうか、ということに

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お店を出て、日本一早い桜を見ながら起雲閣へ。

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東武鉄道の根津さんが所有したり、高級割烹旅館になったりした末、熱海市の所有する建物になっている起雲閣。

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細部が素敵なので、ほわーっ、って声に出しながら眺めてしまう

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旅館だったころに泊まりたかったね。高かったろうけど

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ゆっくり見物してからサンビーチに出たら、どんどん焼きははじまったばかりだけどもう燃え落ちていて、消防団やらの人が厳重に火の見番をしているので、さながら消防訓練課のようだった。

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さて、お昼。有名な干物やがやっているという和食の店に行ったら、丁度いっぱいになったところで、待つと時間がかかりそう。駅のほうに歩いていき、壹番で中華料理を。早い時間から混んでいて、余裕のありそうな中高年が円卓を囲んでいた。餃子、四川麺、おいしかったです

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腹くちくなって、MOA美術館…へは普通はバスかタクシーで行くんだけど、てろてろ急な坂道を歩いて徒歩で。リニューアルオープン以来、二度目です 

MOA美術館はご存知の通り世界救世教の関連でやっていまして、熱海の斜面にかなり広い敷地を持つ世界救世教、その中でも標高の高い場所に立っているわけですね。で、入り口は美術館よりもかなり低い場所にももう一つあって、そこは世界救世教の本部的な建物のお隣になっている。

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坂道を登り切り、その売店で飲み物を買ってしばし休憩。しかし…見慣れない飲料ですな…。

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世界救世教の教祖、岡田茂吉さんは自然農法にも力を入れていたそうなので、そういう関連なんだろうか

ホテルで買っておいた割引チケットで入り、宗教的体験であるかのような長いトンネルのエスカレーターを登っていく。

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この体験、滋賀県にあるMIHOミュージアムに似ているところがある 

MIHOミュージアムをやっているところの神慈秀明会は、あなたもご存知の通り、世界救世教から分かれた団体であって、最大派閥の教会が分派したという意味において、日蓮正宗創価学会の関係に類似したところがあるが、別に破門されたわけではなかったはず。詳細は知らず。

高山に不思議な建物をお持ちの崇教真光も、教祖の岡田光玉が世界救世教に所属したことがあるので一見、世界救世教と関係がありそうですが、岡田茂吉の死去後、破門され(?)て自分で立ち上げた教団が崇教真光なので分派的な関係ではない。名前も岡田で一緒ですが関係ないのです 

ちなみに正確に言えば、岡田光玉そのものが立ち上げたのは世界真光文明教団であって、光玉の死去後、養女の岡田恵珠が分派したのが崇教真光でありまして、世界真光文明教団のほうも伊豆になかなか豪壮な建築があるのですが

そして新宗教の建築というと、やはり思い浮かぶのは天理教のおやさとやかたでしょうか

天理教も天理参考館という素晴らしい博物館があり、まだ一度も行ったことがないので、一度は行きたいところ。このあたりの基礎知識は五十嵐太郎のこの本を読みましょう 

新編 新宗教と巨大建築 (ちくま学芸文庫)

新編 新宗教と巨大建築 (ちくま学芸文庫)

 

で、さて、さっきから岡田岡田と名前が出てくるので、感の良いあなたは、箱根の岡田美術館も関係あるのでは、と思うことでしょう。しかしあれはちょっと違う。あれはパチンコ屋…アルゼの岡田和生であって、岡田茂吉とも岡田光玉とも関係ありません 

箱根であれば、箱根美術館岡田茂吉がMOA美術館以前に作ったところなので、こっちは世界救世教関係であります。そうそう、世界救世教の関係と言えば、東京に東京黎明アートルームというところもあり 

これもやはり、世界救世教から分派した東京黎明教会がやっている美術館ですね。分派の経緯は知りませぬ。そしてそして、新宗教がやっている美術館ということでほかに思い浮かぶのは、創価学会東京富士美術館でしょうか 

…はい、脱線が長くなりました。MOA美術館の話である。エスカレーターを抜けた先で見るMOA美術館。ここはほんと、お天気良くてナンボだよねぇ。

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そして、エントランスに掲げられた杉本博司の海景に、熱海の海景が写り込んでいるのを見て、あれ、これ、昨日、江ノ浦測候所でも見たぞ、と思うのだった

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 この美術館も杉本博司のこだわりの結晶であって、昨日のデジャヴのようなものがたくさん目に入ってくるのだった

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MOA美術館、リニューアル以来2度目だったんだけど、なかなかのお客の入り

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透明度の高過ぎるガラスに激突する人々、行き止まりの柵を蹴飛ばす人、折れて修理される柵、鳴り響く注意音、撮影禁止でも構わず撮影する人、携帯電話で大声で会話する人、まったく注意しない監視員、なかなか、観光地らしいカオスだった

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 この扉が赤と黒の漆塗りであることや

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床や壁や照明や、その他あらゆる場所への際限ない拘りなど、敢えて説明しようとしないので、どれくらいの人が気が付いているんだろうか。江ノ浦測候所に来ている意識の高そな若者集団とある意味、好対照。しかし、それはそれで、良いのかもしれない。

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かわいい鬼、かわいい猫

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本阿弥光悦の樵夫蒔絵硯箱、それを描いた小林古径

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そんなものを見ておりました。そしてMOA美術館、あまり裏まで回らない人も多いのだけれど、光琳屋敷があって、こちらのお庭も良いのですね。って、自分も初めて見たんだけど。

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中で着付け体験が出来るらしいんだけど、並べてあった着物が物凄くちゃんとした訪問着や帯ばかりで、これは垂涎。

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茶室でいただいたお茶もちゃんとしてるし、奥の床の間にさりげなく掛かってるのは川合玉堂だし

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いちいち、油断がならない…お金が掛かっている…と思ったのでした。さて、美術館を出て

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帰り道もあるこう

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世界救世教の敷地内の梅園を通り抜けて、新人寮の入口に、自民党のポスターが貼られているのをみたりしながら

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熱海駅まで歩いたのでした。駅の近くで、なかなかややこしい喫茶店を見た。

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商店街をぶらぶらし、ひものなど買って

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東海道線に揺られること1時間20分、横浜への帰宅したのでありました。熱海は近いね

在華坊(@zaikabou)/2018年01月14日 - Twilog